線径と再生周波数帯域、そして本数。
お客様より「聴いてみて」と、2組のケーブルを送って頂きました。
貴重なウェスタンエレクトリック WE 24GA(オリジナル版)メッキ単線
ウェスタンエレクトリック WE 24GA(オリジナル版)メッキ単線は、線径0.5mmです。
私が初めて単線を聴いて驚いたのがこの線径0.5mmでした。
より線ケーブルから切り替えると音の鮮明さに驚きますが、やはりレンジは狭いです。
単線としてはバランスの良い中音域にあたりますが、「ゲンさんのスピーカーケーブル」から切り替えるとグッと中音域に再生音が集まりレンジが狭くなるのが良くわかります。
この線径0.5mm単線のレンジの狭さがあったから、線径0.5mmから0.55mmと単線で良い音を探し、単線では無理だ!と、より線から多線径の混用ケーブルを制作し、そして段階的線径構成にたどり着いたわけです。
そして、Belden 18AWG 錫メッキ撚り線
デジタルノギスの計測では線径は0.23mmで、本数は16本でした。
上のウェスタンエレクトリック WE 24GA(オリジナル版)メッキ単線と比較するとレンジはかなり広くなります。
線径0.23mmは空間表現も得意な線径ですので、より線であれば癖もなくバランスの良いケーブルになります。
試聴結果もその通りで、高音域から低音域までバランスの良いケーブルでした。
私は「線径0.26mm×36本が標準です」と書いていますが、線径0.23mm×16本は本数が少なくなる分低音域の深い響きが少し弱く感じますが、小型のスピーカーでしたらまったく不足は感じないと思います。
線径0.26mmより線径0.23mmの方が空間表現は良くなりますが、メッキの為か空間表現にスッキリ感が無く、見通しが少し悪く感じました。
線径と再生周波数帯域、そしてより線としての本数の関係は、ビンテージの単線であってもメッキ線であってもこれまで書いてきた通りだったと再確認させて頂きました。