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全国食肉学校で牛のお勉強

2019.09.14 03:00

当店では、群馬県の黒毛和牛の生産者 石坂牧場(エミート)のお肉をお出ししています。

こちらのお肉は本当に素晴らしく、

僕の和牛の概念を変えてくれました。


飼料と健康な育て方の賜物である

お肉の旨味、融点の低い健全な脂


どれをとってみても、今まで僕が知るものとは別格のものでした。


そしてそうなるには理由があり、その理由も多くの経験や知識、勉強からなる、こだわりの仕事によるものだという事が分かりました。



当店では、この石坂牧場さんのお肉を直接買わせて頂いています。

牧場から加工場に行き、その加工場から買い戻すといった流れなのですが、

こうなってくると、お肉は部位ごとの大きな塊で買えることになります。


元は400kgほどの大きなお肉の塊から、

骨を取り、部位ごとに分割し、最終的に

ひとかたまり5kgほどのお肉となります。


この加工について、こちらに知識があればどうとでもなります。

またその反面、好きにお肉を分割出来る自由がある分、知識がないと、結果お金がかかってしまい、適切に美味しい部位を調理出来なくなるという事になりかねません。


そこで必要になってきたのが、牛肉を全体から大きく理解する知識でした。


料理人の専門書籍やインターネットから情報を探したのですが

なかなか的確な情報がなく困っていたところ、生産者の石坂さんから

食肉学校なる専門学校の存在を教えて頂き、やっと欲しい知識が手に入ると

喜び勇んで、そちらに行く運びとなったわけです。


全国食肉学校は、群馬県にある国内に2軒しかない食肉に関する専門学校のひとつで

こちらは通常、全寮制の1年制専門学校で、お肉の問屋さんや、畜産に携わる方々が食肉の専門知識を身につける為に通う学校です。


こちらでは、1年間の全寮制の他に様々なコースが用意されていて

今回僕は2泊3日の短期食肉基礎セミナー(牛肉編)に行くこととなりました。

大人になってからする勉強は良いですね

目的があって、その目的に必要な知識を、

実費で購入しているので、もうそれはそれは必死です。


授業中に解らないことがあれば質問をしてクリアに

深い疑問は授業後休憩時間に直接講師に質問

授業後ホテルに戻って内容を復習してインプット

明日の授業に向けて予習と準備

正直、生まれて初めてこんなに勉強しました

好きな事の勉強って楽しいですね。



授業の内容は正に僕の求めていたものでした。

座学では、牛の畜産に関する基礎知識や取り扱いについての知識を学び


実習では、大きな吊り下げられた枝肉の状態から、骨を外し、分割していく知識を得て、牛肉の筋肉の作りや性質を学び


調理の演習では、通常では出回らない希少な部位、部位の新しい利用法の概念を学び


本当に今後に役立つ、必要な 知識を会得する事が出来ました。


これは早速、次の加工で反映をさせて、

より良い結果が得られそう

あれもこれも出来そうなので楽しみです!


これを反映できるのは次の屠畜のタイミングなので、少し先になってしまいそうですが

どうか今しばらくお待ち下さい!



また、別で面白かったのが、一緒に授業を受けた生徒仲間の方々でした。


日本全国、北海道から沖縄まで、

牛の生産者さん、畜産大手の飼料担当さん、飼料の原料担当さん、畜産向けの機器担当さん、農家のサポート部門、食肉問屋さん、輸入食肉会社さん、小売大手会社さん、食品商社さん、焼肉屋さん… などなど


牛を扱う川上から川下までの様々な立場の方々とお話が出来、知らない話をお互いに

共有する事で、牛の流通を肌をもって感じる事が出来た感動的な体験でした。


誰かが言った共通言語である牛の専門用語ジョークで皆が爆笑しているあの瞬間はプライスレスでした。


いつもの世界から一歩踏み出て、新たな事を学び、人と接する事で

色々な意味で勉強になり、視野が広がった様に思えます。



おばあちゃんが生前、

「好きな事を仕事にすれば、一生仕事をしなくて良い」と言っていました。


なるほどこうゆう事なのか