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Angler's lullaby

In The Shadows

2019.10.09 21:00

「影が撮りたいんだよね。」


数年前から友人にうわ言のように言ってきたこと。


もちろん、その美しさが好きなのだろうけど、それ以外に何で影なのか理屈めいたものはなかったし、今でもあまり上手く説明できない。


でも、それでいいんだと思ってる。何にせよ心惹かれるものがあるのはいいことだ。


それと最近その魅力にハマっているのがスナップシューティング。


と言っても、何かドラマチックな決定的瞬間を捉える、というものではなくって、ふと気になったものに対してレンズを向けるということ。


あっ、と思う前の一瞬にシャッターを切ること。


これがどうにも楽しい。何だか気になって、何だかイイなと思うものを、そう感じ切る前に記録に残す。


いつも見ているけど、実は全然見えていなかったものを捕まえる。


そんな気分。


そしてそうやって撮った写真は何故だか気になる。心に残る。


こんな時、サッと出して、パッと撮れるカメラを持っているということはとても重要。


何故なら頭が話し出す前に指が動かないと多分こんな写真は撮れないから。

(↑この写真なんか、僕の中ではかなり良い部類なんです。意味は分からないけど、そんなのはどうでもいい。見ているだけで心が動くんです。グっとくる。)


だから、GR3との出会いは僕にとってはとても大事なことだった。


このカメラの売り文句「究極のスナップシューター」が持ってるポテンシャルのまだ10%も使ってないだろうけど、今までだけでも十分楽しい。思い切って買って良かったです。



とは言え、いつも簡単に納得がいく写真が撮れるわけじゃない。


考えちゃダメ。


肩に力が入っていちゃダメ。


スケベ心があったらダメ。


なかなか難しい。


これなんか僕の中では悪い例。時間をかけて、狙って撮ったんだけどイマイチ。


何かが足りない。もしくは多すぎるのかな。何だか違和感があって心に残らない。


良い時は、無心、とかいうのがきっと近い。

撮るものに吸い寄せられるんですよね。


こうやって書いてみると会心の1匹が釣れたときの精神状態に似てるような、似てないような?


なんでこんなものにハマるんだろうって、疑問に思ったりもしたのですが、先日、作家の夢枕獏さんがテレビで言ってたことで少し合点がいきました。


「モノ書きは書くことで、書いた本人が癒される。」


僕もド素人ながら、結構長い間色々書いてきたので、なんとなく分かります。


誰かに褒められたりするのももちろん嬉しいんだけど、書くという行為自体でホッとするんですよね。 


思い切り吐いたらスッキリする、みたいな。


だから書き終わるとまたすぐ書きたくなってしまう。ストレス溜まりやすい体質なんでしょうね。

(これがマンネリになったりとか、格好付け過ぎると精神衛生上あまりよろしくないですが。)


そして物を書くのと同じで、こうやって自分の内面をぶちまけるように、感覚を暴発させるように写真を撮ると、とても安らかな心持ちになれます。


好きなブロガーさんがこういう写真の撮り方を「セラピューティック」というフレーズで表現してたけど、まさしくその通り。


それとやっぱり雲はいい。見てて飽きない。


ありきたりだけど、天国とか、宇宙とか、静寂とか、清浄とか、永遠とか、そんなイメージなんでしょうかね。


あの青と白の中に溶け込みたい。そんな衝動もしばしば。


この写真は山に住んでる後輩くんと電話で話しながら撮った写真。


仕事の話しとかしてた。頑張りましょうね。お互い。


これは酔っ払って撮った1枚。


何だかドラゴンの残像みたい。



しかし、色々撮ってもなんで影が好きなのか、結局イマイチよく分からない。


知りたいような、知りたくないような。


納得したいような、したくないような。



多分、今の僕の言葉じゃ、安っぽくなってしまうのが嫌なんだろうな。


その程度くらいには大事な感覚なのかもしれません。