パラアスリートと同じです
パラアスリートの方をテレビで見ることが多くなりました。
事故で車いす生活になってしまった方は、
「現実を受け入れるのにとても時間がかかりました」
「家族にいら立ちをぶつけました」
「もう死んでしまいたいと思ったこともありました」
というようなことを話しておられました。
心の準備もなく、突然障害を負うということ。
どれほどショックなんだろうか、と思います。
ご本人にとっては、生きていくのも耐えがたいほどに傷つくのでしょう。
夢中になれるものや仲間を見つけて、前向きに生きられるようになった方々を、心の底から応援したい気持ちです。
それで、ちょっと思ったことがあります。
お子さんに障害があると分かった時のお母さんは、どうでしょう。
もちろんとてもショックを受けます。
でも、「ショックでした」「自分を責めました」「子どもに申し訳ないと思いました」
というお母さんは多いけれど、
「子どもを見て傷つきました」「私だけ死のうと思ったこともありました」「私の人生こんなはずじゃなかった」
というお母さんはあまり見ません。
障がいを負ったのが自分ではなく、我が子だからでしょう。
我が子が障害を持って生まれたお母さんだって、突然障害を負ったアスリートだって、
それまでの生活からは想像もしない試練を受けるのですから、深く傷つくのは同じはずです。
お母さんは、お子さんに対しての気持ちを言うことはあっても、
自分が傷ついていることを言葉にすることは少ないですね。
子どもを前に、そんなこと言えません。
逃げ出したい気持ちと、この子を何とか守らなければ、という気持ち。両方ともお母さんの気持ちです。
子どもの問題は家族が抱えるという風潮は、特にお母さんに負担がかかると思います。
お子さん優先で寄り添うお母さんたち。
ご自分のこころに負った傷に気づく余裕もないまま、そんなこと口に出すものではないという意識で、毎日を送っているのかもしれません。
でもね、生まれてきた子供に障害があると分かった時、
お母さんは深く傷ついています。お母さんの人生に予想もしなかった試練を受けて、現実を受け入れるまでにとても苦しみます。
自分の気持ちを後回しにして子供に気持ちを注いでも、ひずみが出てくるんですよね。
心の傷ってそんなにうまくコントロールできるものではないと、私は知っています。
子どもの成長を願って寄り添うことと、
お母さん自身の傷ついた心を癒していくこと。
両方ともに、きちんと向き合うことが大切だなと思います。