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13th hour garden

その後の箱根

2016.03.31 12:37

千乃介は狭霧との電話を切ると振り返って言った。

「兄貴、三太やっぱり気が付いてないみたいだぜ。俺たちの電話の理由」

「ああ、そんな感じだったな」

二人の会話を隼人が聞きつけた。

「そうはいっても自分の誕生日くらい覚えているだろう?」

千乃介は考えが甘いなといった調子で、

「自分が一コ年取ったことは分かってても、あいつの場合、それと俺たちの電話が結びつかないんだよ」

「そりゃまた何でだ?」

今度は多岐川が聞いた。

「そんなの俺は知らないよ。けど、あいつはそーゆーヤツなんだよ。箱根にいたときのことを思い出してみろよ」

他の三人はそれぞれその頃の狭霧を思い浮かべる顔つきをした。やがて口を揃えて言った。

「納得・・・」

「だろ?」

「・・・でも、まあ・・・」

一乃介がクックッと笑い出した。

「三太らしいな」

一乃介の言葉に隼人と多岐川は顔を見合せた。

「・・・確かに」

「そうだな」

そして二人も笑い出した

その三人を千乃介は呆れたように見た。

和やかな笑い声がアパートの部屋の外まで響いた。