豊かさの本質・下丹田強化
報恩寺の雲水を詠める
蓮咲いて吾唯足るを知る身かな 高資
古池や蛙吾唯足るを知る 高資
臨済宗妙心寺派 ・報恩寺
今日は、芭蕉が『奥の細道』で訪れた那須の雲巌寺の住職をお迎えして「碧巌録」の講演と座禅会が行われていました。
雨空へきざすゴーヤの若芽かな 高資
貝寄風を盈たす瓢となりにけり 高資
瑠璃光の風を盈たせる瓢かな 高資
自宅で穫れた瓢箪で作成。
命には成長する力、自然治癒力が備わっています。人間のエネルギーシステムは段階的に発展し、やがて完成に至ります。その過程を精充気壮神明と言います。
精が充ち、気が壮んになり、神が明るくなる=精充気壮神明の原理はよく知られている事実です。
この原理に則れば まずは下丹田を強化する必要があります。下丹田強化のための行法をご紹介します。
丹田の「丹」は気エネルギ―、「田」は畑を意味します。
私たち人間の「気を集め耕す内丹田」は眉間奥の上丹田、胸の中央にある中丹田、ヘソ下3寸にある下丹田の「3丹田」です。
上丹田は神(しん)を蔵し、中丹田は気を蔵し、下丹田は精を蔵す、とされています。 精が充ち、気が壮んになり、神が明るくなる=精充気壮神明の原理はよく知られている事実です。
悟りのためには 先ず下丹田の強化が大事です。精の字は米と青=食と呼吸を表します。
下丹田の気は 食べ物と呼吸を通じて得られる気です。
下丹田が主に肉体の健康を支えていることが解ります。
この下丹田にエネルギーを集め、循環させるために大事なことは姿勢と呼吸です。
正しい姿勢 ~尾てい骨を巻く~
私たちの姿勢は普段 上の図のように緩やかなS字曲線を描いています。
この姿勢は心身を柔軟に使うには適していますが、エネルギーを溜める姿勢ではありません。
畜気のシステムを作り出すために 骨のS字曲線をJ字の形に創るのが効果的です。 畜気の姿勢を作るには
1.股関節を十分ほぐす必要があります。
2.楽な姿勢で立って 股関節を広げて お尻をそのまま落とし肛門を閉めると(騎馬姿勢)J字が 創れます。
呼吸法のヒミツ ~空けると満たされる~
私たちの体内、心のうちには 多くの老廃物、余計な心配や悩み、感情がいつのまにか溜まっています。
食生活や汚染された環境によって もたらされた毒素だけでなく、いらない習慣、ストレス、混乱しそうなほどの情報など・・・
こんな自分の体と心を空っぽにして 本当の自分を見つけることが 呼吸法の最高の目的です。 息の仕方は生き方とも言われます。
不安だから、何かにしがみつこうとしたり、求めようとして余計なもので心と体を満たすのではなく 全てを明け渡してシンプルになることこそ 健康で輝く生き方を実践する道なのです。
丹田畜気のエクササイズ
1.準備
床に横になり両手の親指をおへその上に当て、中指を下丹田に置きます。尾てい骨を軽くまき、全身をリラックスし 仙骨部位を床にくっつけます。口を開けて吐きだし、体の力を抜きます。
2.畜気姿勢
足を上げて、膝を90度に曲げて、かかとを押し出します。足は両膝の間に拳が一つ入るくらいに開き 平行になるようにします。
仙骨部位は床に触れるようにします。
3.運気の姿勢
下図が運気の姿勢です。つま先を頭の上にあげ、床に触れるようにします。かかとを押し出し、つま先を掴みます。
両膝を伸ばして真直ぐにし、かかとは押し出してつま先を掴みます。
つま先に触れることができない時足首か膝、太ももを持って下さい。
尾てい骨は持ちあげますが 頭は上げません。肩と胸はリラックスしてください。身体で一番長い膀胱経絡が刺激されます。
4.畜気の姿勢に戻ります。
5.整理の呼吸
両足を下ろしながら膝をゆっくり曲げて胡坐を組みます。手を下腹部において、中指を丹田に置きます。床に仙骨部位をつけ、体をリラックスします。
命門から エネルギーが渦を巻いて入り 湧腺から出ていくイメージで自然な丹田呼吸をします。
https://www.brain-training.jp/archives/category/breathing
【「吸う」と「吐く」のバランス】
頭が切れ、弁も立つ人は、ともすると会話の場面でも一人でどんどん話を進めてしまうことがあります。一見雄弁ですが、聞くことを忘れてしまっているため、コミュニケーションが成立しづらくなります。
