ちいさなものがたり

手を描くということ

2019.09.11 14:36

手を描くことは画力に直結する。


言い換えれば、描いた手を見れば

描き手の画力が分かる。


講義の資料作りを三、四時間していて

つくづく一理あるなと思ったものだ。


別に自身の手を眺めながらウットリ…

などというナルシスチックな

事を言っている訳ではない。


手における比率は先述の人体寸法に

繋がるものがあるという意味です。


つまり手をうまく描こうとすることは

全身をうまく描こうとすることでもある

のです。


具体的に言うと開いた手のひらは

個人差はあれど顔の大きさとほぼ同じ。


人の頭身が概ね8頭身である事を考える。

そこで。


両手を広げた長さ(指極)は身長と同じ。

となるとその長さも頭8個分の長さなの

である。


そうなると身体の各々の比率関係は

前回述べたように弾き出されていく訳だ。


話を戻そう。

では手の寸法を見てみよう。


まず手のひらの比率関係は

中指の長さと手のつけねまでの

長さはほぼ同じ。


親指と小指の長さは同じ。


親指の付け根から手首のつけね、

描く指のつけねまでの距離もほぼ同じ。


つまりお互い1:1の関係性にあるという事だ。


余談になるが開いた手のひらと

顔の大きさは同じ、そして

頭頂から目線、口、顎までの

比率もほぼ1:1:1の関係にある。


人には様々な体型の違いがあるわけだが

根本の比率は大まかに変わるわけではない。


ここを抑えるか、否かで

特にディフォルメしたときの

印象もだいぶ変わってくる。


これが画力が分かる、と言われる

所以なのかなとは思う。


単純なようで奥が深いな、人体比率。