ふりかえり|松浦みる
ラフトボール2019 終演しました。
下北ウェーブのご縁でご一緒できたこと、本当に嬉しく思います。
ありがたいことに、『健康観察』を来週8/25に福岡で上演します。これはいいへんじとしてではなくて私個人の企画です。いつかいいへんじとして地方公演がしたいですというアピールでもあります。また、この作品は今回で終わりではないなという感じがしているので、今の時点での振り返りをしておこうと思います、ありがとうございます。
また後日、中島もきっと振り返りを文章にしてくれると思います。2人違うこと言うかもしれないけどそれもまたよし。
以下箇条書きで。
・自分の体調から逃げずに舞台に立ってみた。もともとこの作品のやすこさんは私と体力の使い方が違うとは思ってて、想定するやすこさんと、芝居する集中力とある程度の声量滑舌と体力とを1日の数時間に向けて出せばいい人とでは当たり前が違くて、そんなん今までだってそうだったはずなのに今回はすごく気になってしまった。
人によって"健康"っていうか当たり前があまりにも違うことを考えたからだと思う。
珍しく、夏バテにきちんとなった。頭痛かったりお腹痛かったり単純に元気がなかったり、私こんな!?ってくらい 体が重かった。そのまま舞台に立つなんてすごく怖い、
から今まで色んな準備体操や栄養ドリンクを駆使して「重いな〜」という感覚を飛ばす工夫をしてきた、し、日常生活からその工夫をしないと外に出られない人もたくさんいることを知った。
この重さが当たり前だとしたらと考えて、あっこのままやってみようと思えて、今までの私の感覚で言うと「元気がない」ままお芝居をしてみた。
悪くなかった。でも、じゃあこれからも、とは別の話かな。
・毎回反省会をした。稽古のときから、どうだった?という恐ろしくざっくりな質問を演出助手の3人や稽古を見学に来てくれた方に投げて、毎回コメントをもらった。毎公演後も欠かさずやった。お客さんありきの作品だったから見てくれる人の存在がとても必要だったし、稽古の段階からわりと私に任されてる範囲が広くて、とりあえずやってみたこと、変えてみたこと、変えたいけどうまくいかないことを 全部見てもらえたのはとても贅沢だった…
うん、優しいやりとりすぎたとも思える、優しいって言葉を使わせていただきます。ぶつかって戦っての創作こそ、というのもとても分かる。閉じたフィードバックだったとも思う、フィードバックの最初の一歩程度だったとも思う。私はもうそれを問題には思わない。そうなっている理由を大切にして、誰と作っているかを大切にして、ゆっくりやっていきたい。
・自覚しない ことを慎重にやった。まだできる。
・ひとり芝居は、お客さんに甘えるのが簡単にできてしまう。観ている側のそこにないものを埋めようとする想像力の量とスピードが多くて速くてびっくりする。あとは、おっ俳優の実力試しだ頑張れ頑張れフィルター。
良くも悪くも としか言えないです、でもそこに甘えずに私はできたのかい?
11日の最後の回でのアフタートークで徳永京子さんが「ひとり芝居を書くのが上手い作家さんは多い」とおっしゃっていてマジかと驚いたけど、確かに演じる方も台詞を覚えること以外はそんなに大変じゃなくて、うーん私はまた戻ってきたいなと思った。
・ただ、学生のうちにひとり芝居がやれたらいいなと思っていたので、実現しちゃってびっくりした、ありがとうございます。
・『健康観察』の本番中、
ここにいたくない・隠れたい・やり過ごしたい・こわい・どうせ・弱くてごめんなさい
というようなことをふと感じる瞬間があって、なぜそう感じたのかこれから整理したいと思っている。 私は見られていたいから舞台に立っているくらいなので、貴重な経験。
特に、どうして弱いと思ってしまったのか、慎重に考えたい。私のことなのか、やすこちゃんのことなのか、もっと広いことなのか、
でも弱くてごめんって思ったときなんかすごい自分の、他人にみせたくないところが見えて、嫌な気持ちになった。本番中になに自分のこと考えてんだ。
「感じてもよくて、それをどう対処するかだよね」とおぺに言われた。
いいへんじがあること、一緒に作品作りができること をもう当たり前には思わなくて、
今回は中島と私と、どちらに近いわけでもない同じくらいの距離にいる人物や問題を同じスピードで作っていった感じがしています。
掲げる理想というか、「わたしとあなたの間にある応えを大切に」したかったらそれじゃダメだろうな部分ばっかりで笑えます。
わざわざ大切にしたいと言うくらいなので今遠く及んでいないってことだし、
どうやったら自分たちが大切にしたいことを大切にできるのか、色んな方法で試していけたらと思います。
大切にできていないとき、
おい!!大切にできてねえよ!!って言ってもらえる団体ではありたいから頑張ります。