一方、それとは正反対に「話すのは苦手だけど、聞くのは得意」という人もいます。人の話をひたすら黙って聞く一方という人です。この場合、聞き上手とはいえますが、意思が相手に伝わらず、コミュニケーションが進展しにくくなります。
話すのと聞くのは一対のもの、表裏一体のものです。「話す」と「聞く」、どちらかが欠けると、意思疎通は途切れてしまいがちになるのです。
「会話は、呼吸に似ている」と言われます。「話すだけ」「聞くだけ」では会話が成り立たないのと同じで、呼吸も「吐くだけ」「吸うだけ」では持続しません。苦しくなって倒れてしまいます。
とくに現代人は「吐く」ことを忘れがちだとされます。吸うことに意識が向きがちで、吐く呼吸は短く途切れがちなのです。
呼吸のバランスの崩れは、自律神経に影響を与えます。自律神経には交感神経と副交感神経があり、このうち交感神経は吸う息と関係が深いとされます。交感神経はストレスを感じているときに活発になりますが、交感神経が優勢な状態が続くと、血管が収縮して体が冷えやすくなります。現代人の体が冷えやすいのは、このメカニズムと関係があるとも言われています。
そこで、「吐く」息に意識を置いた呼吸法を行えば、副交感神経にスイッチを切り替わり、交感神経に偏りがちな自律神経のバランスを整えることができます。副交感神経はリラックスモードの神経ですので、安眠や疲労回復にもつながるでしょう。
【呼吸が変われば、体も心も変わる!イルチブレインヨガの呼吸法】
ふだんから口を閉じないで、開けっ放しの人が増えているとされる現代。これは、一つ一つの呼吸が浅いため、口を開けておかないと、息が苦しくなることが理由の一つだと考えられています。現代人特有の「浅い呼吸」を、健康的な「深い呼吸」へと変えるのに役立つのが、イルチブレインヨガの呼吸法です。呼吸が変われば、体も心も変わります!
呼吸は普段何気なくしているものですが、現代人はストレスや疲れの影響でどうしても呼吸が浅くなりがち。呼吸が浅いと、体内の老廃物が十分に排出されず、新鮮な酸素を取り込みにくくなります。体の上の方だけで呼吸してしまうので、力も入りやすく、姿勢も悪くなってきてしまいます。
昔、仙道の世界には、「調息」といって呼吸を整えるトレーニングがありました。調息によって体と心を鍛え、心を鎮める術を身に着けていたのです。生命エネルギーは呼吸を通じて私たちの体を出入りするので、私たちは呼吸を調節することでエネルギーの流れや強弱をコントロールできます。エネルギーを制御できれば、考えや感情を意図したとおりに扱えるようになります。
イルチブレインヨガの呼吸法(ヘンゴン)は、息をするという感覚を目覚めさせ、全身のエネルギー循環のリズムを回復させていきます。それによって、エネルギーを丹田に集めていきます。丹田力がアップすると、脳波が安定し、自律神経のバランスが整えられます。明るく肯定的になれます。
■イルチブレインヨガの呼吸法(ヘンゴン)
(1)仰向けになり、つま先をつかんで、ひざはまっすぐ伸ばします。届かないときは、足首かひざ、太ももを持ちます。肩と胸の力を抜いてリラックスし、息は吐く息を長くします。
(2)足を上げて、ひざを90度に曲げ、かかとを押し出します。ひざとひざの間は、こぶし1つ入るくらい開けます。丹田に集中しながら呼吸します。足の経絡がほぐれ、下腹に力が生じます。
【イルチブレインヨガの呼吸で感情コントロールの習慣を】
カッとなったときに気持ちを静める一番の方法は、深い呼吸をすることです。イルチブレインヨガの呼吸法で、感情コントロールの習慣を身につけましょう。
仕事や人間関係で怒りがおさまらないときは、頭で状況を分析しようとしてはいけません。しばらく考えるのをやめて、呼吸にすべての神経を集中させるのが効果的です。すると、不思議と冷静になることができ、状況をより客観的に判断できるようになります。
呼吸は、感情に大きな影響を与えます。ふだん無意識に行っていますが、それを意識することで感情を上手にコントロールできるようになります。
