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GARAGE FLOW

安易に使われるエレクトロタップ

2019.09.22 01:00

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。



今回は 「とある車」の「とある作業」にて。

上の写真は、ディーラーさんによる 純正オプション品の結線部分です。

多くの自動車電装は、大抵こういったエレクトロタップで結線されています。





フタを開くとこんな感じになっています。





しかし この結線方法、配線へのダメージが大きいわ、結線不良が起きやすいわ、見た目が悪いわ、整備性が悪いわで、まるでいいことがありません。





何らかの事情(お客様からの要望、一時的な暫定措置、急いでいる)などの場合にエレクトロタップを使用するのは否定しませんが、通常はそうじゃない。

エレクトロタップは「あくまでも簡易施工」で「それが普通ではない」というのが持論です。

今回は ウチの作業にも絡むので、しっかりとハンダ施工。




一度エレクトロタップで配線を傷つけられた場所は補強する必要があるし、傷口を補強して別箇所に結線すると配線傷が増えるので、今回は同じ場所に半田付け。




でも、理想の結線箇所はね、、もっと奥なんですよ。




上の写真の赤丸部分には、下の写真のようなクリップで固定できる結束バンドがあります。

これを車体に挿して固定するから、その付近は配線は振られない。

車が悪路を走ろうと、整備中にコードを引っ張ろうと、結線付近が安定していれば、それだけ不具合リスクが減らせます。



できれば、上写真のクリップバンドを一旦外して、クリップバンド固定部で結線できればベスト。

ですが、あまり奥過ぎると 工具が入らず作業ができないので、新規インストールの場合は配線の返し(後年の整備用に、配線を数cm余らせる)が取れる、ちょうどいいところで作業しています。


エレクトロタップ施工できる場所は、ほとんどがカプラー(写真のグレープラスチック部分)に近く、断線すると補修が困難です。




ともあれ、今回は上手くエレクトロタップの損傷をリカバリーできました。

これで、後年どこの誰が同じ箇所を施工しても 不具合リスクは格段に減っているはずです。




エレクトロタップで 安易に配線を傷つけるのは簡単ですが、リカバリーは結構手間がかかります。