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化粧品OEMマッチング事務局

リードタイムと発注タイミングのキモ

2019.09.05 01:18

「こんなはずではなかった!!」

「想定以上に売れてしまっている。。どうしよう。」


化粧品通販ビジネスではこういったことがよくおこります。


目の前に注文された現実があるにも関わらず、それを提供するための商品自体が欠品してしまった。


これに伴う問題として、以下のようなものが出てくる。

・機会損失:せっかく売上が上がるのに、在庫欠品というこちらのミスでその機会を逃すこと

・既存顧客への悪影響:自分の欲しいタイミングで商品を注文できない体験をして、満足度を落とす

・生産効率の悪化:人の作業効率も商品の生産効率も安定していない場合は、余分にコストがかかる。


しかしながら、無くなりそうと分かったらすぐに作れば良いだけなのに、なぜこのような欠品問題が出てきてしまうのでしょうか。


その要因は「リードタイム」です。


商品を作るための資材を依頼してから、最終的な商品が出来上がるまでに一般的には2カ月程度を要します。


ただこれはあくまで一般的な考え方。

あなたが選択した容器やキャップ、原材料によっては、注文してから納品まで半年程度かかるものもあります。


あなたは半年先の受注動向を正確に予測することができますか?

大手企業で、需要予測などを継続的にリサーチしている企業でない限り、それは難しいと言えます。


特に、化粧品ビジネス立上げ期については、売上希望が小さいからこそ、その変動はとてつもなく大きなものになります。


それでは、事前に多めに作って在庫しておくという方法はどうでしょう?
その判断をした段階で、多くの確率でその事業継続は危うい状況に置かれるでしょう。


過剰に商品を作った段階で、その原材料費を支払う義務が皆さんに出てきます。

しかしながら、その支払うための売上はいつ上ってくるか分からない。


キャッシュは出ていくけど、入ってこないという状況。

まさに地獄。


いついつまでに必ず注文がある。ということが予測や希望ではなく、事実としてある(注文書などで既にもらっている)のであれば問題ないのですが、例えば、Aという広告投資をするから、このくらい在庫をもっておいた方がよいだろう。という楽観的意思決定は高い確率で裏切られます。


それではどうすればよいでしょうか。

解決策は2つです。


1、売上コントロール

現在の皆さんのチカラ以上の需要を敢えて生まないように、広告投資をコントロールする。
※この場合の適切な在庫本数の目安は3か月~6カ月間。製造注文を入れて、それが無くなってしまうまでの期間がそれくらいの目安に入ればOK。それ以上に在庫をもっておかなければいけなくなるような広告投資は出稿月を分散するなりしてリスク回避をする。
もしくは、限定1000本。や、今月は500本だけご提供。などと本数を限定してしまう。

※芸能人がプライベートなSNSで発信してくれた。などの想定外の事態は都度対応しましょう。


2、発注数量(ロット)を小さくきざむ

製造ロットは多くしていくほど、1本当たりのコストは減少していきます。
そのため、少し欲が出てしまい、過剰な製造注文をしてしまう場合があります。

その欲をしっかりと抑え、割高にはなるものの、必要最小限のロットをこまめにまわしていく方法の方が初期の段階では堅実です。

単品のみの展開であれば、そこまで問題になることはありませんが、複数商品を展開していく場合は、さまざまな要素が絡み合い、少しだけ過剰な本数で生産していたつもりが、つもりつもってバランスが崩れていってしまいます。


オリジナル化粧品の販売開始時期というのは、おそらく従業員などもほぼいない状態であることが多いので、皆さん自身の意識次第でここら辺の問題はクリアすることが容易にできるのではないでしょうか。


工夫ポイント

資材の依頼の仕方

ポンプや容器などの資材は、製造会社に中身と合わせて依頼してしまうか、自分で調達したものを製造会社に納品するかを選ぶことができますので、自分に合った方法を取ることができます。


自分で調達

自分で調達(依頼から入荷、支払いまで行う)した場合のメリットは何といっても1本当たりの単価が抑えられることです。しかし在庫を保管しておかなければならないというデメリットもあります。


製造会社へ調達依頼

製造会社に容器調達も全てお任せで依頼した場合のメリットは手間がかからないということです。製造本数分の容器調達となり、それ以上の容器があった場合も製造会社側で保管してくれる場合が多いです。デメリットは余分に費用がかかること。別途容器などを調達する際にマージンが乗ってきますので割高になります。特に容器デザインをラベルを貼ったようなものにしていく場合は、貼り工賃なども出てくるため、かなり費用が上げられてしまう場合があります。


容器会社の選び方

容器会社は裏で皆つながっています。

そのため、Aという容器会社の容器は、Bという容器会社で注文をしてもほぼ同じ金額で仕入れることができます。(若干の差は出て来ますが)


ここで皆さんに知っておいて欲しいのは、起業当初は、会社に信用が無い。ということです。つまり何がおこるかというと、容器の注文は受けるけど、先にお金を支払ってね。ということになります。


容器会社には、日々お客さんから注文がどんどん舞い込んできています。営業なんてしなくても、十分なほどに企業は潤っているんです。


そのため、ポっと出てきた会社からの依頼は別に受けなくても痛くもかゆくもない。という状況。逆に商品は納品したのに、支払いが遅れているため、その集金作業に手間がかかる。ということになる確率の方が確率論的に高い。

だから、そういう会社からの注文は、先にお金を払ってくれるんなら注文を受けますよ。ということになります。


ここでも皆さんは選択することができます。

大手容器会社へ直接注文を入れる

直接注文なので、その指定する容器はおそらく一番安い。しかし先払いが原則。


中堅容器会社へ間接的に注文を入れる。

間接注文となるため、10円~30円/本 辺りで割高になる。しかし納品後の後払いで対応してくれるところもある。


まだお金に余裕がある。ということであれば直接が良いでしょう。

お金に余裕はない。という場合は、ものすごい金額差になる訳ではないため、間接注文を入れて、運転資金の期間を伸ばしていく方を優先した方が良いでしょう。


■まとめ

・事業スタート時点では、容器や資材は可能な限り小ロットで調達できるものを選ぶ。
・一般的なリードタイムは2カ月程度。しかし6カ月程度かかる場合も普通にあるため発注のタイミングには要注意。
・広告出稿は堅実に。楽観的な取り組みは悪い影響を与える可能性がある。
・容器の依頼の仕方もさまざま。自分で手間かけてやってしまうか、委託してしまうか。資金との相談を。