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「The Rhinegold & The Valkyrie」Arthur Rackham

2019.08.13 06:25

阪急のポップアップストアにも持ってきている美しい本をご紹介致します。

イギリスには「挿絵の黄金時代」とも呼ばれる19世紀後半から20世紀前半にかけての絵本、挿絵本の黄金時代がありました。

ケイト・グリーナウェイ、ウォルター・クレインなどに始まり、ウィリアム・モリスのアーツ&クラフツ運動、そして20世紀の挿絵画家たち、ラッカム、デュラック、ニールセンなどが活躍したこの時代の本は、挿絵としてだけでなく、本としての美しさも追求された豊かな時代でした。

そんな時代の後期を代表する画家アーサー・ラッカムが挿絵を描いたのが、こちらの「The Rhinegold & The Valkyrie」(1910年2刷)です。

ワーグナーによる楽劇「ニーベルングの指輪」の第一部「ラインの黄金」と第二部の「ワルキューレ」にラッカムが挿絵を付けたもので、北欧神話、ドイツ神話を基にしたワーグナーの壮大な物語を、美しい挿絵とともに楽しむことが出来ます。

カラーページは34枚付いており、そのどれからも汲み尽くせないラッカムの魅力を味わうことが出来ますが、そんなカラーページだけでなく、章の始まりや終わりに挟まれる小さなカットも、とても魅力的です。

またテキストの部分も、セリフを言っている人物/固有名の表記のみフラクトゥールが使われているのはデザイン的にも面白いですね。

大きな判型、布装の金箔押し、本としての存在感も圧倒的です。

高価な本ではございますが、ラッカムがお好きな方、イギリスのこの時代の挿絵本にご興味がある方には、是非見て頂きたい一冊です。

阪急は本日が最終日ですが、阪急でも、オンラインストアの方でも、どうぞご覧下さい。


当店のアーサー・ラッカムの本はこちらです。