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退屈と惰性と 改

アニマギア レビュー

2019.09.21 02:29

 今回のレビューは、バンダイ キャンディの食玩新シリーズ、
“アニマギア” です。


 共通フレームによる可動性とカスタマイズ性を併せ持つ食玩の新シリーズ、
“アニマギア” が発売されました。

 今回は、第1弾ランナップよりリカラー1種を除く4種をまとめてレビューしたいと思います。


 旧サイト含めて食玩レビューは初めてとなります。

 ホームのメインページにも使っているガンダムマイクロウォーズだとか、ちょっと前だと超動ウルトラマンシリーズ、旧サイトのメイン画像に移していたゲゲゲの鬼太郎のフィギュアなど、これまでもいろいろと食玩は購入してきたのですが、あえてレビューを書くほどのこともないかな、と思っておりました。

 でも今回、このアニマギアに関しては書かずにいられなかった。

 いや、別に真っ向から批判するわけじゃないんですが、これいろんなものパクリ過ぎだろ(笑)。

 同じグループであるバンダイ スピリッツがフレームアームズを参考(模倣ともいう)にしたと思しき30MMなるキットシリーズを立ち上げて間もないうちに、今度はこれヘキサギアですか? ゾイドですか?

 まぁ、なにかヒットすれば似たようなものが続々生み出されるのは世の常ですが、バンダイほどのビッグネームが堂々とやってしまうのはいかがなものでしょう?

 というか、ある程度は承知でやってるんでしょうね。そのあたりに大手の傲慢さすら垣間見られる(笑)。


 そんなわけでツッコミどころ満載の新シリーズですが、まずはとりあえず基本的な概要を抑えておきましょう。

 “20XX年。スポーツの祭典が開かれる中、新しい次世代型ホビーが発表された…。
 新世代バディホビー『アニマギア』”

 というように、一応世界観は設定されており、公式サイトではショートストーリーの連載もされています。

 まぁ、この時点でどこかで聞いたことのあるような設定なんですが・・

 そして肝心のアニマギアの特徴が、可動する “ボーンフレーム” 、装甲となる “ニックカウル” 、ニックカウルに貼る “ブラッドステッカー” 、の三つの要素からなる可動式組み立てキット、となっています。

 フレームに装甲等を取り付ける手法はコトブキヤの十八番ですし、フレームの名称のボーン、そしてただのシールにわざわざ固有名を付けるところなんかは、ゾイドワイルドの二番煎じと言われても仕方がないように思います。

 しかも、ゾイドワイルドのグラフィティーラベル(シール)が任意に位置を選んで貼れるのに対し、こちらのブラッドステッカーはニックカウルのディティールに沿って貼るものなので、装甲とシールでニコイチです。

 結局のところ、カスタマイズできる要素としては二つだけということになります。

 なんだかなぁ・・


 さて、最初にこれだけ言ってしまうと、もはや偏見を持たれてしまったかもしれませんが、ともかくレビューしてみようと思います。

 キットは、素組みに付属シール(ブラッドステッカー)を貼っただけです。


1. ガレオストライカー

 モチーフはライオン。

 どこかで見たような要素をいろいろ足して等分した、というようなデザイン。

 僕なんかはどうしてもゾイドを思い浮かべてしまいますが、ライオン型のメカなんてありふれてますからね、ほかにもっと似たデザインのものがあるかもしれません。

 少なくともオリジナリティは一切感じられない(笑)。

 ただ、プロポーションはなかなかよいですし、定価390円という価格、全長10㎝弱といったサイズを考えれば造型も十分でしょう。

 頭部のみ組み立て済み、一部塗装済みになっており、ほかのパーツは約8㎝×8㎝のランナー6枚で構成されており、食玩としてはけっこう作り応えのあるボリュームになっています。


 こちらがボーンフレームのみの状態。

 フレームパーツ(ランナー3枚)は全種共通になっており、モチーフによってパーツの増減や組みつけ位置が違ったりしています。

 ガレオストライカーの場合は四脚獣の基本形。

 こういう安価なキットでは案外おざなりになっている後脚の間接がしっかり再現されているところはポイントが高いです。


 申し訳程度のサイズでしかありませんが、補助用のディスプレイスタンドが付属。

 もっとも、フレームには3㎜穴が無数に空いているので、汎用のスタンドを使うことは容易です。


 カスタマイズ用のジョイント(3㎜軸x2・3.5㎜ボールジョンと×2)も付属。非使用時に挿しておける整理用のパーツも付属します(全種共通)

2. デュアライズカブト

 モチーフはカブトムシですが、体型は人型。

 メダロットかな?

