クリームクレンザー。
生まれてこの方、一度たりとも「一番」になった事が無い空井戸サイクルです。
テストの点や徒競走は勿論、絵や作文で賞を取るなんて事も駅名やたらに覚えるとかも一切無し。
一時、「日本で一番ディジェリドゥが上手い自転車屋」という枠ならどうか?と考えた事もありますが、
競う相手が国内に5人も居るとは思えませんし、そもそもそんなコンペティンション無いしで廃案。
まぁ一番に拘る必要は無いので引き続き死ぬまで一番を得ずに生きて行こうと思う所存です。
そんなワタクシ、一番では無いけど世間一般よりもチョッとだけ秀でているんじゃねぇかな?
と心の支えとしているのが「早い事」。夜の生活の話じゃなしに。
本日の夕方・・・5時頃でしたかね、一本のフレーム&フォークが持ち込まれました。
此方は弊店でチョコチョコ話題に出る「漆塗り」で仕上げられた一本でして、先週金曜日から開催されている、
漆の可能性を探ったりお披露目したりする「From surfing to traditional crafts.」なるイベントで展示する分。
ただ・・・「開催されている」という通り、漆塗り作業が遅れに遅れて今になってしもうたと。
一応、開催期間は今週日曜までだしイベントの山場は明後日金曜だしでまだ間に合うまだ間に合うマダガスカル、みたいな。
今回の分は塗り色が濃い漆ですので明るい場所でフレーム単品を見ると黒にしか見えませんが、
黒アルマイトや黒メッキといった質感の違う同系色と並べてみると、漆の存在感がよく分かるのではないでしょうか。
ほんでマダガスカルマダガスカル呟きながら予め用意してあった部品をチャカチャカ組み付け(3分クッキング方式)先程完成。
純粋に作業の手が早い人は他に幾らでも居るでしょうから「一番」ではありません。
ただ御依頼頂いた作業を仕上げる速度という意味では相当早い方であると自負しています。要するに暇なだけなのですが。
因みに今回の一台は前述した通り「漆」をアッピールする事が第一義ですから様々な黒色を配置する事で、
見る人の視線が漆に行き、そしてその質感の違いを具体的に判別出来る様配慮しております。
対して構成部品は魅せる対象ではない黒子という事で高価な部品はなるべく使わずメリハリを。
そして展示が終われば当然街に漕ぎ出す普通の自転車として使われる訳ですから、
オーナーがイージー&コンフォートに楽しめる様、ネジ切りヘッドのフレームに敢えてアヘッドコンバータを使いアヘッド化。
コレによりステム選択肢が一気に増えますのでズドン!と天を衝くカチアゲステムでナイスポジションをゲッツしつつ、
ミニベロで陥りがちな過剰なスポーツテイストに肩透かし食わして均整の取れたシルエットもゲッツ。
・・・何を言うとるのか意味不明かと思いますが、まぁ色々考えてええ塩梅に仕上げてみた積もりです。
明日から日曜まで五条富小路下るにある「Fab-cafe」さんに展示される事になるかと思われますので、
漆塗りの自転車に関心がある方は勿論、漆って他にどんな使い方が出来るんだろう?と興味湧かれた方はお茶しばきがてら是っ非〜。