感情と体は一体です。感情の状態は、さまざまな症状として体に表れます。体温、脈拍、血圧、呼吸、脳波などが、感情の動きによって左右されます。この中で、呼吸だけは、自分の意思でテンポや長さを自由に調節することができます。これを活用するのが、イルチブレインヨガの呼吸法です。意識的にゆったりと深い呼吸にすることで、心を穏やかにしていきます。
イルチブレインヨガの呼吸法をすると、判断力も高まります。感情が激しくなったときでも、深い呼吸を3回するだけで失敗や事故を防ぐことができます。ストレスがたまったときも、呼吸によってうまくリリースすることができます。正しい呼吸の積み重ねにより、生活が豊かになります。呼吸の習慣が、幸福度や健康度を大きく左右するのです。
【イルチブレインヨガの呼吸法で、赤ちゃんのようにリラックス】
現代人によく見られる「肩呼吸」は、心身のストレスの強さを象徴する行為です。イルチブレインヨガでは、呼吸を深くすることで、呼吸の中心を体の中心である丹田(たんでん)へと近づけていきます。
生まれたばかりの赤ちゃんの呼吸を見ると、下腹が上がったり下がったりしています。実は人間は、赤ちゃんのときはお腹を使って深い呼吸をしているのです。
しかし、多くの現代人は、年齢が進むにつれて呼吸の中心が徐々に上へ移動していきます。
腹式呼吸が「胸呼吸」になり、やがて吐く息がとても浅い「肩呼吸」に変わっていきます。お年寄りや病気している人は、呼吸のたびに肩が上下に動きます。
呼吸は、自律神経と深い関係があり、息を深く吐くと「副交感神経」が刺激されるといわれます。副交感神経は「リラックスの神経」といわれており、ストレスをやわらげる働きがあります。深呼吸をすると気持ちにゆとりが生まれるのはこのためです。
しかし、現代人は副交感神経よりも、ストレスの神経である「交感神経」が優位になりやすいとされ、これに伴って呼吸も浅くなります。呼吸が浅いと、「イライラ」や「怒り」といった感情が募りやすくなります。
イルチブレインヨガ呼吸法をすると、副交感神経が優位になりやすくなります。とくに、体の中心であるへその下の丹田を意識する「丹田呼吸」を行うと、気エネルギーが全身をめぐり、血行が改善されます。内臓の働きも活発になり、リンパ液の循環もスムーズになります。
【深くリラックスし、体と脳を活性化させるイルチブレインヨガの呼吸法】
呼吸は腹が立つと早く浅くなり、穏やかだとゆったり深くなります。
1日の中でほんの数分でも意識して呼吸してみましょう。
自然の中にいると想像しながら、地球の新鮮なエネルギーを吸い込むように呼吸します。
体と脳が活性化します。
https://www.youtube.com/watch?v=9mso5BNdvXQ
【イルチブレインヨガの「寝る前の瞑想」で、究極のリラックスへ】
瞑想しながら眠ることで、バツグンの癒し効果が得られるイルチブレインヨガのリラックス法を紹介します。
ココロが空っぽになるくらいに研ぎ澄まされた状態を味わったことがありますか?頭の中にざわめきがなく、感情にわずらわされることなく、意識が一点に集中した状態です。そんな清らかで、静かなココロは、私たちのカラダを芯からリラックスさせ、自然治癒力の回復へと導いてくれます。
そんな理想的なココロの状態へと導いてくれるのが、呼吸瞑想です。深い呼吸を一定のリズムで行いながら、目を閉じて自分自身を見つめる。すると、体がじわじわと温まり、エネルギーの循環が滑らかになっていきます。その状態で睡眠に入ることができれば、深くて快適な熟睡ができます。
寝ている間、私たちの脳と体は、起きている間に弱体化された部分を修復してくれます。快眠をすれば、自律神経のバランスが整い、免疫力が高まります。しかし、ココロが乱れた状態で眠りに入ると、ストレスホルモンが作用して修復機能が十分に働かなくなってしまいます。
寝る前に体全体のバランスを整え、呼吸瞑想で脳波を安定させることで、睡眠の質を高めるのが、イルチブレインヨガの「寝る前の瞑想」です。これは、深い瞑想に入った状態で、そのまま眠るという瞑想法です。カラダをしっかりと休め、日中の疲れによる不調を整える効果が期待できます。
イルチブレインヨガの<寝る前の瞑想>
イルチブレインヨガの「寝る前の瞑想」で、究極のリラックスへ