 アニマギアのアニマはアニマルのことかと思ってたんですが、普通に人型も来るんですね。

 ちなみに、第1弾ラインアップは5種ですが、最後の5つめはこのデュアライズカブトのリカラーとなるデュアライズカブト アーミ-タイプになります。

 成型色がグリーン系になり、頭部バイザー部分やステッカーの赤色が青色になっている以外はまったく同じものなので、今回はスルーしています。


 こちらがボーンフレーム形態。

 パッと見、ガレオストライカーを立たせただけのように思えますが、脚部のパーツが一つ省かれています。


 補助用スタンドが付属。

 これは完全に自立補助用のスタンドですね。

 高さも固定なのでポージングには使いにくいです。


3. アームズギロテッカー

 モチーフはザリガニ。

 今回のラインナップでは一番類似品が少ない気がしますが、それでもどこかに既視感が・・

 まぁ、第1弾のチョイスとしては攻めてきたな、という感じはあります。
 個人的には今回で1番好き。


 ボーンフレーム形態。

 これまたデュアライズカブトを俯せに寝かせただけかと思いきや、腹部および腰ブロックが省かれ、尾部の付け根は専用パーツ(装甲パーツのランナーに含まれます)になっています。

 なお、この状態では尾部は左右で固定はされていません。


 ディスプレイ補助用として謎の頭部固定パーツが付属。

 わざわざ単独で付属するんですが、正直なんのために付いてくるのかわかりません(笑)。

 おそらくはヒゲが折れないためのものかと思いますが、せめて透明クリアパーツでもなければ、こんなもの付けて飾れないでしょう。


4. ソニックイーグリット

 モチーフはタカ。

 表面積の広い翼のために、ボリュームは第1弾のなかでは1番です。

 一方で目立つ翼の表面にはステッカーが貼られないため、そういう意味では1番地味なアイテムかもしれません。

 まぁ、ブラッドステッカーだから、本来血の通ってない部分には貼らない、というような解釈でいいのかな。


 ボーンフレームのみ・・

 では厳密にはなく、翼の取り付け基部と背部装甲が一体化しているために完全にフレームのみの状態にすることはできません。

 最大の特徴は、ほかの3種と腕部(翼)、脚部のパーツが逆になっているところ。そのおかげで翼がかなり柔軟に動かせるのがよいです。

 ちなみに、これまでの3種にはなにかしらディスプレイ用の補助パーツが付属していたのですが、このソニックイーグリットにはなにもありません。

 いや、このコがそれ1番要るコ!


以下、画像


 まずはガレオストライカーから。

 組み立て済みの頭部は口が開閉します。

 ボーンフレームの可動性は価格やサイズを考えれば十分なレベル。重みでへたるという心配もほぼなく、空間ディスプレイも気軽に行えます。


 次に、デュアライズカブト。

 今回唯一の人型ということで、ほかの3種に較べてあまり面白みはないかもしれません。

 もちろん可動は十分。肘はボールジョイントによる一軸可動ですが、膝は二重関節になっているので立て膝はもちろん正座も可能です。ただ、太腿の装甲が胸部と若干干渉します。

 あと、踵がほとんどない構造なのでポージングによっては自立がままならないことも。

 また、大振りな頭部と肩アーマーも干渉しがちです。

 その頭部はほかの3種と同じく組み立て済みの一部塗装済みではありますが、ほかの3種と違って可動部はありません。角くらい動くようにしとけばいいのに・・


 続いて、アームズギロテッカー。

 ほかの3種と較べて可動は制限される部分が多いですが、独特のスタイルはそれだけで存在感があります。

 一応尾部はある程度反ったり曲げたりは可能ですが、先端のアーマーパーツのみで左右のフレームを固定しているため、無理に動かそうとするとパーツ破損の可能性もあるので注意が必要かと。

