「宇田川源流」 目を離せなくなった香港民主化デモ騒動は「第二の天安門事件」になると決定した北戴河会議の内容とは
「宇田川源流」 目を離せなくなった香港民主化デモ騒動は「第二の天安門事件」になると決定した北戴河会議の内容とは
香港の民主化デモが非常に大きな問題になってきている。すでに12週連続でデモが起きているのであるが、中国もこのデモに対して今のところ「催涙弾」だけで対応をしているというような状態であり、デモを鎮圧できるような状況にはない。しかし、それでありながら、問題となっている「逃亡犯処罰条例」はまったく元に戻さず、林行政長官に関してもその諸分野辞任は行われないという状態になっている。つまり、デモ隊からすれば「ゼロ回答」であり、今のままでは、デモ隊が「デモを行ったこと」を理由に、逮捕され、「一国二制度」であるにもかかわらず、中国共産党の法律と基準によって処罰されてしまうということになる。イギリスが香港返還の時に江沢民国家主席との間で約束したことが完全に反故にされるということになり、イギリスもメンツがなくなるということになる。
片方ではデモということになっているが、ある意味において、この内容は「中国がいつ軍事行動に出るか」などとの兼ね合いである。そのために、「人間の鎖」で対抗するなどある意味で民主主義と習近平の行っている共産主義中国との「静かな戦い」ということができるのではないか。
さて、香港のデモ隊の方は、どうも「中国に軍事介入させて国際世論を形成する」ということと「ウイグルやチベットなどが呼応してくれるのを待つ」「台湾と連携する」というようなことが一つの戦略のように見受けられる。これに対して、共産党側は「中華人民共和国内の内政の問題」として、そのうえで、刑法に違反している人を取り締まるだけというような感覚にしているのである。
アメリカも内政干渉といわれてしまえば、それ以上のことはできず、結局「貿易戦争を強める」というような対応しかないし、元の租借主であるイギリスも空母艦隊をシンガポールまで派遣しているものの、それ以上介入できないということになる。
ユーチューブ「中国が誤情報拡散」動画投稿チャンネル閉鎖
【ニューヨーク=橋本潤也】米情報技術(IT)大手グーグルは22日、香港で続く抗議運動に関する誤った情報を意図的に拡散したとして、グーグルの動画投稿サイト「ユーチューブ」の210のチャンネルを今週閉鎖したと発表した。具体的な動画の内容は公表していないが、中国当局が関与した世論誘導の試みの一環だと強く示唆している。
香港の抗議運動を巡っては、ツイッターとフェイスブックが19日、中国当局が関与し、政治的対立をあおる情報を拡散したとして、900以上のアカウントなどを削除したと発表した。グーグルは22日に出した声明で、動画の内容について、2社と「一致する」と指摘した。規制の網を回避する「仮想プライベートネットワーク(VPN)」で接続し、発信元を偽る工作も確認したという。
グーグルは、政府が関与したものを含む不正侵入やオンライン攻撃に対して、通常1か月で4000以上の警告を出しているとし、「今後もアカウントを削除するほか、関連情報を捜査当局や同業者と共有する」としている。
2019年08月23日 12時23分 読売新聞
https://news.nifty.com/article/world/worldall/12213-20190823-50210/
香港の抗議デモ、警察が初めて発砲…威嚇か
【香港=比嘉清太】中国本土に近い香港・新界地区で25日、香港政府に対する抗議デモが行われ、香港紙・明報(電子版)などによると、香港警察による発砲があった。デモ隊への威嚇のためとみられる。発砲による負傷者の情報は伝えられていない。6月に一連の大規模な抗議行動が始まって以来、香港警察による発砲は初めてとみられる。
香港メディア「香港01」(電子版)が伝えた警察側の主張によると、複数の警官がデモ隊に襲撃され、生命の危険があるとして発砲したという。銃口を上に向けて銃弾を1発発射したとの情報もある。
