関節の可動状態と認識
関節の動きを わずかに動かし、 関節の稼働状態を 観察することは 筋肉の 使っている場所と使わない場所を観察するのに適しています。
何度も書いていますが、大きく動かしてしまうと代償運動が入ります。 しかし 、小さな動きであってり、殆ど動かさない動きというのは 代償運動を限りなく少なくできるので、筋肉の状態や可動状態を明確に知ることができるようになります。
そのためにも わずかな関節の動きを観察する能力が術者に求められます。その異常を記録していくことで身体の状態を詳細に把握することができます。
いわば純粋な関節運動ということです。
テクニック重視の講習会は沢山ありますが、診断法重視の講習会は少ないです。更に診断をしながら調整を行う方法はもっと少ないということになります。
実は診断をし、認識できれば殆ど治療は終わっているようなものです。MBR法は、そのもっとも典型的な方法です。MBR法は観察調整法ですね。
例えば、足関節をわずかに回旋するような動きをしてみると、 屈曲内反位で 異常を起こしてることが多く観察されます。
これは足首の前内側辺りの緊張があることを示しています。それと同時に足首の前内側に緊張があることを示しています。皮膚張力も発生します。またアキレス腱の踵につくあたりの 外側に緊張が起こりやすくなります。対になって異常を起こして足首の動きを止めている訳です。正しく筋力を発揮しない方向があるということがわかります。
この状況は、本来の筋力を出し切れていない。つまり、20キロの物を持てる能力(筋肉)があるのに18キロしか持てない状態と同じです。
この異常は当然膝や股関節にも 影響が出るというのは、誰が考えてもわかることでしょう。
まっすぐ歩いていると思っていること自体が、 まっすぐ歩いていないということです。つまり真っ直ぐを真っ直ぐと認識せずに歩行している脳からの信号が流れているということです。
まっすぐが良いわけではありません。しかし、 まっすぐ動かそうとして、真っ直ぐ動かないのは、問題です。見た目だけ真っ直ぐ動かすと、 その本人は強烈な違和感を感じます。
真っ直ぐを真っ直ぐと認識するというのは、無理やり動かすという意味ではありません。
曲がっているんだなぁ~と認識できればそれで十分です。だから真っ直ぐが良い訳ではありません。
この意味がわかると治療が格段に向上します。
曲がっているということを認識していないから 動きが異常になるわけです。 それが慢性的に続いて、 痛みや症状を起こしているので、 真っ直ぐを真っ直ぐと認識する意識が求められるわけです。
それを日々訓練することで慢性痛を克服することが できる可能性があります。 大きな力を使う必要は全くありません。
ただ、 自分が真っ直ぐ動いているいうことを認識するだけで治療になるわけです。
認識は治療です。
強制は、治療ではありません。