ヘキサギア バルクアーム・グランツ レビュー
2019.09.22 04:14
今回のレビューは、1/24スケール ヘキサギア より、
“ヘキサギア バルクアーム・グランツ” です。
コトブキヤのオリジナルコンテンツ、“ヘキサギア” より、
第2世代型ヘキサギアの雄、“バルクアームタイプ” の改良試験機、
“バルクアーム・グランツ” が発売されました。
現在と過去・・という括りでいいのか、ともかくも2つの時間軸で展開されるヘキサギアのストーリー。
バルクアームなどの第2世代型ヘキサギアとアーリーガバナーを中心とした過去のストーリーはミリタリー色がより強めという印象でしたが、そんななか登場した今回のバルクアーム・グランツはビークルモードへのコンバート(変形)機構を搭載した2.5世代とでもいうべき実験的な機体という位置付けで、デザインも(その世界観においても)かなり趣味的なものに変貌しています。
設定としては、正規に兵器として開発されたものではないものの、ごく少数が実戦に投入されたことになっています。
変形機構の採用はのちの第3世代ゾアテックス型ヘキサギアにも繋がる重要な要素として意味があるんですが、最新の第3世代はほとんど変形しなくなったなぁ・・
それでは、レビューしていきます。
今回は同時期に発売されたポーンA1,センチネルの両ガバナーのVer.1.5キットも併せて紹介したいと思います。
それぞれのキットは素組みオンリーで済ませています。
バルクアーム・グランツ
ヒューマノイドモード
バルクアームタイプの改良機ではありますが、外装部分は完全新規。フレームパーツもコクピット周りや一部間接のみを流用しているくらいで、8割近いパーツが新規造型となっており、原型機の面影はほぼありません。
強いて言うならプロポーションは踏襲していますが、設定上も趣味的といわれる外見はヘキサギアというよりむしろフレームアームズに近い印象です。
原型機では四角い頭に四角いカメラ(標準タイプ)といういかにもモブ的なフェイスでしたが、グランツでは全体に流線型になり、バイザータイプのカメラにマスク、トサカも追加されたヒロイックな顔付きに変更。
ハンドパーツもM.S.G.ワイルドハンドの流用で、無骨な作業肢といった感じの原型機のものから、より精密な5指タイプのマニピュレーターに変更されています。
そしてやはり目を惹くのが、脚部に装備された巨大なアシストホイール。
太腿側面から伸びる後輪は伸縮式のフレームでしっかり接地させることができます。そのため、基本は2脚の人型であるのに、4脚型のマシンのようにも見えるのは面白いです。
もちろん、各ホイールは回転するのでこの形態での転がし走行も可能です。
武装・ギミック
ライフル
機体サイズに合わせた大型のライフル。
銃身下部に斜めに差し込むマガジンは取り外し可能ですが、それ以外にギミックはありません。
シールド
機体サイズに対してわりと小型なので、実際どれほどの効果があるのかはわかりません。
どちらかというとビークルモード時の前面装甲としての役割がメインなのだと思います。
ビークルモード時でキャノピーに相当する部分にはスモークブラックのクリアパーツが使われています。
六角軸のアタッチメントパーツを介して前腕側面に装着するんですが、六角軸なので位置や角度を変更するには一旦外して付け替えなければならないのが少々面倒。
あと、デフォルトの装着位置が高めなので、肩などに干渉しがちです。
内蔵式小型レーザーカッター
機関砲かと思いきや、レーザーで対象を焼き斬る近接武装でした。
ただ、これも機体サイズに対してかなり小さいので実用にはあまり向かない気がします。
アシストホイール
ビークルモード時に走行車輪となる大型のホイール。もちろん、ヒューマノイドモードでもその名の通り補助装置として高い機動性を発揮させることができるのでしょう。
タイヤはインパルスシリーズやボルトレックスのタイヤと同じPVC製。溝もしっかり彫られています。
溝は左右対象になっているので、組みつけ時には注意が必要。
コクピット
完全密閉型のコクピット。
後部ハッチと頭部を含めた胸部パーツを展開して乗降する仕様は原型機を踏襲。
内部パーツもほぼ流用になっていますが、コンソールのみ新規です。
原型機同様、操縦桿やフットペダルが可動しますが、原型機よりも密閉感がさらに増したため、そのへんはほとんど活かせません・・というか見えません。
そしてガバナーの乗り降りもさらに困難に(笑)。
ちなみに、搭乗モデルはこのあと紹介するポーンA1 Ver.1.5に務めてもらっていますが、時間軸に従うならアーリーガバナーを乗せるべきなのかもしれません。
でも、この機体にアーリーガバナーが乗ってる画には違和感しかないです。まだこのポーンA1やセンチネルのほうがしっくりくる。
ビークルモード
巨大なレーシングカーのような形態にコンバート(変形)。
ちょっと違うかもですが、サイバーフォーミュラというタイトルを思い出しました。
変形パターンは単純で、頭部を含めた胸部と腰部を二段階に展開して前方に伸ばし、脚部も前に。後輪はフレームを縮めて後方に回し、腕部も後ろへ。胸部を展開したことで空いた隙間にはシールドを被せ、余ったシールド用アタッチメントに今度はライフルを挿して前腕側面に取り付け。最後に各ホイールを接地させ、脛装甲に収納されているライトを展開して完了です。
後付け設定ではありますが、事実上初のコンバート機能を搭載したヘキサギアにもかかわらず、これまでに発売されてきた変形機構を持つ第3世代型ヘキサギアのビークルモードよりよほど綺麗にまとまっています。
しかも、腕部下(脇)にアタッチメントを追加することで後輪フレームとボディとをしっかり固定できるため、安定感も抜群です。
まぁ、キットとしては最後発ですし、そもそも動物モチーフのメカを変形させるのもなかなか大変ですからね。そのへんは仕方ない部分もあるでしょう。
もちろんこの形態でも後部ハッチは開閉するので、ガバナーの乗り降りは可能です。
ガバナー アーマータイプ : ポーンA1 Ver.1.5
ヘキサギアもこの8月で2周年を迎えました。
ということで、第1弾ラインナップとして2年前の8月にレイブレード・インパルス、ボルトレックスの2体のヘキサギアと同時に発売されたガバナー2種がバージョンアップして再登場することに。
まずは、すべてのガバナーの基礎ともなったポーンA1。
Ver.1.0からの改良点としては、まずボディの構造が一新され、首に関節が追加されたほか、PVC製だった腹部や腰部がPS製の組み立て式に変更。それに伴い、PVC製のパーツはハンドパーツのみになりました。
ボディおよび頭部はデザインは同じながら、構造の変更もあって新規に金型が起こされています。とくに頭部は一体成型から3パーツで色分けもされた組み立て式に変更され、造型的にもシャープさが増したように思います。
なお、頭部右側のセンサーは塗装済みパーツです。
主にはVer.1.0でユーザーからの不満が多かった素材による塗装のしづらさや各部パーツの外れやすさの解消と、そのついでくらいの感じでごくわずかに可動性能の向上が図られた、といった感じでしょうか。
正直、期待していたほどの変化はありませんでした。オプション含め、半分近いパーツがVer.1.0からの流用です。
まぁ、所詮1.5ですしね。でも、どうせなら足首の構造も最新のフォーマットに更新してほしかったなぁ。
個人的にVer.1.0での最大のストレスは足首の外れやすさだったんですよ。そこがそのまんまで500円アップっていうのはちょっとなぁ・・