WHARF workshop 2025

波止場のワークショップ記録① opening から佐藤信さん1、2

2019.08.14 15:01


波止場のワークショップ2019も最終日を終え、早くも1週間がたちます。あれから、自分の家に戻った人、また別の場所へ寄る人、早くも次の現場に合流する人と、それぞれがこのウォーフから次の場所へと立ち去っていきました。

この波止場のワークショップも来年へと続いてゆきます。


ワークショップ期間中にとっていた記録を、編集し、これからブログに載せてゆこうと思います。

長くなりますが、ご興味のある方はどうぞ。


はじめに、初日7/18でのオープニングセッションと、信さんのワーククラス①、②の記録です。






2019/7/18

ワークショップ1日目。

前日、早朝から続々とチェックインしてきた参加者。

それぞれ荷解きをしたり、若葉町を探索したりして昼を過ごし、夜には、ウォーフインのロビーで自然と共にお酒を飲みだす。今朝、最後の日本人参加者を迎え全員が集まる。




【オープニングセッション】

10時~、2Fのスタジオに全員が集まる。


☆はじめに信さんから

「ゆっくりゆっくり立ち上げてゆきましょう。」

との挨拶。


☆ウォーフWSについて

 ここで一番やりたい事は、「垣根をこえたい」ということ。

それは例えば「国境」「世代」「ジャンル」「伝統と現代」

そのための方法は2つ【シェア】と【ネットワーク】であると考えている。

一般的にシェアとは便利で効率的なものだと認識されているが、その本質は「所有しない文化」である。そしてこのウォーフも、みんながそれぞれ、できる範囲のものを提供しあう場にしたい。

ネットワークについて。現在では最もPCのネットが発展している。もちろんそのネットの恩恵はうけているが、本質は人と人である。この会(2019WS)も、去年から人が繋がって、こうしてみなさんは集まってくれた。

このWSは訓練の為ではなく、シェアとネットワークの為につかってもらえればと思っている。今回、世界中から、地理的にはアジアからきてくれた皆さん。ポジティブな意味では「観念的なアジア」は今後世界の中で重要になってくる。そんなことを、WS時間外でお話しできたらとも思っている。

演劇は、「テキストを伝える」という要素を持っている。だからこそ、国際的なコラボがやりにくい。それを変えてゆくため、新しい概念が必要である。

それは字幕など、テクニカルで解決できることもある。

ただそうではなく、演劇というものを拡張させて、その概念をかえていく。

今回のWSではそんなことを目指して、最後に1つ作品ができたらなと思っている。

そして、ヒントになるような少し個別なセッションクラスを、様々な講師の方々を招いて行っていく。



☆このワークショップについて将来的に考えている事。

① このWSを継続してゆく

② このWSでのつながりで、これとは別に作品をつくっていく。2,3人でツアーを組めるもので、このネットワークでツアーを組めるもの。(アイディアがあればいつでも教えてほしい。)

③ この若葉町ウォーフをアジアのアーティストたちがパフォーマンスをするフラットホームにしたい。

また、そのためにHPを更新していきたいと思っている。WSについては随時HPに載せていきたいので、書いたこと、撮った写真、どんどん送る。



オープニングセッションは12時まで行われ、その後は13時30分からのワークまでお昼休憩。参加者、講師のプロフィールやワークショップのタイムスケジュールが載った冊子を配り、さっそく午後へ移った。



【信さんワークショップ①】


13時30分からの高橋宏幸さんによるワークを終え(後日アップ)16時から信さんの最初のワークがはじまる。

全員1F劇場にあつまる。


☆ウォームアップ

ウォームアップは、毎回違う人が仕切っていく。

今回は信さんが担当する。





☆ブラインドウォーク

くじ引きで二人一組になる。

一人がアイマスクで目隠しをして、若葉町の街へでていく。

30分歩いたら、目隠しをとってあげる。そのとき、目隠しをはずした人が何を最初に見るか、なるべく工夫してあげる。また、目隠ししているとき、色々なものに触らせてあげる。

そしてまた目隠しをして10分歩いて帰ってくる。

計40分でウォーフへ戻り交代。

ジャカルタから参加のLiswati(サイト内:リスワティ)

重慶から、去年とつづけて参加の卫蔚(ウェイウェイ)ペア

合肥から参加の占 龙准(ロンジュン)

東京から参加の新上貴美ペア

北京から参加の米乐(ミラ)

南京から参加の初夏(Chu Xia)ペア

☆エバレーション


英語が得意組と中国語が得意組に分かれる。

あした、ブラインドウォークの感想をまとめて発表してほしいので、グループで話し合いをしてまとめる。

① 気づいたこと

② おもしろかったこと

③ むずかしかったこと

☆インフォメーション

あした

・ここへきた第一印象

・自分の気持ち

・昨日みたもの

について、各々自己紹介のパフォーマンスを各々してもらうので、そのつもりで、準備する人はして、アイディアを考える人は考えてください。あしたの信さんワーク②で!



