新年度に知っておきたいさかなクンの作文
さぁ、3月最終日!
おわりははじまり、というわけで、
明日からは4月がスタートです!!
新年度開幕の前に、
不安を和らげてくれる素敵な作文をご紹介します。
作者のさかなクンは皆さんよーくご存知ですよね。
詳しいプロフィールをオフィシャルサイトから引っ張ってきました。
お魚の豊富な知識と経験に裏付けされたトークでギョ存知!さかなクンです。
2015年3月には東京海洋大学名誉博士に就任。
皆様にお魚の情報や正しい知識、美味しい食べ方や環境問題、漁業従事者の皆様とともに明日の漁業を考えて頂こうと全国各地で講演を行っています。
また、2010年には絶滅したと思われていたクニマスの生息確認に貢献。
さらに海洋に関する普及・啓発活動の功績が認められ、「海洋立国推進功労者」
として内閣総理大臣賞を受賞。
2011年農水省「お魚大使」、2012年文科省「日本ユネスコ国内委員会広報大使」、
2014年には環境省国連生物多様性の10年委員会
(UNDB-J)「地球いきもの応援団」の生物多様性リーダーを務めています。
執筆活動では『朝日小学生新聞』にて
毎週(土)「おしえてさかなクン」コラムを連載中。
また、NHK『ニュースシブ5時』の
「魚料理のお悩み解決!きょうのギョちそう」コーナー
でご家庭で美味しいお魚料理が手軽にできるレシピをご紹介しています。
東京都出身、館山市在住。
東京出身なの、意外ですね。
ではそんな彼が書いた作文をご覧下さい。
特に生徒のみんなには読んで欲しいです。
中1のとき、吹奏楽部で一緒だった友人に、
だれも口をきかなくなったときがありました。
いばっていた先輩が3年になったとたん、無視されたこともありました。
突然のことで、わけはわかりませんでした。
でも、さかなの世界と似ていました。
たとえばメジナは海の中で仲良く群れて泳いでいます。
せまい水槽に一緒に入れたら、1匹を仲間はずれにして攻撃し始めたのです。
けがしてかわいそうで、そのさかなを別の水槽に入れました。
すると残ったメジナは別の1匹をいじめ始めました。
助け出しても、また次のいじめられっ子が出てきます。
いじめっ子を水槽から出しても新たないじめっ子があらわれます。
広い海の中ならこんなことはないのに、小さな世界に閉じこめると、
なぜかいじめが始まるのです。
同じ場所にすみ、同じエサを食べる、同じ種類同士です。
中学時代のいじめも、小さな部活動でおきました。
ぼくは、いじめる子たちに「なんで?」ときけませんでした。
でも仲間はずれにされた子と、よくさかなつりに行きました。
学校から離れて、海岸で一緒に糸をたれているだけで、
その子はほっとした表情になっていました。
話をきいてあげたり、励ましたりできなかったけれど、
だれかが隣にいるだけで安心できたのかもしれません。
ぼくは変わりものですが、大自然のなか、
さかなに夢中になっていたらいやなことも忘れます。
大切な友だちができる時期、小さなカゴの中でだれかをいじめたり、
悩んでいたりしても楽しい思い出は残りません。
外には楽しいことがたくさんあるのにもったいないですよ。
広い空の下、広い海へ出てみましょう。
東京海洋大客員准教授・さかなクン
みんなが住んでいるこの世界は実はとっても広いです。
色んな人が居ます。色んな考え方があって、色んな楽しいことや辛いことがあります。
勉強することの一つの目的は、その広くて深い新しい世界のことを知ることです。
新年度。いいことも悪いこともいっぱいあるでしょう。
辛いときは狭い自分だけの世界で考えるのではなく、
色んな人やものに頼って、色んなことを知って、広い視野で物事を考えましょう。
忘れないでくださいね。
世界はとてつもなく広い。
生き方なんていくらでもあるのです。