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Mi bandoneon y yo - Archive by Natsuki Nishihara

11 de Julio バンドネオンの日

2019.07.11 15:00

7月11日は、バンドネオンの神様”アニバル・トロイロ”の誕生日を記念して、バンドネオンの日と制定されています。

毎年、国や市の音楽ホールで、バンドネオンのマエストロたちが、バンドネオンソロ、バンドネオンデュオ、バンドネオントリオ、(以下続く…)と、バンドネオニスタがとにかくウハウハするコンサートが繰り広げられます。

もちろん私も毎年欠かさず見に行っていて、今年は誰がどんな事やるんだろうと思っていたら、何と、なんと、出演することになったのです。4人のバンドネオン奏者が3曲ずつトロイロにまつわる曲をバンドネオンソロで演奏する、というもの。


はっきり言って、なぜ私がここに?!私にとって雲の上にいるような人達と同じ舞台に上がるなんて、光栄…よりも緊張と不安が勝って発狂しそうな準備期間でしたが、なんとか、無事に終えることが出来ました。

(↑写真はBS.AS.タンゴ修行仲間である歌手Kaoriさんが撮ってくれました)


右から、若手ホープのニコラス・エンリッチ、タンゴ教本シリーズのバンドネオン本を担当したエヴァ・ウォルフ、国立オーケストラの1stバンドネオニスタ オラシオ・ロモ、そしてわたくし。


会場はCCKというところ。クリスティーナ前大統領が任期間際に完成させた、9階建の音楽文化施設(南米最大なのだそうです。)の中の最上階のホールでした。ちなみにここで行われるコンサートは国のイベントとして行われる為、全て入場無料です。


1ヶ月前にオラシオから打診の電話が掛かってきて、(大事そうなコンサートなのに。ザ・アルゼンチン)そこから3曲のソロを準備。トロイロに由縁する曲を、という事でsurしか持ち曲なく、1曲は譜読みだけ昔ちょこっとしただけの初めて弾く曲、1曲はデュオからソロにアダプトしなくてはならず、楽譜すらない状態。

彼らとは仕事で一緒になったこともあって私がどんなバンドネオンを弾くのかは知ってもらっていたので、その点で気負うことはなかったのですが、でも、こんな豪華メンバーに混じって場違いじゃないかと思われたくなかった。


ひとつ裏話をすると、女性だから選ばれたのは明らかなのです。

というのも、ここ数年女性の人権運動が盛んなアルゼンチン。タンゴは特に男性優位な社会でバンドネオニスタも最近女性が増えてきたとはいえ、男性社会。つい最近、こういった音楽イベント等も含め、女性の活躍の場を積極的に作っていこうという主旨の条例が検討されているところ。このコンサートの企画を担当した人が女性ということもあり、(直接言われてはいないけれど)女性バンドネオニスタ枠として探していたんだろうなと。


それでもここまでたくさん”女性だから選ばれないこと”も、私だけでなく、たっくさんあったので、(バンドネオン女性?ダメ!、アジア人?ダメ!という仕事、普通にあります。)女性代表のつもりで、いちバンドネオニスタとして、何が何でも良い演奏をしたい、女だから弾けないなんて言わせない!と訴えるような、任務に近いような気持ちもありました。



と、意気込んで迎えた本番。

憧れの人たちと横並びで1曲ずつ弾いていく。それぞれのソロを聴きながら、なんというか楽器の飼い慣らしっぷり(?)を真横で感じて、あぁ、道のりは長いなぁ…と。それでも今の自分の出来る演奏をやり切れたこと、アルゼンチンで過ごすバンドネオンの日(*実は私の誕生日でもある、、)自分の音楽人生の中で、一番幸せな本番だったかもしれません。

ちなみに平成元年生まれの私にとって、この年齢は音楽をこのまま続けていくのかどうか、見極めるような重要な年と思っていました。そんな年に、バンドネオンの神様からの大きすぎるプレゼント、多分しっかり受け取れたかなと思っています。


私のソロの演奏曲目はこちら。

バリオ・デ・タンゴ (A.Troilo - H.Manzi) arr. V.Lavallén

スール (A.Troilo - H.Manzi) arr. N.Marconi

エル・モティーボ (J.C. Cobián - P. Contursi) Adaptación de la versión dúo de A.Piazzolla-A.Troilo


リンクにはソロ3曲まとめてアップしているので、そんなに言うなら見てやろうじゃないか、と興味を持ってくださった方は、以下のリンクよりお聴きください。

当日、受け取った誕生日のメッセージも励みになりました❤️ありがとうございました‼️


課題もやるべき事もやりたい事も見えたので、これからもコツコツ、頑張ります。