これに先立ち、一部のデモ参加者は車道にバリケードを構築し、警官隊にレンガを投げつけるなどして衝突した。警官隊は催涙ガスを何度も発射して強制排除を図った。明報によると衝突で8人が負傷した。
警察は繰り返される抗議デモに警戒を強めており、この日は放水車を現場に投入する異例の措置を取った。現場付近の複数の地下鉄駅も一時的に閉鎖された。
香港では6月、香港政府が、中国本土への犯罪容疑者引き渡しを可能にする逃亡犯条例改正案の成立へ向けた手続きを進めようとしたのをきっかけに抗議運動が広がった。
警察による発砲が確認されれば、若者らを中心とする民主派が反発するのは確実だ。一層の混乱につながる恐れがある。
読売新聞2019年08月26日00時47分
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/yomiuri/world/20190825-567-OYT1T50182?fm=ranking
さて、中国の長老と現役の指導部が「忌憚なく意見を言う」という会議が夏休みに毎年行われる。俗に「北戴河会議」といわれているが、実際には、そのような会議は存在しない。中国の北部の避暑地北戴河、日本で言えばちょうど軽井沢のような感じだ。軽井沢も現在では普通の人も多いのであるが、少し前昭和30年代くらいは、軽井沢に財界人もまた政治のトップも、そして政治の長老も、一部文化人も含めて避暑地として使っていた。そのような場合、お互いが交流し、ホームパーティーのような感じで、集まり、その中で少し酒でも飲みながら忌憚のない意見を交わす。正式な会議でもないしメンバーも決まっているものではないが、ある意味で、目下の物が目上の者に対してあいさつに行き、普段は親しく話さない者とも話をするというような感じが、まさにこの「会議」の正体である。
中国の場合、これがある意味で制度化され、この北戴河に多くの人が集まり、そして、市内から20キロメートル圏内を警備で通行止めにしてしまい、そのうえで、「丸腰」でお互いに話し合いをするというような感じになっているのである。
その「会議」実際は、中国共産党と人民解放軍の長老と現役のトップの個人的な飲み会の集合体ということになるが、その会議において今年の議題(話題といった方が正しいのであるが)は、「北朝鮮・韓国」と「香港民主化デモ」そして「米中貿易戦争」ということになる。
伝え聞くところ、この中で「北朝鮮に関しては、韓国の行動を見ながら行う」ということになっているし、また、「米中貿易戦争」に関しては「妥協することなく戦う」ということになっている。これに対して「香港民主化デモ」に関しては、習近平派は、当然に「軍隊を入れた強硬策」朱鎔基と温家宝、李克強は「軍隊を入れることに反対」一方江沢民・曽慶紅は、「意思表示せず」としながら「李鵬が生きていれば反対したに違いない」というような形になっていると伝えられている。
その会議の結果、習近平はまずはアメリカに対して「自信をもって」報復関税を行った。まあアメリカはすぐにその報復を行ったのであるが、それは長老たちの承認が得られた、つまりアメリカと経済戦争を行うことを是としたというような感覚になっている。
そして、香港のデモに関しては、催涙弾を使い、なおかつ威嚇で拳銃を使うようになった。中国の鎮圧システムは、「公安」「武装警官」「人民解放軍」の順番になり、香港に隣接した広州の広場には、装甲車が100台待機し、約一個師団の武装兵力が駐屯している。それでも、なかなか味方、同じ中国人に対して引き金を引けるわけではない。
六四天安門事件の時も、漢民族の軍隊はなかなか引き金を引くことができず、そのために中国人民解放軍は内モンゴルの人民解放軍を連れてきて、その人々に漢民族を殺して構わないとして、鎮圧をした。そのために許しを請う漢民族のデモ隊の言葉が通じず、次々と銃弾に倒れたという話が伝わっている。
そのように考えた場合、今回、9月3日(抗日戦勝記念日)9月18日(盧溝橋事件記念日)10月1日(国慶節)この三つの期日のどこに標準を合わせて人民解放軍を入れるのかということが非常に大きな問題になると言えるのではないか。