図書館プロジェクトのこれからについて
図書館プロジェクトの運営主体を完全にKFKO学院の先生と生徒たちに移行する
というものです。
その経緯と理由についてご説明したいと思います。
私たちは
2016年に団体を結成し、
2017年初めてカンボジアに渡航してニーズを調査し図書館建設を決意し、
2018年図書館の外枠が完成し、
2019年の今回の渡航にてその変化を確認することができました。
この三年半の間、大きな喜びや達成感を感じるとともに、自分たちの非力さを思い知ったり、「ボランティアとは何か」「私たちができることと、私たちがしてはいけないことは何か」など様々な問いに頭を抱えたり様々な経験を積んできました。
日本で学生として学びながら様々な情報をインプットし、自分なりの意見を考えを持ってきても、いざカンボジアに来て人々と話し、様子をみていると180度考えが変わることが多々あり、、、
まさに今回も現地に来て現状を振り返り、今後の方針を改めることができました。
半年ぶりに渡ったカンボジアでは、たった6ヶ月の間に生まれた数々の変化がありました。
空港の周辺に一年前ほどにできたマーケットに、大きな観覧車が建設されていたり、
半年前まだ建設中だった建物に素敵なルーフトップバーができ、繁盛していたり、、
そして、KFKO孤児院の中にもたくさんの変化が、、!!
・図書館内に椅子・机・ホワイトボード・英語の教材などを用意し、教室や自習室としても活用していた!
・近くの古本屋から本をもらい、自ら蔵書を増やしていた!
・図書館の前後ろにガーデンを作り、野菜や観葉植物を育てていた!
・今年、高校を卒業する予定の学生が三人(IUYLが活動を始めた3年前から初の卒業生)が大学への進学を志望しており、教員のサポートを受けながら自ら奨学金の取得に励んでいた!
・生後1ヶ月の乳児が拾われ、KFKO学院に迎えられていた
・本がなくならないように、定期的に確認し、なくなった本は誰がもっているのか徹底的に調査し、返却するよう注意がけしていた!
・学校外の子供達も日中本を借りに訪れており、図書館として認知されその機能を果たしていた!
・掃除当番が決められ、館内を清潔に扱っていた!
・サッカーが大好きな生徒が、カンボジアのカブリーグへスカウトされていた!
などなど。
図書館プロジェクトを始めた当初、
館内でのルールや運営方法を私たちがしっかり決めて彼らに守ってもらわなきゃね!と話していましたが、
結局のところ、図書館を利用するのは孤児院の生徒と先生たち。彼ら自身が考えたやり方でこの図書館をしっかりと回していくことほど大切なことはありません。
この図書館プロジェクトは、温かくご支援くださった日本の方々のおかげで成し遂げられました。しかし、これまでもこれからも絶対に欠かせないのは、完成後の図書館をしっかりと運営し活用し続ける彼らの存在なのだと、今回改めて気づかされました。
私たちが成し遂げたかったことは、
「継続して活用され、子どもたちの可能性を広げる学習環境作り」
自分たちの活動が、決して自己満足のみの一方的な支援にならないように、
かえって現地の先生や生徒たちの負担にならないように、
この三年間継続して活動を続けてきましたが、この活動に対して確固たる自信はありませんでした。
しかし今回、自分たちの場所としてしっかりと図書館を活用し続けようと奮闘する彼らの姿をみて、はじめて間違っていなかったと安心することができました。
「一方的な与える支援」でなかったからこそ、彼らと一緒に築き上げることができ、
彼らが主体的になって働きかけてくれたのだと感じています。
これらのことを受け、私たちは今後、図書館の運営を彼らに任せ、直接的な支援からは身を引くことにしました。もちろんこれからも、私たちにとっても一生ものとなったこの図書館や、カンボジアの仲間たちとは連絡をとり続けていきます。
これまで未熟な私たちのプロジェクトを応援してくださった方々には本当に感謝でいっぱいです。本当に、本当に、ありがとうございました!!