中小が知るべき、「リリース」の基礎と戦術
【ビジネス考察】 中小企業及び小規模事業のビジネス発展に欠かせない「リリース」。オウンド メディアやSNSの利用で、大企業でなくとも自社の情報を発信できる環境が整った。アットプレス/ソーシャルワイヤー(3929.TM)やバリュープレス(代取:土屋明子)等のリリース配信専用のサイトも複数社存在し、「リリース」の効果測定が問われている。如何に良い商材であっても、知られなければ意味がない。広報の仕事になるが、大切なのは「誰に知られたいのか」だ。
先ず押さえるべきは、「リリース」が二種類ある点だ。「プレスリリース」と「ニュースリリース」に大別される。この二つの違いは大まかに言うと、前者がプレス(メディア)向けの発信で、後者が直接的なビジネス関係者向けの発信となる。記事「ニュースリリースとプレスリリースは何が違うのか/インプレス」に詳しい。ざっくりと「プレスリリース」はあるメディア(媒体)に取り上げてもらうコトを目的としている。広報としては最大の効果をもたらす。「ニュースリリース」はB2B、B2Cを意識して構成する。主要取引先に向けてなのか、一般顧客に向けてなのか。
<広告代理店とリリースサイト>
最上の「プレスリリース」は広告代理店を利用し、TV等を招けるイベントを開催するコトだ。ここはプロの広告代理店に任せるコトが賢いと云えよう。大企業を担当する代理店もいれば、イマドキは中小企業及び小規模事業者を対象にする代理店も多く存在する。大企業でなくともイベントや会見をできるコトは、当媒体で証明できたであろう。
同じ様にリリースサイトにも大と中小に分かれる。先に挙げた二社は中小でも利用でき、効果が料金に見合った見込める。一方、業界最大手といわれる「PRタイムス(代取:山口 拓己)」は、難易だ。当媒体も登録を解除された。大手でさえも、その情報の渦に埋もれてしまっている。中小の効果に関しては、懐疑的であろう。
<中小は大方、感じ悪いと見られている>
「リリース」には、実質三種ある。プレス向け、取引先向け、一般顧客向け。それぞれの強みとするフィールドがある。TVや新聞、ニュースサイト、がプレス向け。自社ホームページやFBが取引先向け。TwやLINEが一般顧客向けとなる。この分類に合わせ、人材を充てるコトが重要だ。
最大効果をもたらすプレス向けは、気の細やかな人材を充てる必要がある。中小は至って、プレスに対し感じが悪い態度を無意識に行ってしまっているので、記事作成が流れる。へつらうコトは全くないが、声をワントーン、笑みを見せるコトが普通にできる人材を充てないと、結果的に損をしてしまう。心象を良くできる広報担当者は、事業規模の拡大も早い。それはプレスが味方だからだろう。逆に中小からみると、ビジネス系のメディア以外は相当、感じ悪いモノと心した方が良い。それは彼等が非常に強く、選ぶ側だからに他ならない。
<窓口という強力な武器を>
取引先向けに関しては、恐らく大方の中小が問題なく行えるであろう。ここで感じを悪くする企業は少ない。一般顧客向けは微調整が求められる。自社のターゲット層と趣向により、タメ語による発信が好まれる場合もあれば、品位を伴う文章表現が好まれる場合もある。これは一重に事業ドメインに帰すべきモノだ。「誰に知られたいのか」の問いに答える。
最後にプレス担当は積極的な方が、奏功する。例え大メディアであっても窓口を作っておけば、競合他社に差をつけるコトができる。強い企業は広報が積極的にプレスと関わろうとする。受け身になってしまっている中小の広報担当者が非常に多い。そして中小においては、広報担当者は専業でなくとも良いモノと考える。ただ定期的にコトを起こす(例;四半期決算発表会等)という連続性が欲しいところだ。結局のところ「誰に知られたいのか」、そのタメにどこと繋がるべきなのか、であろう
(了)。