さようならボーダーブレイク
2019/09/09、ボーダーブレイクが稼働を終了した。
10年間に渡る大往生。本当にお疲れ様。
稼働終了前2年間ぐらいはほぼプレイをしていないし、家庭版もやっていないのでとやかく言えるような身分では無いかもしれないが、それでも自分なりに過去を振り返ってみて気持ちの整理をつけずにはいられないゲームだった。
ということで、ボーダーブレイクとの思い出をダラダラ語っていこうと思います。
【ボーダーブレイクとの出会い】
僕はずっとゲームをやって育ってきた。
家ゲーだけでなくゲーセンにもしょっちゅう行っていた。本当に大量のゲームをやってきた。
その中でも最も熱中したのが、あろうことか家でやるゲームではなくボーダーブレイクだった。
プレイ時間にするとざっくり約1600時間、これでもトップ層に比べると全然少ない。
時間だけで考えればモンハンや無双シリーズの方が多くやっていると思うが、電気代とパッケージ代しか掛からない家ゲーならまだしもこれはアーケードゲーム。筐体に座ってスマフォを眺めているその1秒にも金がかかっている。
ボーダーブレイクはクレサ無しでは大体500円で2試合半。時間にするとマッチング等も合わせて約30分。
これで1600時間プレイしているのだから、一般的に見たら相当狂っている。
元々対人ゲー・ロボゲーが好きだったこともあり、バイトまでの空き時間に軽い気持ちで手を出した。当時まだ未成年。
正直わけがわからなかったし、碌に機体制御は出来ない、弾は当たらない、死にまくるで滅茶苦茶に腹が立った。
しかしそこは対戦ゲー、そのイラつきがモチベーションへと変わった。
自分もいつかトップを取っている人達のように撃破を取り、戦場をビュンビュン駆け回ってやるぞと燃えた。
そして何よりカッコよかった。小さい頃からゲームをやってきた自分にとっては、ゲーセンで、チーム戦で、ロボットを操縦して敵を倒すというゲームそのものがもうロマンだった。
そこからはもうひたすら熱中した。
学生だったこともあり時間は有った。金は無かったがなんとかやり繰りしてゲーセンに通った。
朝はまだパチンコ屋も空いていないような時間からゲーセンに籠り、終電ギリギリまで100円を入れて駅まで走った。
寝ても覚めてもボーダーブレイクのことばかり考えていた。
どうすれば撃ち合いで勝てるようになるのか。このマップは何をすればいいのか。どういう凸ルートがあるのか。アセンはどうすればいいのか。
人の動画をとにかく見漁って真似する。トライ&エラー、そして反省の繰り返し。
今思えば狂気とも言えるモチベーションの高さでゲーセンに通い、腕もメキメキ上達した。
エアバーストが終了する頃には所謂最上位でも通用するようにまでなっており、それなりのプレイヤーには成長していた。
しかしユニオンに入る頃、社畜を膝に受けてしまいプレイ頻度はガクっと落ちた、というかほとんどやれなかった。
仕事を変え丁度スクランブルに移行する頃に復帰。そこからZERO後期辺りまではエアバの頃までとはいかなくともダラダラとプレイを続けていた。
【対抗戦という熱】
少し話は変わるが、一口にボーダーブレイクと言っても色んな楽しみ方がある。
ランク上げに勤しむも良し、何にも囚われずただプレイするも良し、ユニオンガチるも良しイベント戦ガチるも良し。
僕が好きなのは対抗戦だった。対抗戦=ボーダーブレイクをやる意味だった。これがもう本当にこんな神ゲー他にあるか?というぐらい面白く奥が深い。
ランクマである全国対戦はランダムマッチの10vs10だが、対抗戦はメンバー固定の10vs10でランダム戦ではなくチーム戦である。
全国対戦とは違い最低20人の決まったメンバーが時間をぴったりと揃えて筐体の前に座り、一斉に液晶を触る必要がある。
各々離れ離れの所にいるプレイヤー達が同じ時間にその対抗戦のためにスケジュールを調整し、席を確保し味方として敵として戦う。中には開店から居座り40分のゲームのために調整をする人もいる。
これ凄いことじゃない?20人だよ?
