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「宇田川源流」【土曜日のエロ】 性交渉は労働なのかという「出張中の性交渉」に関する興味深い判例

2019.09.20 22:00

「宇田川源流」【土曜日のエロ】 性交渉は労働なのかという「出張中の性交渉」に関する興味深い判例

 今週も土曜日がやってきた。今週は16日月曜日が「敬老の日」ということで休みであったことからどうも調子が狂う。来週も23日が秋分の日ということであるから、また同じような状況になるのではないか。そのように考えた場合、九月はなかなか調子が元に戻らないという感じになる。

実際に季節の変わり目はあまり体調がよくない。そのためにあまり仕事をキュウキュウに入れないようにしているのである。そのためになんとなく余裕がある仕事になっているのであるが、実際に体力的にはさすがに年齢的にも昔のようにはいかないと感じているところである。

さて、昨日のブログにもあったが、今週は木曜日から京都に明智光秀の講演ということで出張である。そのために、この土曜日までのブログは事前に書いたものを出しているのである。そのために、この前半部分の「今週はこのようなことがあった」などというようなことを書くのがなかなか難しい。まあ、かなり難しいところではあるが、まあ、ある意味でピンチはチャンスであり、そのチャンスをどのように生かすかということになる。常に自然体でいることこそ重要なのであるが、まあその辺のところをどのように考えるのかが重要ということになるのではないか。

さて、今週のエロは、「性行為は労災になるのか」ということである。

出張中セックスで死亡は「労災」 企業は賠償せよ=仏裁判所

 パリの裁判所は11日、出張中に見知らぬ女性と性交渉をした男性が心筋梗塞で死亡したことをめぐり、この男性が勤めていた企業に賠償責任があるとの判決を出した。

 裁判所は、男性の死を労働災害と判断。遺族は雇用主に損害賠償を請求できるとした。

 企業側は、この男性は女性のホテルの部屋に招かれた際、業務には当たっていなかったと反論していた。

    出張中は全て会社の責任

 判決で裁判官は、フランスの法律では出張中の出来事は全て、雇用主の責任となるとした。

 裁判でクサビエ・X氏とされたこの男性は、パリ近郊で鉄道サービスを提供するTSOでエンジニアとして働いていた。

 X氏は2013年、フランス中部への出張中にホテルで亡くなった。TSOは、この死を「赤の他人との婚外関係」によるものだとしている。

 しかし、公的健康保険を取り扱う業者がX氏の死を勤務中の事故と認定したため、TSOが提訴した。

    シャワーや食事と同じ

 保険業者は、性行為は「シャワーを浴びたり食事をするのと同じ」、普通の活動だと主張。パリの控訴院はこの考えを支持した。

 判決では、出張中の従業員はいかなる状況にあっても、「任務に当たっている期間を通し」社会的保護下にあるとしている。

(英語記事 Firm liable for business trip death during sex)

2019年09月12日 BBC

https://www.bbc.com/japanese/49671528

 さてパリの裁判所で9月11日の判決であるという。

いや、旅先で「売春婦」または「行きずりの女」と性行為をして、その中で心筋梗塞で死亡した場合、その行為は「生活のための必要要件」であり、労災の範囲内になるという。まあ、非常に素晴らしい判決が飛び出した。つまり、出張中に、女と性行為をしてけがをしてもそれは労働範囲内の行為であるということであり、また、その女と事故があったとしても会社の業務範囲内であるというのである。

まあ、日本の場合、ちょっとおかしな裁判官がいて、その裁判官がトチ狂って変な判決を出す場合は少なくない。しかし、その判決に関しては日本の場合高等裁判所その次に最高裁判所において是正されることになっている。まあ、地方裁判所などで似たようなものがあったとしても、それは社会一般の感覚とは著しく異なるということになるので、その場合は、高裁で判決が変わるということがある。以前に、テレフォンカードの偽造は有価証券に当たらないとして無罪になった千葉地裁の判決があったが、それは、やはりすぐに高等裁判所で是正されたのである。

さてフランスの場合はそうではない。何しろ「控訴審裁判所」つまり日本で言う高等裁判所において、「性行為は業務の範囲内で労災を適用すべき」という判決が出たのである。いやさすがに驚いた。

 保険業者は、性行為は「シャワーを浴びたり食事をするのと同じ、普通の活動だ」と主張。パリの控訴院はこの考えを支持した。

 判決では、出張中の従業員はいかなる状況にあっても、「任務に当たっている期間を通し」社会的保護下にあるとしている。

<上記より抜粋>

 つまり、フランス人にとって(さすがに日本人にこの判決ができようされるとは限らない)、性行為はシャワーや食事と同じつまり「生活や毎日の業務を円滑化させていく為の必要最低限な人間としての営み」であるということを言っているのである。まあ、確かに人間として必要な営みであるが、それがそのまま「売春」であるというのはなかなか難しい。

ちなみにフランスの場合は「売春防止法」という法律はなく、「買春防止法」になっている。つまり身体を売った方(女性とは限らない)、今回の場合は女性が金をもらっていた(心筋梗塞であるからもらったとは思えないが、事前にもらっていた可能性はある)場合といえども、その女性は処罰されることはなく、買う側つまり、この場合は心筋梗塞で死んだ男性が「女性を買った」ということで、処罰されることになる。まあ、その金銭が「性行為の対価」ではなく、例えば帰りの交通費の補助とか、あるいは何らかのデートでの買い物である場合は、処罰されないとされているのである。

つまり「性行為をすること」に関してはかなり寛容な文化がフランスの中には存在していて、その寛容な文化が、「生活の必要条件」として「性行為」ということが「食事と同レベル」で存在するということになるのである。

逆に言えば、老人にあれば食が細くなり、徐々に食べなくなったり食事を抜いたりするのと同様に、年齢や体調によって性行為をしないことはそれは本人の自由である。しかし、フランスの場合は、それが「労災の範囲内」ということになれば、例えば「残業」の場合「食事手当」などと同時に「性行為手当」が出るのであろうし、また、SMなどが趣味で、けがをした場合は、その怪我も「労災」の範囲内になる。まあ、「結婚手当」がその内容に当たるのではないかといわれれば、その中に含まれるのかもしれないが、このように拡大解釈をすれば「性行為」が「生活の一部」として様々な補助の対象になるフランス政府の姿が浮かんでくるのではないか。

まあ、ある意味で「うらやましい」状態であるということが言えるような気がする。日本もそれくらいになってくれれば、それはそれで少子化対策になるのかもしれない。