初日のワークはここで終了。

この後、ウォーフの近くにあるレストラン「アジアンダイニング」で、歓迎のパーティー


2019/7/19 

波止場のワークショップ:二日目


歓迎パーティーから一夜あけ

【信さんワーク②】

10:30~、1Fの劇場にあつまる。


☆ウォームアップ

今回の担当:ミシェル

・部屋中を歩きながら、ミシェルが言う番号で速度をかえていく。

・それをしながら、手を叩いたら、180度方向を変える。

・今度は手を叩いたら、方向を変えて一回しゃがみ込む。

・すれ違った人と握手をしていく。




☆ブラインドウォークの振り返り

前日にしたブラインドウォークの振り返り。エバレーションで出た意見を発表していく。


・ジア・イー:

二人組になったとき、まずはそれぞれのリズムを作っていく時間がありました。そこに、ジェンダーの差が少しあり、自分は女同士だから気にならなかったが、やはり男性がリードする場合すこし時間がかかっていた。

目隠しをしている方が自由になる傾向があり、引っ張る人はより面白いところを歩かせようとした。

信号待ちなどで動かない時、何かしらの形でコンタクトをとりつづけていた。

また、目隠ししている人を、普通の人と扱うことは、少し難しくなった。


・シュウ:

目隠しをしていると、どうしても眠くなってしまった。

目隠しをしていると、すごく他の感覚が研ぎ澄まされた。

ペアが親切な場合、とても信頼感が生まれる。ただ、信頼できない場合、すごく不安、不満をもった。

異性と組むと確かにやりづらい。特に、貴美・ロンジュンのチームは男女ペアだし言葉も通じない。貴美は全然平気だったけれど、ロンジュンが手を取るのをすごく恥ずかしがっていた。

目をとったとき、どれだけ感動するかと想像がふくらみすぎて、あまり感動しなかった。まず、とてもまぶしい。そして周りを見てみると、普通の町だった。

また、それまで研ぎ澄まされていた他の感覚が、目が見えたらすーっともとに戻ってしまった。


前回組んだチームの代表者が、チーム内で出た意見をまとめて発表。それぞれの素直な意見がでる。色々な意見は出たが、目を閉じて得た繊細な感覚を、みんな慎重にくみ取ろうとしているのが印象的であった。また、目隠しして知らない町を歩くという、ペアへの信頼が深まるワークを経たからか、全体的に距離が縮まった様子であった。




☆パフォーマンスの発表


・ここへきた第一印象

・自分の気持ち

・昨日みたもの

で、自己紹介のパフォーマンスをする。

三分~五分。音が鳴るので、途中でもそこでおしまい。


☆発表

・ミシェル

・リスワティ

・ジェンチョン

・ジア・イー

・ロンジュン

・ミラ

・シュウ 

・貴美

・リーファ

・初夏

・タイフォン

・寺岡

・ウェイウェイ

・ウェンミン



シンガポールからの参加者であり、リュウ・シャオイが主宰する「避難階段」のメンバーであるJia Yi(ジア・イー)

東京からの参加者である寺越隆喜。

北京から、去年もWSに参加した程文明(ウェンミン)

ステージは、たぶん人間が一番なにをしてもいい空間である。

極端に言えば、何もしないという選択肢もある。ズボンを脱ぎだしたっていい。

そのとき「ここは舞台である」、とプレイヤーは決める必要がある。

多くのプレイヤーは、はじめから舞台上ということを気にしてしまう。そして緊張する。そして一歩目から演じながらでてくる。

これは大きな間違え。まずは集中して自分がでてくる。おもいきって空間に入る。

決まってなくてもいい。入って、そして、空間が、自分のすることが見えてきたら、そこではじめる。


☆インフォメーション


同じパフォーマンスを夜にもう一回やってもらいます。3分から5分、今度は時間になっても音を鳴らさない。

いまやったパフォーマンスに、

【初め、中、おわり】

という簡単なストーリーを入れていく。

信さんワーク②はここで終了。

夜のワークに向けて、各々また考えつつ、昼休憩へ。


制限の関係で今回はここまで、オープニングセッションから、信さんのワーク①②までを紹介しました。

夜にした、発表のブラッシュアップについては、次回載せる予定です。


2019/8/14