 組み立て済みの頭部は首(?)部分が可動、左右のハサミも開閉します。


 最後にソニックイーグリット。

  組み立て済みの頭部は首部分で可動。残念ながらクチバシは開閉しません。

  頭部および翼の可動で様々な飛行状態を表現できますが、先にも言ったようにディスプレイスタンドは付属せず、汎用のスタンドを使おうにも外装をすべて装着した状態ではいい位置に3㎜穴がありません。

 最初の滑空状態は、腰前面の装甲を外したところにスタンドを取り付けています。

 このあたりは、なんとも詰めが甘いというか・・


 4種を並べて。

 バランス的には、陸・海・空3体のアニマルと人型1体でいい塩梅だと思います。

 そんななかでも、やはりアームズギロテッカーが異彩を放っていますが。

 

カスタマイズ


 手軽なカスタム要素がウリなので、とりあえずそれぞれ2体使って簡単に組み換えに挑戦してみます。

 まずはガレオストライカーとソニックイーグリットを使って、

  グリフォンタイプ。

  まぁ安直ですが、だからこそ無視できない組み合わせでしょう。

  付属のカスタム用ジョイントを介して、ガレオストライカーの背中にソニックイーグリットの胸部および翼を取り付けています。


 続いてデュアライズカブトとアームズギロテッカーを使って、

 なんだろう? ポセイドンとかネプチューンとか、人の上半身に海洋生物の下半身が付いてるイメージ。

 まぁ、ほぼデュアライズカブトの腰に頭を取ったアームズギロテッカーの全身を繋げただけですが。案外まとまった印象です。

 なお、デュアライズカブトの脚部はそのまま後方に折りたたんでバックパックっぽくして、靴を外したところにアームズギロテッカーのキャノン砲を取り付けています。

 4体揃った絵図らはなんとなくエルドランシリーズとか、戦隊モノっぽい? 

 4体合体の大型ロボットとかにも挑戦したいですね。いずれ(笑)。


 以上、“アニマギア” でした。


 なんというか、すでにある色々なものの要素を寄せ集めた感のあるシリーズで、ともすれば大陸的な臭いすら漂ってきそうなシリーズですが(笑)、そこはさすがバンダイ、わずか400円足らずのアイテムにこれだけのボリューム、プレイバリューを詰め込んでくるのだから怖ろしいです。

 いやぁ、箱を開けたらランナーが6枚も入ってるのには正直驚きました。食玩でこれだけ作り応えのあるものってそうそうないでしょう。

 最近だと同じバンダイから “ねこぶそう” というシリーズも出てました(そちらも買いました)。それもけっこうなボリュームでしたが、確かもう少し高かったはず。

 ねこぶそうは、文字通りねこに武装するという斬新(笑)なシリーズで、そういう意味では他にはない独自要素があったわけですが、大まかなキットとしての性格は今回のアニマギアと共通しています。

 ただ、今回のアニマギアに独自要素はほぼありません。そこはもう割り切ったというか、開き直ったような感じですね(笑)。

 僕みたいに節操のない人間は、むしろ似てるからこそつい手を出してしまうくらいの軽い感覚ですが、実際に真似られた側はどう思うのかなぁ?

 まぁ、模倣(パクリともいう)ではありますが同じ土俵には上げていないので、そこは許容範囲といえるのかもしれません。

 このテの食玩アイテムの対象は基本的に小学生以下のお子様でしょうし(誰が言ってるんだww)、ここからこういった組み換え遊びに興味を持ってもらって、徐々にハイターゲットのアイテムに目を向けていってもらえればよいのかな。

 ただ、仮にこれがヒットしたとして、調子に乗って30MMの動物モチーフ版を出してきたりしたらバンダイもいよいよアウトだとは思いますけどね(笑)。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。