こういった一体感と熱量がたまらなく好きだった。ゲームで繋がっている感が凄かった。
そのためにクランというものに所属する必要があり、エアバ・ユニオン辺りでは3つか4つ程のクランに所属し対抗戦をしていた。
その内の一つのメンバーが、対抗戦にモチベのあるメンバーを新たに集めて自分達でクランを作らないかと言い出した。丁度スクランブルに移行するタイミングだったし仕事も変わり時間が出来たので話に乗った。
言い始めは4人。今でもそれなりに付き合いのあるメンバー。
作ったクランの名は「Sieg Heil」。元ネタはとあるエロゲー。
クランのコンセプトは「SSランクを目指すSランクの集まり」というものだった。
正直僕にとってはコンセプトなんてどうでも良かったが、同じぐらいのランク帯の対抗戦にモチベーションがあるメンバーを集めるという点に関しては大賛成だった。
どこからともなく人が集まり始めてのSieg Heilの対抗戦。
人数もギリギリで各々の得意兵装、プレイスタイルもわからない中での対抗戦。
僕は一応得意兵装は強襲であったが、人数と役割の関係上偵察支で出た。
結果は3-1で勝利。この時「対抗戦慣れしている、というかアドリブ力のあるメンバーが集まったな」と感じた。
ここから次第にメンバーも増え、対抗戦も結構な高頻度で行っていった。
皆本当にモチベーションが高く作戦会議、反省会、対抗戦のための調整等手を抜かなかった。
Sieg Heilも破竹の勢いで連勝を重ね、第一人称視点で申し訳無いが同ランク帯のクランの中ではほぼ敵無しとなった。
僕自身も他にいくつものクランにも入り、完全に対抗戦に楽しみを見出していた。
非公式の大会に出たりもして、毎週のように対抗戦をしていた時期もあった。
ある程度人数も増えてきて格上に挑むようになってきてからは、Sieg Heilで対抗戦に出る頻度はガクっと減った。
理由は周りに比べてランクが低い(要するに上手くない)から。
クラメンは凄まじくモチベの高い集団だったのでボダをする頻度も高く、みんなランクもどんどん上がっていった。
一方僕は対抗戦のためにボダをしていたので対抗戦の無い週はほとんどプレイしなかったし、したにしても対抗戦の練習だと思っていたので余り高頻度では無かった(エアバまでのスタンスとはいつの間にか完全に変わっていた)。
要するに他に比べると圧倒的にやり込みが足りていない。
舐めている訳では無い、ボーダーブレイクとはそういう付き合い方になっただけ。
勿論お前はランクが低いから出るのは控えてくれなんて言われたことは一度も無い、そんなことを言うメンバーではないが、自分の中に勝ち負けが大事な世界なので人数が足りているのであれば強い人が出た方がいいだろうという考えが有り、気付けば他に出たいという人がいたら譲るようになっていた。
そうして段々とゲーセンに行く頻度は落ちていった。別にモチベが無くなった訳では無かった。
それでもばるさる相手に引き分けたり、花伝杯で時空戦域相手に一本取った時などは滅茶苦茶興奮した。出てないけど。
家でゲームをするようになったことも有り、遂に完全にゲーセンに通わなくなっていた。
これが確か二年前ぐらいのこと。
周りも諸々の理由で段々と頻度が落ちていたり、他のゲームをやり出したりとで少しずつボダを離れて行っていたことも少なからず影響しているだろう。
僕が対抗戦に出なくなりゲーセンに通わなくなってからもSieg Heilは変わらず対抗戦をやり続けたが、大体メンバーが固定になってきてしまったり、そもそも次第に対戦相手が見付からなくなってきたりとでその頻度もかなり落ちていた。
【本当に多くのかけがえのない出会い】
ボーダーブレイクがくれたもので一番大きいものはやっぱりこれ。
クランメンバーという仲間達は勿論、ゲーセンで合った人、エスボダ会場で合った人、関係無いけどノリと勢いで飲みにいって意気投合した人、本当に数えきれないぐらいのたくさんの人との繋がりをくれた。
そもそも対戦ゲームが好きでロボットゲームが好きなオタク達、意気投合出来ない訳が無い。初対面の人ともボダのことだけでなく、他のゲーム・アニメのことなど酒を飲みながら熱く語り合えた。
きっかけはボダだったが何も意気投合できる所はそこだけではない。僕が今よく遊んでいる人達は大元を辿れば大体の人がボーダーブレイク繋がりである。
もうボダをしてない人も多いが、良く一緒に飲みに行くし、他のゲームを一緒にするし、キャンプや旅行に行ったりもする。
住んでいる所も年齢もバラバラだし未だに本名不明の友人も多くいるが、別に大した問題ではない。みんなもう無くてはならない趣味仲間になった。
もう思い出話になってしまうのは悲しいが、あの時の試合はどうだった、あの凸は天才だったとか実はあそこやらかしてたとか、そういった話をしながら飲む酒は最高に美味しい。
かつて同じゲームをゲーセンに通いプレイしていた仲間と今もこうして付き合いがあることは、本当に運が良く幸せなことだと思う。
社会人になり学生時代の仲間とあまり会わなくなってからこのことを痛烈に感じる。僕の毎日に影響を与えている。大袈裟に聞こえるかもしれないが、そういう意味ではボーダーブレイクは僕の人生をはっきりと変えた。ボーダーブレイクが無ければ今の自分は無い。
僕は家庭版は絶対にやらない。アケで続編が出ることも無いと思うので、僕のボーダーブレイクは本当に終わった。
楽しかった。最高に楽しかった。青春だった。後悔も心残りも無い。絶対に忘れる事の無い10年間だった。きっとこんな熱量で何かをするってことはそう多くは無い。
10年間本当にお疲れ様。出会ってくれた人達ありがとう。これからもよろしく。