1.あおむけになり、両腕を楽に広げます。
2.首を軽く左右に揺らし、肩も揺らして首と肩の緊張をほぐします。
3.腰を軽く左右に揺らし、手首と足首も揺らして全身の緊張をほぐします。
4.動作をとめ、呼吸に意識を集中します。
5.呼吸が楽になったら、息を細く長く吐きながら体のエネルギーの変化を感じてみます。雑念がわいてきたら、息を吸って吐くことに再び集中します。
6.呼吸しながら、そのまま寝ます。
【お腹スッキリ!イルチブレインヨガのデトックス呼吸法】
春はダイエットを始めるのに最適なシーズンです。冬に比べて規則正しい生活を送りやすく、日も長くなるので自然と活動時間が長くなります。運動量が増えて代謝もアップし、老廃物を排出しやすくなります。
腸の中にたまった老廃物をきれいにするのが腸のデトックス(解毒)。デトックスで腸の中をきれいにすれば、おなかダイエットはもちろん、免疫力もアップ。腸内の善玉菌が増え、血液もサラサラになります。
イルチブレインヨガの呼吸法「ヘンゴン」は、腸のデトックスに効果的。ヘンゴンは、様々なポーズをとりながら行う呼吸法で、体の中の老廃物やストレスを吐き出すことができます。また、体の中心である「丹田」(たんでん)にエネルギーを集めることで、腸を活性化。便秘を改善し、代謝もアップ。頭もスッキリ、集中力が高まります。
ヘンゴンの基礎課程
本格的な呼吸法に入る前の準備過程です。腸と腹部の筋肉をほぐします。
① 仰向けになり、ひざを立てて足を肩幅に広げます。
② 両手をおなかにあて、ゆっくりおなかをふくらませたり、へこませたりを繰り返します。
ポイント:最初はおなかを大きくふくらませたり、へこませたりすることに集中!慣れてきたら速度を一定に保って、リズミカルに。呼吸は意識せずに行います。
イルチブレインヨガのデトックス呼吸法
【呼吸法と気功で脳活性化!ストレス解消!~イルチブレインヨガ「ヘンゴン」】
イルチブレインヨガの呼吸法「ヘンゴン」
吐く息のことを「呼気」(こき)といいます。つまり、「気を呼ぶ」ということです。この言葉には、息を吐くことで、新しい気を体の中に呼び込むという意味が込められています。東洋では、古代から呼吸を使った健康法が実践され、長寿の秘訣とされてきました。息を長くゆっくり吐きだし、体に気エネルギーをめぐらせる呼吸法は、だれでも簡単にできる健康法として、注目を集めています。
東洋医学をベースにしたイルチブレインヨガでは、呼吸法をレッスンの基本プログラムとして取り入れています。私たちの体には、ストレスや多くの老廃物がたまっていますが、放っておくと胸が詰まり、エネルギーの循環が悪くなります。深い呼吸によって胸の内側深くに詰まっていた濁ったエネルギーを外に出すことで、エネルギーと血液の流れがスムーズになります。その結果、免疫力や代謝が改善され、病気や肥満になりにくい体質に変えることができます。
イルチブレインヨガの呼吸法は「ヘンゴン」と呼ばれ、一定のポーズをとりながら行う独自の呼吸法です。一つのポーズだけで行う呼吸法に比べて、集中力を保ちやすく、多様な効果が得られるのが特徴です。ヘンゴンのトレーニングは基礎課程から初段までの8段階に分かれています。ご自分のレベルに応じたポーズが習えるので、初心者でも安心して始められます。
呼吸法と並んで東洋で大切な健康法とされてきたのが、気功です。仏教では、瞑想や呼吸とともに、気功が修行法の一つとされてきました。東洋医学でも、気功の考え方はとても重要で、気の働きに内在する自然治癒力を活性化させ、患者が自らの病気を癒す手段として実践されてきました。
ゆったりとした呼吸と気功のトレーニングは心身をリラックスさせ、内臓や脳を活性化させ、冷えやストレスを解消します。また、ブレイン体操は、普段動かさない筋肉を動かし、今まで使っていなかった脳の活性化へとつなげます。イルチブレインヨガのスタジオは少人数制で親切・丁寧に指導しますので、どなたでも安心してご参加いただけます。
【冬こそ大事な免疫力】
