この前の起立性障害の子
この前の起立性障害の子が再来院しました。
その経過報告です。
やはり思ったとおり、元に戻ることもなく、学校にも行き、クラブもできたそうです。
元々元気だった子が、あんなに目もうつろになって、フラフラになった訳ですからね。
起立性障害なら、こんなに一気に症状が出ないと思います。
機能的障害は、器質的障害とは違い、機能が低下して起こる症状です。
彼の場合は、やはり熱中症から引き起こされたものだろうと思います。
機能が低下して起こっている症状は、MRIや血液検査等では原因はつかめません。
もちろん逆に器質的な疾患の場合は、機能だけをあげても駄目です。
どちらもが必要な検査ですが、まずは機能をあげてから様子をみて器質的な検査を行っても遅くはないと思います。(医療費削減)
まだ子供ですから、MRIやCTによる肉体への負担(検査による肉体への侵襲)も考えられます。
機能的な障害は、必ず身体の機能異常として問題がでてきます。
しかし、器質的障害は、必ず機能障害を引き起こしています。
機能障害のない器質的障害はありません。
それをもっともっと観察し、機能障害のパターンを見出すことで、器質的疾患の特定にいければ、不必要な検査を行う必要もなくなるでしょうね。
やっぱりその研究をしたいなと思っています。
なかなか一筋縄ではいかないんですがね・・・。
今回は、胸の反応もなく、下腹部の異常な緊張も、ややある程度でした。
やはり股関節屈曲内転は左右差があり、腸骨周囲には、くすぐったいような緊張がありました。
それを調整するのは、左足母指だったのでテーピングを行いました。
もちろん、テーピングだけで股関節屈曲内転も同じ状態になりました。
ただ、特長として発症してからあまり日数がたっていないからなのかどうかはわかりませんが、最初から異常な経路の蛇行はあまり認められないのが特長です。
つまり真っ直ぐ貼ることが殆どということです。
それさえ読めれば、誰でもこういう症例の方を緩解させることができるなと思います。
運動と内臓の問題を区別すること自体が、そもそもの間違いです。
もちろん区別して詳細なデータをとることは医学の発展に貢献してきました。
しかし、臨床では、もっと、ざっくりと考えることがもの凄く重要です。
全体として捉えれば、内科も整形外科も耳鼻科も同じ観点に立って考えていく必要があります。
ロボットじゃないんですからね。
これで目一杯運動をしても大丈夫でしょう。
一番喜んでいたのは、ご両親かもわかりませんね。
この日曜日が試合らしいので、良い成績を残せれば嬉しいですね。