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秋吉台国際芸術村

2019.08.26 09:01

一昨夜のローカルニュース。あっ!と驚きの声をあげたまま、しばらく言葉になりませんでした。秋吉台国際芸術村が利用者の低迷から廃止を検討ーー。


同所は1998年のオープン。広く現代芸術の活動拠点として、世界中のアーティストを支援してきました。磯崎新設計による建物は優雅さを湛え、秋吉台ののどかさと相まって、心癒される新名所となりました。


我々夫婦の友人で画家の原井輝明さんが2001年にヘルシンキでのアーティスト・イン・レジデンツ(滞在型創作活動)を終え、その報告、ならびに続編として同所で創作をした時のシーンが目に浮かびます。


ここ宇部市からは車でおよそ一時間と少し。行けば必ず何かをやっていて、いい時間を過ごせる場所でした。ただ、近年は足が遠のいていたのも事実です。理由として近隣に芸術施設が増えたことが挙げられます。2003年に山口市に「山口情報芸術センター(YCAM)」が開場。2005年には島根県益田市に「島根芸術文化センター(グラントワ)」が出来ました。役割はそれぞれ異なるものの、催しはそれぞれ盛りだくさん。施設過剰感は否めません。


「こんなに立派な施設がありながら山口県はーー」。昔からさんざん言われてきた言葉で、いま絶好のタイミングとばかりに嘲笑が聞こえてきます。ゲンナリです。秋吉台で働き、「芸術」を日々の暮らしに身近なものとして届けてくれたキュレーターはじめ、すべてのスタッフ方々に心からありがとうを。芸術は破壊から生まれます。第二の幕があがることを信じています。