冬は風邪をひく人が増える季節です。風邪の原因といえばウイルスですが、インフルエンザなどの風邪ウイルスは乾燥時に増殖するため、空気が乾いていると、人の体内に入ってきやすくなります。冬場は、ウイルスや細菌を遮断してくれるはずの喉(のど)も乾燥するため、体内に風邪ウイルスが簡単に侵入します。しかし、ウイルスが入ってきても、それを撃退する免疫のシステムがしっかり機能していれば、風邪をひくことはありません。免疫力をアップすることが、風邪を予防する一番の近道です。
■水昇火降
イルチブレインヨガは、体を動かし、脳を活性化させることで、体内の気エネルギーや血液の流れをスムーズにし、人間が本来持っている自然治癒力や免疫力を高めるトレーニングです。その基本原理の一つが「水昇火降(すいしょうかこう)」という法則です。水昇火降とは、心臓にある「火」のエネルギーを下げて、腎臓にある「水」のエネルギーを上昇させることで、下腹部が温かくなり、頭がスッキリする健康法です。人は水昇火降の状態になることで、血液の循環が良くなり、免疫力がアップします。
■呼吸法で温まる
体を水昇火降の状態に近づける方法のひとつに呼吸法があります。呼吸で体が温まると、血液の流れが良くなり、免疫機能を持った白血球がしっかりと体中をめぐるようになります。人間の体は、体温が1度上がるだけで「免疫力」は60%も強化されるといいますが、イルチブレインヨガでも行っている丹田呼吸はまさに、体を「芯」から温め、免疫力アップへとつなげるトレーニングなのです。
【リラクゼーションに抜群の効果~ツボを意識したイルチブレインヨガの呼吸法】
リラックス効果のあるイルチブレインヨガの呼吸法を紹介します。
* * *
誰かのために頑張りすぎて、自分のことを放ったらかしにしていませんか?
仕事や家事に追われ、自分自身と向き合う時間がなかなか持てないという人に、家で気軽にできるリラックス法をご紹介します。所要時間は5~10分ほど。イスに座ってできる、簡単な呼吸法です。
この呼吸法は、東洋医学の「ツボ」を意識しながら行います。ツボは、人体のエネルギーが出入りする部分です。ツボを意識して呼吸をすることで、エネルギーを体の奥深くすみずみまで行き渡らせることができます。
とくに意識したいのは、足裏のツボ「湧泉(ゆうせん)」と、手のひらのツボ「掌心(しょうしん)」です。「湧泉」は足の人差し指と中指の間にあって、元気が泉のように湧き出るツボです。「掌心」は手のひらの中央、拳を握ったとき中指の先端があたる部分です。
自然な呼吸とともに、地球のエネルギーが入ってくるのをイメージしましょう。体内に取り込まれた地球エネルギーは、足裏から膝へ、そして太ももの内側、下腹部の丹田(たんでん)へと、徐々に上って行き、脳にまで伝わります。脳と体が安らぐ感覚を味わうことができます。
掌心と湧泉呼吸
1 背すじを伸ばしてイスに座り、首と肩の力を抜きます。両足は肩幅に広げ、
足の裏を床につけます。腕を持ち上げ、ひじを曲げて手のひらを下に向けます。
2 目を閉じて、手のひらの掌心と足の裏の湧泉に意識を集中します。
エネルギーが絶えず4つのツボを通して流れていると想像します。
3 15~20分間、呼吸をします。全身がリラックスするのを感じます。
【楽しくて簡単!幸せ感をもたらす「呼吸瞑想」】
呼吸瞑想は、自分の内側に「幸せ」を見つけるためのトレーニングです。
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元気に幸せに暮したい――人々は昔から、そう願い生きてきました。
幸福とは、体が健康で、かつ、自己実現が保障され、心が満たされていること。この概念は、20世紀半ばに「ウェルビーイング(well-being)」という言葉で定義づけられ、以来、世界中の人たちに浸透してきました。今や現代人は、物質的な充足感よりも、自らの存在意義に気づき、他の人からも認められることに幸福を見出そうとしています。
◆高まる「瞑想」への関心
「本当の幸せとはなにか?」
「自分が生きる意味とはなにか?」
多様な生活スタイルを持つ現代人にとって、自分と向き合う時間や場所を持つことは、とても大切なこと。忙しい毎日の中で、自分の内側を見つめるのが「瞑想」です。最近では、本や雑誌などさまざまなメディアにおいても瞑想が取り上げられ、その効果が注目されています。
◆瞑想は難しい?
