自然光撮影におけるスタジオ選定の重要性について
本当に自然光は入るのか?
スタジオのホームページ上ではさも自然光が入るかのような写真が載せられているのに、現場ではほとんど光が入らない場所だった、ということがよくあります。
はっきりいって、迷惑です(笑)。
だったらそんな写真載せるなよ、というところなのですが、スタジオ運営者としては自分のところの写真はよく見せたいでしょうから、ある程度はこちらで自衛するしかないと思っています。
光の入る時間帯を把握
また明らかに自然光が入るようなスタジオであっても、時間帯によって入り方が変わったり、日中であってもまったく自然光の入らない時間帯もあったりします。
このあたりはホームページの見取り図に東西南北が示してあれば、それを参考に、窓がどちらを向いているかを確認します。
ちなみに北向きだと自然光はあまり入らないと思っていいです。東なら午前中、西なら午後から自然光が入ると思っていいでしょう。
(※北向きの場合でも周りに邪魔になる建物がなかったり、夏場であれば十分すぎるくらい光が入ることもあります。が、用心したほうがいいです)
また、南向きといっても、真南なのか、東よりの南向きか、西よりの南向きかでもずいぶん違いますので注意が必要です。
当然、自然光での撮影を意図するなら自然光の入る時間帯を計算してスタジオを予約しないといけません。
Google Mapで確認
しかしそれでもほんとうに自然光が入るのかどうかは怪しいです。
そこでグーグルマップで現地の写真を確認します。
するとスタジオの窓が南向きであっても、その窓を遮るでかいビルが隣に建っていたりすることがあります。
ロケハンするしかない
しかし、じゃあ建物が周りになく、窓が南向きや東西向きであればいいのかというと、それもわかりません。
結局は現地に行ってロケハンするしかないのです。
というのも・・・
自然光を弱めることはできるのか?
下の写真を見てください。
これはほとんど自然光が上からモデルさんに直射している状態です。
直射が悪いわけではありません。
でもこれだと光が当たりすぎで、ちょっとダーク目の撮影をしよう、なんてことはできなくなります。
また単純にモデルさんから見てもまぶしく、目を閉じてしまいがちな撮影になってしまいます。
(※最初の写真の光の質と比べてみれば一目瞭然です)
実はこのスタジオ、ホームページには大きな窓に白いレースのカーテンがあったのですが、なんと当日の現場にはそれが存在しませんでした(!)。
ぼくはレースのカーテンで光を弱める(ディフューズ)することを前提にしていたので、ふんわりした描写を意図していたのですが、それができなくなってしまいました。
あまりに窓が大きすぎるため、自分の持っている白い布で対処しようとしましたが、それもできず。
ということで、スタジオの選定にはロケハンが必要なのです。
自然光での撮影をするということは、かくも厳しいことなのです。