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香川大学医学部軟式野球部

2019年度OB戦

2019.09.10 00:33

雨天の予報ではあったが、天が味方をしたかの様な野球日和。

年に一度のOB戦とOB会が開かれた。

秋リーグを目前に控えたレギュラー陣にはこの上無い実践練習となった。

この試合に出場されたOBは、この春引退した松浦と好本を含め計8名。

医師として過密なスケジュールをこなす中で、現役部員を鼓舞すべく全国から駆けつけていただいた。

現役レギュラー陣の先攻で始まったOB戦、OBチームの先発を任されたのは紅白戦で好投を見せた一年の黒田。この日は速球が冴えており、1番向井を詰まらせセカンドフライに打ち取ると、2番坂本サードゴロ、3番平田をピッチャーゴロと三者凡退に打ち取った。

続くOBの攻撃、レギュラー陣のマウンドに上がるのは3年の石本だ。春リーグでは3イニング四死球0被安打0とショートリリーフながら圧倒的な投球を見せた男が秋リーグ前の最後の調整としてマウンドに上がった。しかしOBは全員現役時代腕を鳴らしたオールスター、1番吉本先生がセンター返しによりすぐさま出塁を決めた。ここで石本は切り替え、続く3者を三振で仕留めた。

2回の表、現役チームは4番の増原がセンター前に運ぶと、5番福武がファーストフライに討ち取られ1死1塁。ここで6番坂本泰が相手の失策を誘い1、2塁へチャンスを広げると、捕手西山のパスボールにより1死2、3塁となった。しかし黒田は冷静に8番田原を三振にとると紅一点9番吉隆を迎えた。吉隆はこれまで通算ノーヒットであり、この様なチャンスでの打席は初めてであった。

いつもの様に粘って待った5球目、甘く浮いた球をレフト前に流し打ち先制点を奪った。

そしてOBの裏の攻撃では、石本も調子を取り戻し三者凡退に抑え完全に主導権を獲得したかの様に思われた。

3回表、現役チームは1番からの好打順。

先頭向井が詰まらせながらもライト前に落とし追加点のチャンスを作るものの、2番坂本祐は三振、3番平田が四球を選ぶと一死一、二塁で4番増原を迎えた。

黒田もこの日最速の直球で勝負したが、増原は詰まりながらもレフト線にはじき返した。しかしOBのレフト吉本先生が鋭い打球に対して横っ跳びによるファインプレーを見せ追加点を与えず、5番福武をショートゴロに打ち取り何とかこの回を終えた。

そしてその裏、石本が二者連続三振に打ち取り早くも二死に追い込まれ、打席に立ったのは黒田だった。OBチームの投手を任されながら任されながら先制点を与えてしまった責任感によりこの打席にかける思いは人一倍だった。

未だ被安打1と好投を続ける石本に対し、2球目、ストライクゾーンから外れる様に逃げていくカーブを上手く捉えライト線に流すと、塁間到達チーム1の快速を飛ばし一気にダイヤモンドを駆け回った。そしてフェンス際のバウンド処理や中継がもたつくうちに一気にホームへ突っ込み1人で同点とした。

ここで動揺した石本は続く1番の吉本先生に打たれるも、続く小田先生を三振としこの回1失点で抑えた。その後膠着状態が続き最終回の表、現役の攻撃で大きく戦況が動いた。

ここまで1失点の好投を見せた黒田であったが疲れが見え、6番坂本、7番田原に連続で四球を許し無念の降板。ここで2年の林が登板、しかし続く吉隆に四球を許し無死満塁となった。ここで現役チームは急遽DH制を採用、投手石本に代わり野口が打席に立った。

これによりOBチームも意地を見せ、守備位置を変更。

それまでベンチを守っていた好本がライトに入りライトは計3人となり11人による1点も与えない守備とした。ここで野口は外角の球を詰まらされ打球は緩やかにライト方向へ上がった。しかしながらここでOBチームの戦略が裏目に出てしまい、ライト3人がお互いに遠慮しあって挙動が遅れることになった。そして現役時代落球の名手として名を馳せた好本が果敢に前に出るも球は無情にもグラブからはみ出てそのまま地面に吸い込まれていった。

そしてここから現役チームの怒涛の攻撃が始まった。最終回ということもあり臨時代打を次々と投入、1年の大和がセンター前に弾き返すと、須山は右方向に上手く転がし走者を進め、1番向井がセンターオーバーの二塁打を放つなどこの回一挙6得点とした。

そして6点を追うOBチームの最後の攻撃。

先頭の楠瀬先生がレフトオーバーの二塁打を放つと続く今戸先生が四球により早くも1、2塁とした。その後松浦がセンター方向に大飛球をあげるもセンター須山が捕球。1死1、2塁で好本に回った。先ほどの回では大量得点の発端となってしまい、このままでは終われないと思い意気込んだ最後の打席。厳しいコースは全てカットし粘りのバッティングを見せた。そしてフルカウントとなった後の6球目、際どいコースだったものの大人の事情により四球となり1死満塁で捕手西山につないだ。

ここまで黒田の投球を支えてきた1年の西山だったが、女房役としてなんとか打ちたいこの打席。しかしその気持ちがはやって厳しいコースを打ち急ぎセカンドフライとなってしまった。そして二死満塁で先ほどの打席本塁打を放った黒田が打席に立つことになった。

無念の途中降板となりなんとか点を返したいと意気込むもドラマは起きず、打球は遊撃手福武のグラブへと吸い込まれていった。


現役チームが勝ったものの、勝因は投手の失投が中心でありまだまだ不十分な内容であった。一方でOBの方々が見せるプレーは秋の公式戦での勝利を目指す我々にとっても手本となるものであった。これから秋の公式戦が近いが、現役部員一同さらなる飛躍が求められる。


試合後、例年通りOB会が開催され歴代なんやのつながりが深められた。