Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

生島尚美さんエッセイ / 新・バリ一代ドタバタ記 (メルマガvol. 93 2019年3月5日号より転載)

2019.09.07 00:46

第16回 とんでもなかった、当日。

Plagaよ、走れ!と叫びまくりですわ。

著者近影。貴重なワンシーンです。


大きな音を出したり外出一切禁止、夜には灯りをつけることも強く規制されるバリ島の奇祭『ニュピ』を前にバリ島中の村々では前日に通りを練り歩く「オゴオゴ」の制作途中の様子を見ることができます。


 アグン山の状態も穏やかで地震もなく、穏やかな日々を送っています。

 2019年初のジャカルタ&チカランでのイベントツアー"Caravan"を終え、これまたわたし自身も穏やかな時間をむかえています。


 こうして長く暮らしていると「別れ」そして、もちろん「出会い」があります。今回のツアーでも本帰国が決まられた方、そして「来たばっかりで何が何だか全然分からなくて〜〜」と言う方とたくさんお会いしました。

 でも、私は悲しくはありません。距離が離れるだけでお互い「居る」んだから、何も変わらないですもの!


 さてさて…前回の続き、"Caravan"の出店者さんとの、これもまたひとつの「出会い」そして出店までのお話。


===========================

 バリ島にあるPlaga Wineのオフィスに電話を入れてみる。ザクッと主旨を話したところ、向こうはほんど無反応...と、いうかとにかく驚いて、なんと反応していいか分かっていなかったよう。

 しかし、Plagaさんのすごいところは、ここで「分からないけど、面白そうだから会ってみる〜?」と、サヌール(空港と私が暮らすウブドとのちょうど間ぐらい)で打ち合わせすることに。


 そこに堂々と遅刻して(20分程)現れたのは背が175cmぐらいあるド派手なインドネシア人女性Mさん!(お父さんがオランダ人だそうな) 「はぁ〜い♡  はじめまして〜」と。 度肝を抜かれつつも、遅刻したことをわびない相手への気持ちも抑えてミーティング。


 私が話せば話すほど、彼女はポカーン


 ウブドに暮らすバッグのお店をやってる日本人が、どうしてPlaga Wineをジャカルタの日本人に売ろうとするの??? と、いうこと。私は常日頃、「何かをする時は絶対楽しくないとイヤ」という思いがあり、私が楽しく、そしてその空気をお客さまにシェアできれば、と思っています。


 「Caravanに行けば何か新しいこと、楽しいことがある」と思って頂きたい。

 「ま、なんだか分からないけど、イベントは大好き!面白そうだから一度やってみましょ!」と


 普通、「出店者」さんはイベントの会場、行き方などを伝えるとジャカルタ人のスタッフを派遣することも多いので簡単に

当日やって来てくれるのですが、Plagaさんの場合は大変でした。

 遅い返事、更にイベントの1週間ほど前に「そもそもいつ? 場所はどこ?」と聞いて来るのんきさ具合(2カ月前にすでにお知らせ済み。ポスターのデータも渡してる)。インドネシアでお仕事していらっしゃる方にとっては「あるある」でしょうか。


 早く情報を伝えておくと忘れてしまうのか、寸前になって面白い質問をしてくるのはなぜでしょう?

 ありがたい事に、"Caravan"は、お客さまが前もって来て下さって並んで開場を待って下さる。開場してから1時間がとにかく「勝負」である、絶対に遅れないで!と、あれだけ言ったのに。前日搬入が可能だからね、とも言ったのに。開場30分前になってもやって来ない。何度電話してもつながらない。そしてやっとつながった開場15分前に「渋滞してるの! 今着く」ですって!


 ハラハラした開場5分前にカートでワインを運び込み始めたPlagaさん。「走れ〜〜〜!」の私の大声に10cmぐらい飛び上がっていました。あっけに取られている並んでいるお客さまたち。

まさしくその瞬間。走っております!!!



 話は戻ってサヌールで打ち合わせの時 、「ワインってどれぐらい売れるものなのかしら〜〜♡ 100?  150??」と聞くPlagaのMさん。通常 Caravanには1日200-250名ほどのお客さまが来て下さる。その方々が皆さん購入されるわけではないにしろ、購入される時は1本ではない方が多いはず。「大体の数を把握する為にご予約を取ってみたら?」と言い出した私が窓口に...


 受付スタートした途端に大変なことに! 蓋を開けてみればご予約だけで360本!!!  私はもちろんのこと、Plaga Wineさんが度肝を抜かれていました。「当日、恐らく同じぐらいの数が売れるはず、死ぬ気でご対応するように!」と、あれだけ言ったのに…→→→さっきの場面へ戻る。


 私は行列を作るお客さまの横を箱を抱え「スイマセン〜〜」と謝り続け、開場後にPlagaのブースに駆け寄るお客さまにsisiのブースを放棄し、「試飲ワイン」を振る舞い、一緒にカンパ〜イまでしたのを思い出します。ワイン効果でその時のバザーは本当に大盛況。もちろんPlagaさんは大満足で、最後に「良かったですね!」とニコニコ。「良かったけど、良くないわ〜〜〜!」とカチンカチンに説教したものの、その次のイベントでも、搬入に2時間堂々と遅れてくる、という全くもって「インドネシアあるある」で私を驚かせてくれました。


 出店者さんたちもそうですが、レンタル机屋さんも4時間遅れて「渋滞だったから」(ジャカルタのどこから来たの??)と笑っていたり、突然来なかったり、と20年バリに住んでいてもCaravanのお陰で本当に本当にたくさんの出会い、そして勉強させて頂いています。しかし、止められない止まらない、このライブ感はたまりません!


 これからもたくさんのネタを出店者さんたちと、お客さまたちと、仲間と作って行きたいと思っています。