瞑想の初心者の人は、本や雑誌に書かれたとおりに瞑想をしても、すぐに効果を感じられなかったり、瞑想をすることでかえって疲れたりすることがあります。それは、「雑念を捨てる!」「無我の境地に入る!」などと力み過ぎてしまい、すんなりと深い瞑想に入ることができないからです。
◆楽しく簡単!「呼吸瞑想」
イルチブレインヨガの「呼吸瞑想」なら、誰でも楽しく簡単に瞑想に入っていくことができます。ふだん無意識に行っている呼吸に集中し、生命エネルギー(気)を感じることで、「無念無想」の意識を得ることができます。
呼吸瞑想には、自分の中に眠っている潜在意識を掘り起こし、創造力や判断力を高めるという効果があります。より良い人生へと導くための、自分自身へのアプローチ。それが、イルチブレインヨガの呼吸瞑想です。
【瞑想は呼吸から(1)日常にも息づいている「呼吸」の大切さ】
瞑想は、ふだん無意識に行われている呼吸を意識することから始まります。
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お互いの調子がピッタリ一致することを「息が合う」と言ったり、張り詰めた緊張感を「息が詰まる」と表現したり……わたしたちは、何気ない日常会話の中で、呼吸に例えた言葉を使います。これは、人々が昔から、直観的に呼吸の重要性に気付いていたことを示しています。
深い呼吸をすると、血圧が下がります。専門家によると、たった2、3分の深い呼吸でも、血圧を低下させる効果があります。さらに、その状態は最大で30分保つことができます。
1960年代には、意図的に「息を吸い込んで止める」というトレーニングを行うことで、標高が高く酸素量が少ない場所でも生活ができるようになるという研究結果が発表されました。人間の体は、呼吸によって様々に変化するのです。
呼吸は、自律神経に影響を与えます。自律神経とは、その名の通り、「勝手に動く神経」。人間は自分の意志では自律神経をコントロールできません。「血液を流す」「食べたものを消化する」といった行動は、自律神経の働きです。
しかし、呼吸を上手に活用すれば、自律神経をある程度、調整できます。深い呼吸をすると、自律神経のうち、「副交感神経」が活発になり、心身の緊張を緩めることができます。
深い呼吸によって心を鎮め、リラックス状態になることで、より深い瞑想へと入っていくことができます。
【瞑想は呼吸から(2) 呼吸を意識し、より深い瞑想へ】
瞑想は、呼吸と深い関係を持っています。
古くから、インドのヨガ修行者たちは、体内にナディス(nadis)と呼ばれるエネルギー通路を作って活性化させるため、意図的に呼吸をコントロールする修行を行っていました。現在でも、正しい呼吸には、心と体を健康にする効果があると考えられています。
深い呼吸をすると、わたしたちの体にある7つのチャクラが目覚め、エネルギーに満ち溢れた状態になります。
呼吸法の基本は、「浅くて短い呼吸」から「深くて長い呼吸」へと切り替えていくことです。長く深いゆっくりとした呼吸をすることで、瞑想にも集中することができます。
しかし、呼吸の長さを調節すること自体が、呼吸法や瞑想法の目的ではありません。心を穏やかにして、自分を見つめなおし、無我の境地へと向かう…。それが目的です。そのためには、意識を呼吸に集中させることがポイントになります。瞑想中に雑念や感情、考えがよぎったときも、呼吸に意識を向けることで、深い瞑想状態を保つことができます。
瞑想の根幹は、わたしたちがどこで何をしていても、宇宙エネルギーとつながっていると感じることにあります。宇宙エネルギーとつながるための第一歩が、呼吸なのです。
【丹田をなでて自信を回復】
