もう人間じゃなくて、パンと恋したい
「男木島のダモンテ商会のパンは絶対ゆかりに食べて欲しい!」
そんな誘惑をしてきたのは、今回香川旅に呼んでくれた香川在住の友人かおりん。
この言葉には非常に悪意がある。
私がパンが好きで好きでたまらないって、彼女は知っていて、前回の
「グルテンフリークソ喰らえ記事」もちゃんと読んでくれている、私のツボをよく知っている心やさしき友人からのささやき。
そんな彼女が今手伝っている「ダモンテ商会」は男木島という人口約160人ほどの小さな島にあるカフェ。
彼女の言葉が忘れられなくて、止まらない衝動から結局今回の旅で訪れる島は
大人気「直島」でもなく「豊島」でもなく「男木島」にした。
本当は豊島に行く予定でいたけれど、スケジュールだったり色々考慮したら男木島・女木島周遊ルートがタイミング的にも最高だったから。
でも1番の理由は「パン食べたいから。」
旅のディスティネーションにふさわしい、家の近所に欲しいパン
ダモンテ商会は港から歩いてすぐ。誰かのお家に帰ってきたような、温かい雰囲気の小さなカフェ。港に船が着くタイミングでみんな吸い込まれるようにここへ来る。
高松港から「女木島」「男木島」を結ぶ連絡フェリー「めおん」に乗って旅はスタート。
ドアを開けると焼きたてのパンの香りがふわっと私を包んでくれた。これだけでもここにきた価値があったかも、と思うくらい幸せな瞬間だった。
温かい湯船にタプん、と使ったときみたいな包容力と幸福感を五感で感じる瞬間。
(この包容感をまさか人間でもなくてカフェが持っていただなんて。)
このために私はこの島まで来たのね、と思うと静かなる興奮が止まらない・・・
まるで、ずっと会いたかった遠距離の彼に会う気分。
そう、あなたに会うために私は東京からはるばる男木島まで来たのです。的な。
船から降りて10分程しか経っていないはずなのにも関わらず、汗ダクダクの私を待っていたのは、お店の人たちの温かい笑顔と見た目にも爽やかな「甘夏と宇和ゴールドの炭酸ジュース」。
うっかり一気飲みしてしまいそうなくらい、甘さも程よくて香りが爽やか。
瀬戸内の夏が詰まったような爽やかな炭酸ジュースだった。
「瀬戸内の夏最高じゃん!」って
ジュースを飲みながら脳内で独り言がリフレイン・・・リフレイン・・・リフレイン・・・
祝・バージン卒業_イノシシ肉のトリコ
おすすめは「イノシシのバインミーサンド」
店主でもあるご夫婦の旦那さんが、男木島のイノシシを罠で捕まえて捌いているお肉。
正直、今までイノシシを食べたことなんてなかったのだけど
- 超フレッシュ
- 超磁場料理
- 超ローカル
これだけでも食べない理由がない。迷わずおすすめのバインミーサンドにした。
パンはもちろんお店の自家製。
奥様がスイーツを、旦那さんがパンを焼いているそうで、毎日出来立てのパンが食べられる。こんな贅沢なもの、東京になんていくら探しても見つからない。これぞまさにローカルガストロノミー。
きっと東京で食べるイノシシはまたぜんっぜん違うのだろう。
これ以上のイノシシ肉の味アップデートは東京で見込めないと思うので、またイノシシ肉を食べる機会はココに来るまでないと思う。
(我こそは!と思うイノシシフリークの方いたら教えてください、ダモンテ越えのお店を。)
家の近所にあったらずっと通いたいし、多分お昼ご飯に関しては私は自炊をしなくなることだろう。
程よい油加減とクセのないジューシーなイノシシ肉。
まるで豚肉と牛肉のいいとこ取りのような、そんな食べやすさ。
想像以上に美味しくて、私がもう一つ胃袋を持ち合わせているのならば、あと2本はたやすく食べられただろう。ってくらい。
もちろんお肉だけが良いって話でもなくて、パンがもっちり、お肉との相性も抜群。丁寧に作られているのが伝わるし、一口食べれば誰しもがその職人仕事に感動するはず。
全国のハードパン好きには是非とも食べて欲しい!ってくらい。
私はこの後このパンを何本東京に持って帰れるだろうか、そればっかり食べながら考えていた。
祝・お持ち帰り_ 旅の余韻を残してくれるパンの愛おしさ
店内には、そんな絶品パンの販売も。
お店で食べたパンをそのまま自宅に持って帰れるって、映画の続きを見るような感覚で私はすごく好き。
余韻にいつまでも浸れるし、旅の思い出には美味しいパンのお土産、なんて幸せなんだろう。
私が連れて帰ったのはイチジクとナッツのパン。
男木島で育てた小麦を配合しているまさに究極の地場パン。
男木島で育てられる小麦も限られているため、その小麦が終わったらこの味は食べられない。
小麦が違えばもちろん味も香りも全てが違うので、本当に今しか食べられない数量限定パン。
大きなドライイチジクとカシューナッツがゴロゴロ入っていて、今年食べたパンの中でも間違いなくTOP3に入りました。
小麦の香りが香ばしくて、最後の一切れまでじっくり食べたくなるそんなパン。
最後の一切れとのお別れが心苦しいパンでした。
幸せな旅の余韻をありがとう、イチジクとナッツのパン、だいすきだよ(もうここまでくると疑似恋愛)。
高松まできて時間があるときにはぜひ、訪れて欲しいそんなお店。
私はこのお店に行くためにまた香川に行きたいなあ。
また次に香川に行くまでの一方的な遠距離恋愛がスタートしました。
香川県高松市男木町1916
#営業日は事前要チェック #まさに秘境パン
#一人でも大丈夫 #客席数少なめ #ローカルガストロノミー
#パンが美味しい #野菜も美味しい
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