リスク先読み経営研究所

部下と上司のコミュニケーションについて

2019.09.10 07:05

 コミュニケーションは、知識 や情報、

考え方のやり取りだけで なく、感情の

やり取りも重要な対 象となります。


さらに人間関係が壊れるようなコミュニ

ケーショ ンは、「感情の伝達」に関する

問題 が多いと言われます。


たとえば「言葉使い(話し方)」というのは

感 情がストレートに表れるため話した

本人が気付かなくても、受け取った方が

強く反発するということも起こります

ので注意が必要 です。


まず、コミュニケーションとしての

第一歩である挨拶について説明します。


人間関係は、挨拶で始まり挨拶 で終わる

と言われますが、挨拶から相手との関係

が始まります。

挨拶1つでその後の人間関係を円滑にする

のか、それともこの入り口でつまずいて、

相手に悪い印象 を持たれるのかが決まっ

てしまうとも言われます。


挨拶によって、ど んな人間関係を築き

たいかがすぐに相手に伝わるのです。

上司が、部下との信頼関係を築きたい

のであれば、「部下が安心して話が

できる雰囲気を作り、良好な人間関係

を築きたい」という心を込めて、

上 司から先に挨拶をする姿勢が重要

になります。


このような心を込めた挨拶は必ず相手に

伝わります。

「たかが挨拶、されど挨拶!」です。

以上のような姿勢や意識さえあれば、

自然と目的に合わせた挨拶ができると

言えますが、具体的にはどのように挨拶

をすれば良いのでしょうか?


ポイントは?

1 自分から先に

2 気持ちを込めて

3 相手の方を向き、相手の目を見 て

4 微笑むような笑顔で

5 聞こえる声、明るく落ち着いた 調子で 

「○○さん 、おはようございま す!!」 

という具合です。


笑顔が苦手な上司の方は「目尻を下げる

イメー ジで、口角をうっすらあげる」

と 笑顔になります。

(自信がなければ、自宅の洗面所の鏡を

使って練習し ましょう。) また、

挨拶を受けた時は、すみやかに受けた挨拶

以上の元気さと笑顔や表情(態度も重要)で

相手 に挨拶を返すように心がけましょう。


上手な挨拶の受け方には、相手の感情を

動かし心の距離を近づける効果があります。


たとえば、部下が夏の暑い時期に外回り

から帰って、上司に「ただいま帰りました」

と声をかけたとしましょう。

この時上司が「ご苦労様今日は暑かったろう

毎日よく頑張ってくれるなあ。」と

笑 顔で労いの言葉を返してくれたら

 部下は上司に対してどんな感情を抱く

でしょう。「ありがとうござい ます。

また、頑張ります!」と返事を返したい

気持ちになるのでは ありませんか。


また、上司から挨拶を始めたとしても、

すぐに部下が望ましい挨拶を返してくれる

とは限りません。


望ましい挨拶が返ってくるまでに時間が

かかっても、あきらめずに「あなたの

存在を大切に思っていますよ」という

メッセージを込めて、自分から積極的に、

いつでもムラなく挨拶を継続してください。


毎日顔を合わせて挨拶する時に、少し注意

深く部下の表情や声の調子・態度等を見て

いると、部下の今の状態も見えてくるもの

です。継続 して挨拶していると次の様な

効果も期待できます。


ある日の朝、部下に指導しなければならず、

厳しく叱ったとします。

でも、上司は、その日の夕方には

「お疲れ様、○○さん!!」

 次の日の朝には「○○さん、おは よう!!」

と明るく笑顔で挨拶するのです。


 叱られた部下にすれば、自分という人間

を否定されたわけではなく、仕事に

ついて叱られたのだと感じるのでは

ないでしょうか?

上司の挨拶によって、部下が

「少しほっとした気持ち」になるのでは

ないでしょうか?


実は日々のこんな小さな積み重ねこそが

人と人の心をつないでいくための大切な

要素なのです。

お互いの間に信頼関係が出来上がってくる

と、上司の言った言葉も誤解なく素直に

受け入れられるようになります。 


「お疲れ様」の後に「今夜は激しい雨に

なりそうだから気を付けて帰ってください。」

というような「相手を気遣う一言」を付け

加える挨拶は、部下を大切に思っている

気持ちを伝えるメッセージとして、少な

からず効果があるでしょう。


コミュニケーションの第一歩である挨拶を

上司からの「部下との良好な人間関係を

築きたい」という部下へのメッセージと

して積極的に行い、明るく活発な職場の

コミュニケーションを目指しましょう。



最後までお読みいただき

ありがとうございます。



リスク先読み経営研究所

所長 新井仁士