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190826 野田中学校ジオパーク授業「大唐の倉」~火山灰層の観察

2019.08.28 13:56

 26日㈪三陸ジオパーク北部ブロックで、名勝「十府ヶ浦」やマンガンバラ輝石「マリンローズ」「荒海帆立」などで有名な野田村・野田中学校1年生の「大唐の倉」現地観察をお手伝いしてきました。


 27名の1年生、担当の橋本先生、参観の岩手県久慈教育事務所 三浦主任指導主事さん、お手伝いの認定ジオパークガイド・島川、同じくジオガイドの金久さんには補助していただきました。


 26日はあいにく曇り空、10:00「大唐の倉」到着の生徒さん等を出迎え、ご挨拶後担当の橋本先生から、小学校高学年で学んできたことの再確認~河川から流れてきたものが積み重なった地層であること、礫岩や砂岩、泥岩、火山灰、炭化物などが含まれた地層であることなどおさらいしました。


 その後、ジオパークガイドの島川が「大唐の倉」の由来、由来を伝承する野田村の曹洞宗寺院「海蔵院」=平重盛開基について、当時の中国=宋に黄金を献上したのは、平重盛所有の「玉山金山」=陸前高田市からであること、八戸市南郷区島森に平重盛伝説の寺院があることなどを紹介する。


 野田村は南西側に、琥珀や恐竜など多くの化石を含む久慈層群があること、北東側に久慈層群の次の時代の地層「野田層群」があり、大唐の倉を含む「港層」、それより新しい「久喜層」という地層のある事など概要を示しました。


 大唐の倉の白く遠くからでもひときわ目立つ部分は、砂と火山灰の混じった地層なこと、また大きな礫岩は下部に堆積し、泥岩や炭化物・石炭を含む地層も見えていて、実際に炭化木や石炭の破片が波打ち際で拾えることも確認できました。


 この日は、残念なことに波が海岸奥まで打ち寄せていて、北側の珪化木や植物化石のあるところまでは進めませんでした。


 次回は、大唐の倉の火山灰を採取し、何が含まれるているのか顕微鏡でのぞき、他の火山灰と比較~どう違うか、どんな火山から噴出した灰かなど考え、考察の結果をグループごとに報告発表する予定です。


 ジオパークガイドも、一生懸命現地現物を観て学ぶことが大事です(笑)。

 岩泉開催の三陸ジオパークフォーラムでも、尾池和夫先生がおっしゃってましたね!

 ほんと~これが一番大事なことです! 自分への戒めです(笑)!


 8月24日午後~野田漁港と「大唐の倉」 奥に見えるのは久慈市三崎地区の半島部・海成段丘

 26日の「大唐の倉」~真ん中の白い地層の重なりは砂~火山灰、砂質凝灰岩!礫岩・泥岩・砂岩・シルトや炭化物などなど、草木に隠れて全体のサイクルは確認ならず!

 大唐の倉の由来とか話してます!珊光国師と平重盛二子漂着の年(1186年)は、中国「宋」の時代~でも「大唐」なんです!1年生には少し難しかったかな~~?

 「倉」は断崖・絶壁の方言?あるいは倉屋根のような形から?もしかして、国に納める穀倉があった? 考察は、全て文理科学への第一歩!

 河川堆積物のサイクルがあるようで、一般に重い礫は下部に堆積~複雑ですね!ここは河川の大きな流れがあったようです!

 白い堆積地層~きめ細かい堆積です。穏やかな水環境中の堆積~触ると意外とザラザラしています!中に薄い炭化物の層が、無数に挟まってます!

 生徒さん達は地層を観察しながらも、石炭や貝殻、海藻など漂着物にも関心しきりでした。

 野田層群は、従来約3000万年前に形成された~とされていますが、近年の港層火山灰分析により、6,000万年以上前と報告されています。

 すると、久慈層群との間を埋める地層が、どこに行ったのかなど気になることが、また増えました!(笑) 白亜紀後期と古第三紀の境目~K-pg境界は~どこにあるか!