「Eins, zwei, drei- bunte Zahlenspielerei」Joanna und William Stobbs
一つの太陽から始まった世界が、無数の星の中、子どもの夢の中へと消えていく、そんな、美しい絵本です。
イギリスの児童文学/絵本作家であるWilliam Stobbs(1914-2000)の、こちらドイツ語版の絵本です。
Stobbsは日本語になっている絵本はあるのでしょうか?自分は見たことがないので多分翻訳されているものはまだないと思います。
「Eins, zwei, drei- bunte Zahlenspielerei」英語の原題は「One sun, two eyes and a million stars」
タイトルから分かるかとも思いますが、そのまま、数の絵本なんです。
ひとつの太陽、ふたつの目、三匹の蝶、四本のバラ、そのように、だんだんと大きくなっていく数と、そのものが、描かれているのです。
この絵本の仕掛としては、その登場したものたちが、その後に消えてしまうのではなくて、絵の中にどんどん足されるようにして描かれていきます。
太陽から始まったこの絵本ですが、四本のバラのページでは、そのページの中に太陽、二つの目を持った女の子、蝶、バラ、が描かれているのです。
数が増えるにつれてその世界は(必然的に)どんどんと豊かになっていき、世界が広がっていく、そんな風に展開をしていくのです。
少女の周りに広がる世界、農場、町、空と、視点はどんどんと広がっていくのですが、しかしそれも18までで、最後のページである19、20ではまた違った工夫がされています。
この絵本の最後は「それから、たくさんの、たくさんのお星さま」と、もう数えられるものではないものに触れて終わります。
眠る子ども、窓の向こうには夜空に無数の星々。
そうなんです。舞台は18の数で、一転して室内へと変わり、今まで数えられていた数々のものたちは絵となり額の中に収められているのです。
子どもは寝床へ向かい、眠りにつきます。
そして夢の中で無限の数である宇宙の星々を眺めているのです。
この絵本の中に、世界が、宇宙がまるごと詰められている、そんな風にも思える美しい絵本です。
是非オンラインストアのほうでも御覧ください。
「Eins, zwei, drei- bunte Zahlenspielerei」Joanna und William Stobbs