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ザ・フライング・ダイナソー(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)

2020.08.29 13:27

長さ1124m/高さ46m/最高速度99.8km/h

Bolliger&Mabillard/Flying Coaster

 2016年3月18日にジュラシック・パークエリアにオープンしたB&M製のフライングコースター。フライングコースターとしては、ナガシマスパーランドのアクロバットに続いて、国内2機目、また、長さと、高低差で世界一のスペックを持っている。

 車両は横4人乗りの8両編成。先頭にはプテラノドンが付いている。アクロバットには後から乗ったので、僕にとって初めてのフライング・コースターだった。インバーデッドコースターは乗ったことがあったので、同じようなものだろうと、少し余裕ぶっていた。だが、腹這いの状態になった瞬間、思わず声が出た。「めっちゃ怖い!」初めて乗った時の感覚は今までになかった。本当に新鮮だった。今でもフライングの体制になる瞬間は、乗っている人の悲鳴で包まれているのが、見ていて面白い。乗り場がプテラノドンのケージのように金網状になっていて、さらに緊張感を煽ってくる。

 乗り場を出発すると、エントランス前の通路の真上を巻き上げていく。下から沢山の人が見上げ、手を振ってくれる。この巻き上げは、他の車両の位置に合わせて、遅くなったり、早くなったりするので、油断していると、一気に頂上まで達する。また、僕はメガネを外さないといけないので、ボヤッとしているのだが、巻き上げから見えるUSJ内の景色は本当に綺麗だ。特に夜景。

無数のポールだけが並ぶ味気ないキューライン
駅舎の様子。プラットホームは2つある
パークの端っこに位置している
プテラノドンのケージを模したカッコイイ乗り場
座った状態からフライングポジションへ
悲鳴が上がる瞬間
ラグーンの向かい側から見た全体像
ジュラシック・パーク全体を縦断している
かなり存在感のある巻き上げ
巻き上げを下から見た様子
みんな手を振っている

 ファーストドロップは左にひねりながら、落下。公称では高さが46m、最大落差が37.8mなので、ファーストドロップの最下部でも、高さ8.2mもあることになる。真下が通路になっているので、地面の高さまでは落ちないのだが、人が歩いているところに向かって頭から落ちていく、視覚的なインパクトは抜群だ。また、後方だと、上っている途中からドロップし始め、かなりの引きずられ感がある。特に、最後尾の8列目はかなり良い。腹ばいのまま、ふわっと体が浮く感覚は病みつきになる。

 最初のエレメントはゼロGロールなのだが、普通より多めに1.5回転する。そのままの流れで、うわ向きのまま、地面近くまでダウン。墜落するセスナに乗ってしまったような動きだ。初めて乗った時は、この時点で、もはや意味がわからなかった。そのまま、ジュラシック・パーク・ザ・ライドのスプラッシュダウン(最後の着水のところ)すぐ横で、下から上へと半ループする。ええじゃないかのインサイド・レイブン・ターンの小さいバージョンといえる動きだ。頭から地面に向かって突っ込んで行った後、体がレールに押さえつけられるように、急上昇する。プラスGが強く、少し苦しいが、ここも今までにない感覚。この2つのエレメントが怒涛の勢いで登場するのは、世界中のフライングコースターでもこれだけだ。

迫力のファーストドロップ
1.5回転するゼロGロール
後半は上向きで頭から地面に突っ込む
人々が歩いている通路の真上に
強烈なエレメントがしれっとある
スプラッシュダウンの横で、下から上へ半ループ
怒涛の展開が続く

 続いて、ロストワールドレストラン前を左に旋回し、ジュラシック・パークの門の方へ。ここで、門を囲うようにしてプレッツェル・ループ。誰がこんなトンデモないことを考えたのだろうか。最下部がトンネルになっており、ただでさえ、激しいプレッツェル・ループが10倍増しの迫力になっている。余談だが、オープン前にこのトンネルに何か演出があるのではないか、と期待する声があった。乗ってみたらわかるが、ここでは目を開ける余裕すらないのが普通だろう(笑)。プレッツェルループを抜けると、ラグーン(パーク中央の大きな池)側に向かうのだが、そこにちょっとしたキャメルバックのようなものがあり、ほんの少しだけ浮くような感覚がある。派手なエレメントだけでなく、小技も繰り出してくるのだ。

 そして、ラグーン沿いにディスカバリーレストラン前を大きく旋回。そのままの流れで、ゆったりとした長いインラインツイスト。ここが唯一、飛んでいる感覚をゆっくりと味わえる、ある意味、落ち着いたパートと言えるかもしれない。次にジュラシック・パーク・ザ・ライドの入り口前の広場の上を小さく左に水平ループ。周囲の建物や木々などの近さと、円の小ささもあって、意外なほど激しい。水平ループを抜けると、また小さな落下があり、小技を効かせてくる。ここもちょっとした浮遊感がある。そのまま、最後のエレメント、先ほどよりも速い動きのインラインツイストに飛び込み、ブレーキとなる。 

ロストワールドレストラン前を旋回
ジュラシック・パークの門へ向かう
さらに強烈なプレッツェル・ループ
存在感が凄い
最下部がトンネルになっている
プレッツェル・ループを抜けたところに
ちょっとした浮きがある
ディスカバリーレストラン前を大きく旋回する
その流れで、長くゆったりとしたインライン・ツイストへ
円が小さく意外と激しい水平ループ
最後に再び、インライン・ツイスト

 オープン当初のザ・フライング・ダイナソーに対する反応は全てがポジティブなものではなかった。ジュラシック・パークのエリアほぼ全てを所狭しと走り回るレイアウトの為、エリア全体がコースターの支柱とコース、落下物防止のためのネットで覆われてしまった。また、期待されていたキューラインや乗り場の造形が簡素だったことに対する批判も、かなりのものだった。たしかに待ち列がかなり味気なかったり、ブレーキゾーンから隣にあるセブンイレブンが丸見えだったりと、一部に残念な点はある。だが、コースターとしての完成度は圧倒的だ。また、個人的にはエリア内の雰囲気が壊されたとも思わない。キューラインとは逆に、味気なかったエリアに活気を取り戻していると思うし、支柱が邪魔だと気になったこともない。それよりも、既存エリアの限られたスペースに沢山の激しいエレメントを詰め込んだレイアウトの凄さに感心してしまう。そして、世界有数の激しいコースターであることも間違いない。ザ・フライング・ダイナソーの全編において圧倒的に激しい動きを繰り出すのは最後尾なので、乗ったことがない人は、8列目が当たるまでチャレンジしてみて欲しい。本当にオススメだ。


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