Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

小澤酒造場

店主より

2019.09.03 06:13

 日本酒がアルコール発酵をする手順として澱粉をデキストリンに変え、それを餌にして酵素菌(麹菌)が活躍し糖を生み出し、それに酵母菌が付着、酒化が進むことは皆さま良くご存知の通りです。

そこで、澱粉をデキストリン化することが必要ですが(水を加え加熱処理)同時に酵母菌も活動を始めるので、糖化と酒化の2つの発酵が並行して進められます。これを「並行複発酵」と呼び多くの発酵形態の中で稀にみる型です。最も簡単な発酵形態は原料が持っている糖そのものに酵母菌が付着発酵することで、これが果実酒です。

その最たるものがぶどう酒ですね!約1万年前にワインがヨーロッパで飲まれていたとか?多分これが致酔飲料のスタートではないでしょうか?この様な発酵形態を「単発酵型」と呼んでいます。


では、ビール🍺はどの様な発酵形態なのでしょうか?約8000年前にあったと言われていますが、2500年程前にホップが発見され、防腐剤と味覚を合わせ持って現在のビールへと進化しているようです。

ビールはまず原料の麦を発芽発根させることで麦芽ができます。この中に酵素が生成され糖化が進むのです。糖化が終わると水分と粕とが分離され水分のみが「もろみ」として酒化発酵を進めます。これを「単行複発酵」といい特異な発酵過程をとっています。


先に述べた様に、日本酒は「並行複発酵」をする為、微妙な味の変化を造り出せるのです。この発酵過程こそが酒の五味(甘、辛、渋、苦、酸)をバランス良く造り出す醸造方法かと思われます。

㈲小澤酒造場 店主