板垣峠
今回は僕の愛する福井の峠の宝箱、池田町から新たな峠をレポします。
まず知っておきたいのが、池田町に入る道。
基本的には全部で7本あるんですが、その内訳は、
国道2本(国道417号、国道476号)
県道4本(福井県道2号、34号、201号、203号)
林道1本(冠山林道)
下線は冬季通行止めとなる道。
この時点で近隣自治体6つのうち、岐阜県、大野市、南越前町、鯖江市(常時道なし)からは冬には直接入れなくなっちゃうことが分かると思います!
入れるのは福井市と越前市のみ!
えらいこっちゃ!!
このうち、国道476号は丁坂編(これは福井市と大野市の峠です)、県道34号は稗田峠編、201号は魚見坂編、203号は魚見峠編で紹介済みです。
ということで今回紹介するのはこれらの中で3つしかないトンネル峠。
池田町の命綱とも言える道。
国道417号
それでは雪に閉ざされた池田町でレポスタート!
さてここは越前市。
冬でも池田町に入ることが出来る数少ない自治体です!
恐ろしい事態ですが、池田町の交通は現在、福井市と越前市に担われております。
写真は福井県道2号武生美山線と国道417号の交差点。
直進が県道2号、左右に抜けていくのがこれから進む国道417号、右折です。
・・・国道には見えない。
実際この区間はこの先の市道の方が幅を利かせているので、国道を通る人もまばらです。
すぐに幅を利かせていた町道に合流します。
もういっそ町道を国道に指定しちゃっていいと思うんですが。
なんかダメな理由があるのかなぁ・・・。
さすがに国道、田舎道とはいえ快走できます。
400番台の中では、なかなかまともな規格。
安心して走れますね。
バイパス工事をしているようです。
ただ開通はまだ先らしく、これといった見どころも・・・。
しかしバイパス工事の情報も無いんだけど、素性が読めないこの道。
地図ではひげのように国道色が伸びてるんですが・・・。
未成道路か?
しかし雪が増えてきたな・・・。
いよいよ本格的に峠道に差し掛かりました。
勾配が急激に上がります。
この先にあるのはもちろん峠。
峠を経なければ池田町には入れません。
板垣峠(いたがきとうげ)
この峠はトンネル峠としての歴史が古く、過去の峠道は現在、机上調査中です。
今回はトンネルまでの峠道を楽しむとしましょう!
ここからは標高とともに増えていく雪の量に注目です。
越前市内は完全に雪は解け切っていました。
しかし上りに差し掛かったこの段階ですでになかなかの量。
雪の降らない地方の人なら間違いなくビビる量の雪が路肩に寄せられています。
大きめのヘアピンカーブ。
ヘアピンカーブは大きければいいというものではありません。
というかむしろマイナスポイント。
高速道路や線路等で「R=300」等という表示を目にしたことがあると思いますが、これはカーブの大きさを表す数字です。
Rというのは曲率半径のこと。
つまりR=300といえば、直径300mの円の弧に相当するカーブということになります。
円の弧は直径が小さくなればなるほど曲がりが大きくなります。
つまりRの数字は小さければ小さいほどえげつないカーブだということ。
ヘアピンカーブは当然のことながらRが小さくなりますが、このヘアピンは100程度と思われます。
さほど急なものじゃありません。
これはロックシェッドではなくスノーシェッド。
日本語表記で言うなら「雪崩覆い」といいます。
右側の路肩に見える雪の山は除雪の跡ではなく、雪崩の跡。
・・・リアルだな・・・。
そこかしこに見える雪崩の痕跡にビビりながらも、道は確実に標高を上げていきます。
トラバース区間ゆえか雪の量も落ち着いて、ちょっと一安心ですね。
さてこの先には峠道の華、トンネルが待っています。
鳥越トンネル(とりごえトンネル)
越前市側と板垣峠の間にあるトンネルで、張り出した尾根を貫くトンネルです。
竣工は1981年、昭和後期の立派な作りですね。
しかしこのトンネルが出来るまで、ここには鳥越隧道がありました。
この辺りの道は未舗装の非常に粗野なものだったということです。
国道417号が指定されたのは1982年の4月。
鳥越トンネルは国道の指定によって改良されたものと思われます。
谷を渡る橋には旧道が見えました。
ここもなかなか楽しそう・・・。
ここにもわかりやすい雪崩覆いが。
ようするに雪の滑り台になっているわけですよ。
ただ受け止めるだけじゃその重さで潰れてしまうので、それを流しているという構造がよくわかります。
一回雪崩の下通ってみたいのは僕だけでしょうか・・・?
やっぱ旧道が多い・・・、気になります。
この旧道が散見される区間は前進となった道より、鳥越トンネル側に多く見られました。
やはり国道というのは線形改良が頻繁に起こるんですね。
そしていよいよ峠という所でこの分岐。
こちらを左に曲がると、八ツ杉千年の森という自然体験センターに至ります。
今は雪に閉ざされてますが。
そしてここから続く古道を進むと、古来からの板垣峠に至ることが出来るらしいのですが・・・。
何分道がかなり消失しているらしく、それほど距離は無いにもかかわらずなかなか的を得ない状態です。
春先にチャレンジするか・・・。
板垣トンネル、着。
かつてここにも板垣隧道という隧道がありました。
1936年竣工、1988年にトンネルに拡幅されたとのことです。
この隧道の扁額は保存されているので探してみましょう。
公的施設がヒントです(笑。
こちらは池田町側。
すいません、正直ほぼ平成生まれのトンネルにはあんまり興味がわかないもんで(汗。
板垣隧道見たかったなぁ。
写真は雪に埋もれながらもお参りされている様子のお地蔵様。
これは恐らく板垣峠のものを移設したものでしょう。
無くなった交通より今ある交通。
納得の措置です。
越前市側の苦労が嘘のように一瞬で人里に下りてきます。
これは典型的な片峠、高地型峠だということですね。
池田側の標高は高いのです。
それがわかるのがこの積雪量。
この日はまだマシですが・・・。
本気出せば日本有数の豪雪地帯の肩書をいかんなく発揮してくれます!
そりゃトトロくらいいますよ。
だってここは池田ですよ、そりゃトトロくらいいます。
ここで国道476号にぶつかって、今回の板垣峠区間は終了です。
しかし国道417号を辿るものにとって、これまでのなんてただの予選。
本戦はこの先に控えているのです!
岐阜県を目指す国道417号は地図上で見ると分断しています。
しかし此処を林道で連絡しちゃうのが、この道の凄い所。
冠山峠を経て、有名な徳山ダムに至ります。
この区間は今年中に必ず行かなければと心に決めている大物です。
こうご期待!雪溶けたらね!
以上、板垣峠編