イルチブレインヨガのトレーニングは、頭をすっきりさせる効果があるメニューが盛りだくさん。その一つが、丹田(たんでん)をなでる動作です。丹田とはおへその下5センチ、その奥5センチくらいのところにあるエネルギーセンターです。体の中心である丹田を手でなでることで、エネルギーの循環が良くなり、自信に満ちた気分になれます。
朝起きたときに「お腹が冷えている」と感じることがあると思います。寝ている間はどうしても下半身やお腹が冷たくなりがち。体が冷えていると、エネルギーが頭のほうに集中してしまうため、精神的にもイライラしやすくなります。
そんなとき、丹田のまわりをやさしくなでてあげると、気分がすっきり。頭の回転も良くなります。
手をゆっくりと動かすのが効果を高めるコツ。時間があまりないときは、最初に手をこすって手のひらを温めてから、丹田を何回かなでるだけでも効果があります。
イルチブレインヨガのトレーニングでは、常に丹田を意識するよう心掛けて下さい。
丹田をなでる
① 仰向けになって足を肩幅に開きます。
② 手を熱くこすって丹田を時計回りになでます。丹田部位が冷たければ両手をへそのまわりにおいて手の温もりがお腹の奥に伝わるのを感じてみます。
③ お腹が温かくなったら両手を丹田にのせてゆっくりお腹で息を吸って吐き出す腹式呼吸をします。
⑤ 5回以上繰り返します。
丹田をなでて自信を回復
⑥ 胸から丹田まで手のひらで円を描きながらなでおろします。
【簡単にできる エネルギー呼吸法-気運を感じる 5】
丹田呼吸は私たちの体にとって一番自然で単純な呼吸です。生まれたばかりの赤ん坊は母親のお腹の中でへその緒を通して呼吸していたように呼吸しますが、まさにそれが丹田呼吸です。丹田呼吸は私たちがもともと行っていた呼吸法に戻ることなのです。
丹田のうしろ、脊椎側にある命門のツボを通じて生命エネルギーが出入りするとイメージしながら行う呼吸です。この時、鼻で行う呼吸は意識しません。実際には鼻で息をしますが、丹田に意識を集中して呼吸すると、丹田と命門がひとつになったように感じ、丹田にエネルギーが満ちてくるような感覚が得られるようになります。
丹田呼吸
腹式呼吸と丹田呼吸の差は丹田と命門を意識するかどうかです。(丹田と命門の位置は写真を参照)
両手を丹田の上にのせ、腰の命門のツボに鼻があるとイメージしながら、息を吸いながら風船を膨らませるように命門から丹田に気運が入り、お腹全体が膨らむようにします。
吐き出す時には風船から空気が抜けるように気運が丹田から命門に抜けるとイメージしながらお腹を収縮させます。
【ポイント】丹田呼吸において命門は鼻のような役目を、丹田は肺の役目を行います。呼吸は無理をせず、自然にお腹の動きに従って行うようにしましょう。
【簡単にできるエネルギー呼吸法-気運を感じる 4】
最初はエネルギーを感じる感覚が充分に発達していないため、何の感覚もないかもしれません。しかし、続けていくと腹部の奥のほうへと動くエネルギーの温もりが徐々にはっきりと感じられるようになるでしょう。特に便秘がひどい時や下腹が冷たい時に行うと効果的です。初心者の場合、無理に呼吸しようとすると胸が苦しくなったり、頭が痛くなってくるなどの症状が起こることがあります。そのような場合には無理をせずに、毎日少しずつ腹式呼吸を行うと良いでしょう。
腹式呼吸
姿勢は胸呼吸をする時と同じで、楽な姿勢で行います。
お腹がふくらむようにゆっくりと息を吸い込み、吐き出しながらお腹を収縮させます。吸うのも吐くのもなるべくゆっくりと行うのが好ましいですが、無理をせずに苦しくない程度にします。
【簡単にできるエネルギー呼吸法-気運を感じる 3】
