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梨の日

映画『よこがお』

2019.09.05 09:29

映画『よこがお』


監督:深田晃司

出演:筒井真理子/

市川実日子/池松壮亮/

須藤蓮/小川未祐/

吹越満/大方斐紗子/川隅奈保子





テアトル新宿へ、最終日駆け込み。

僕モテでも話題だった今作。

シンプルで意味も込められ、でも直球でもないような、そんな題名が、好き。





人のこわさ、復讐方法の恐怖へ注目度が高い気がするけど。

うん、女ってこわいよね、っていうのも分かる。


女が女に復讐する時、男を使うのか。


この点についてはなんでもなく自然と観てたけど、私もそうするのだろうか。


女にとっての“男“という生き物の、存在の在り方を、我が身が女だから振り返ったり。


昔から男友達が多い自分は、男も女も同じ人間、と思っていたけど。

アラサーになってから、男と女は違う生き物で、ジャンルが同じ人間なんだと、知っていった。


違う生物だから、手段として使えるのかも。

同じ女だから、男による傷の負い方や深さが分かるから男絡みで復讐の対象にするのかも。

私も、こうやって復讐されたら傷つくものかしら。



方法よりこわかったのは、監督の脚本・演出。

入れ込み方、積み上げ方、なんだこの、サスペンスは。


衣装だって。

地味なコートと、絵画を彷彿とさせる派でなコートの差。


首根まで詰まったパステルカラーの仕事服と、胸元がザックリ開いた黒いワンピース。


染まり方が捉えられる、し、視覚的にも自然と繋がる。


あの、ブラ。

隙がない。





突然の湖に目が点。

というか、その時の髪色が緑だったから、急に緑????だったのだけど。


大きな水(湖)に入水することで、より、女を感じたり。


深みにハマり、自ら命ギリギリまで進んでしまうようにも緊張感あって見えたけど。


水→羊水に私の中で置き換えられ、

羊水→女(が入る)→子宮→女性


と、ぐるぐる巡った。


あぁ、女の話だ、なんて。

ここから先、より一層彼女への興味が湧いて仕方なかった。





とんでもない映画体験。

飽きず話さず、絶妙な仕組みとバランス。


市川実日子さんからも、恋心で追いかける、というよりは「置いていかないで」と。

なんだろう、自分が駆け寄るアタックの印象より、懇願するイメージ。

だから恋とはピンとこなかったけど、とにかく離されたくない人なのだと、思えた。


超絶微妙な出し方は、一体何があったからなんだろう。




復讐の使い手だった男とのやり取りも、最後があんなに豊かだったのは、俳優同士の仲も良好だったからなんだろうなぁとスクリーンから見えたり。


仲が悪かったり距離があったなら、あんな会話にならないもの。きっと。





しかし、”リサ“という名前は、やっぱり強いんだな。

産まれてからずっと”リサ“でいて、昔から違和感があって。


風俗嬢やAV女優さんにも”リサ“は多く、世の中の”リサ“に対するイメージを存分に浴びてきたから、名乗るもの納得。


呼ばれたら自分だと当然分かっちゃいるけど、ずっとどこかで他人事な名前。


梨の意味はや漢字はとても好きなんだけど。

周りに多かったのも影響してる要因ではあるけどね。


かめりさ、が、あだ名なのに1番しっくりしてるんだ。

皆んなは自分の名前にどんな感覚でいるんだろ。






時系列をいったり来たりして振り回してるはずなのに、付いてこさせる余裕もどこかにあって。

だから、離されず、最後まで付いていっちゃった。


映画体験。

酔い回ってました。