実質賃金や消費者心理は延期時より悪化でも“増税強行”の愚!
日刊ゲンダイDIGITAL
【転載開始】
■実質賃金や消費者心理は延期時
より悪化でも“増税強行”の愚
公開日:2019/09/12
来月1日の消費税率10%へ
の引き上げが近づく中、
厳しい経済環境を示す統計結果
の発表が相次いでいる。
安倍首相は過去2回、
2015年10月と17年4月
に予定されていた消費増税を
延期しているが、増税予定月
1年前の数値を比べてみると
(別表)、現下の状況は延期時
よりメタメタであることがよく
分かる。
厚労省の最新の「毎月勤労統計」
(7月速報値)によれば、賃金の
伸びに物価の変動を反映した実質
賃金は前年同月比0・9%減で
7カ月連続のマイナスだった。
一方、1回目の延期時は、
5カ月前(15年5月)に25カ月
ぶりにマイナスを脱していた。
いったん4カ月前(15年6月)に、
賞与支給時期が前年に比べ ずれた
特殊要因でマイナスになったものの、
その後、プラスに転じていた。
2度目の延期時もプラスの数値が
並んでいる。
内閣府の最新(8月)の
「消費動向調査」はもっとひどい。
消費者心理の明るさを示す消費者
態度指数(2人以上の世帯、季節
調整値)は、前月比0・7ポイント
低下の37・1で、ナント11カ月
連続の悪化だった。
消費者心理は、1年前から坂道を
下り続けているのだ。
一方、2度の延期前は、改善や悪化
を繰り返し、今のように右肩下がり
ではない。
経済環境がよっぽどマシだった
過去2回は延期して、今回、
目も当てられない統計を横目に、
4・6兆円もの消費増税を強行
するのは正気の沙汰とは思えない。
立正大客員教授の浦野広明氏(税法)
が言う。
「増税延期を促す経済統計が次々
と出ているのに、延期論議が起きて
いません。国会が開かれていないし、
メディアが淡々と統計結果を伝える
姿勢に終始しているからです。増税
をする経済環境でないことは明らか
です。技術的には今からの延期も
可能。仮に、強行されても、野党は
秋の臨時国会で10月1日に遡って
増税を撤回する法案を提出すべきで
す。税金は、国民を代表する議会の
決めた法律によらなければならない
原則があり、過去への課税は許され
ませんが、国民に有利になる減税は、
遡って行うことができるのです」
消費税は間違いなく、臨時国会や
次の衆院選の大争点になる。
【転載終了】
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明らかに改造内閣の政権維持に
不利になりますが、延期しないの
は、財務省の圧力が強いのかも
知れませんね。