呼吸とともに行うエネルギー瞑想は想像で行うイメージトレーニングなので、初心者にはその感覚をうまくつかむことができない場合が多くあります。そのためエネルギー瞑想をする前に胸呼吸、腹式呼吸、丹田呼吸をしてみるといいでしょう。
胸呼吸
お腹に集中しながら行うと、ある瞬間にゴムボールのように自然にお腹が小さくなってからふくらむのが感じられるようになります。
楽な姿勢ならどんな姿勢でもいいですが、初心者は横になった姿勢が体の緊張をほぐしやすいでしょう。座ってする時には手のひらが上を向くように両手をひざにのせます。横になった時は足を肩幅に開き、腕は脇腹から15度ほど開いて、手のひらは上に向けます。
目をつぶったまま鼻から息をゆっくり吸いながら胸を徐々に膨らませ、口から息を長く吐き出しながら胸にたまっている濁ったエネルギーを吐き出します。
これがよくできるようになると、息を鼻から吸いながら胸に集中し、口から吐き出しながら手の指先とつま先から濁ったエネルギーが出ていくのをイメージします。
【ポイント】初めて行う場合には、深呼吸の感覚で行ってもいいでしょう。 胸がどきどきする時、感情を調節したい時、顔がほてる時に行うのも効果的です。
【簡単にできるエネルギー呼吸法-気運を感じる 2】
気運を感じることは私たちの体の中で一番敏感な手を利用して始めます。手は感覚がよく発達しているので、誰でも集中さえすれば簡単に気を感じることができます。手のエネルギー感覚が生き返れば他の体の部分でも気運を感じやすくなり、さらには全身と脳を通じて気運を感じることができるようになります。ただ体と心を弛緩させて手の感覚に意識を集中すれば、ある瞬間に自然に気運を感じられるようになっています。今回紹介する「拍手で気運を感じる」をした後に、前回の「エネルギーのボールに触る」をすれば、さらによく気運を感じることができるでしょう。
拍手で気運を感じる
姿勢は楽にし、脊椎を真っ直ぐに立てて肩の力を抜きます。
できるだけ速く休まずに力強く拍手をします。
200回ほど拍手した後で、ピリピリする手のひらの感じに意識を集中します。
1分ほどその状態を維持します。
【ポイント】手のひらは脳とつながっているので、
普段から手に刺激をたくさん与える習慣をつけると
脳機能活性化に効果的です。
【簡単にできるエネルギー呼吸法ー気運を感じる 1】
エネルギー呼吸法は生命エネルギーである気を利用する呼吸法です。エネルギー呼吸法を行うためにはまず気を感じるトレーニングから始めます。気を感じることが必要だなんて! わからない人にとって、気を感じることは超能力に近いような不思議なことのように思われるかもしれません。しかし、実は気を感じることは不思議なことでも、特別な人だけができることでもありません。人間はもとより、あらゆる生命体は意識していても、意識していなかったとしても気運によって生きています。気運を感じて気運の感じに集中すれば、私たちの脳は雑念や複雑な考えなどを止めるようになります。そして、五感では感じられない領域を感じることができる感覚が序々によみがえり始め、エネルギー呼吸ができる準備が整います。
エネルギーのボールに触る
両足を肩幅に広げて立ち、脊椎を真っ直ぐに立てて肩の力を抜きます。
ボールを握るように指を軽く曲げ、手首を左右に回します。
手首をできるだけ早く回しながら、手のひらの感覚に意識を集中します。
まるで手にボールを握っているような感じになれば、
ゆっくり動作を止めて手のひらの感覚に意識を集中します。
1分ほどその状態を維持します。
【ポイント】手の先にボールを握っている感覚になるようにそっと力を入れます。
【効果】集中力が良くなり、肺、心臓、脳機能の活性化に効果的です。