ハワイ大学 評議員が、Kia'i (protector 保護者・保護派 )への支持を表明
9/15 Star Advertiserに掲載された記事。
ハワイ大学 評議員が、Kia'i (protector 保護者・保護派 )への支持を表明しています。
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By Kevin Dayton
Sept 15 2019
ケビン ダイトン
2019年9月15日
"HILO >>University of Hawaii regent Alapaki Nahale-a declared his support for the activists who are blocking Mauna Kea Access Road during the midday protocol on the road Saturday, telling an audience of about 300 opponents of the Thirty Meter Telescope that “every time I come up here, I’m reminded of what’s possible if we live aloha and aloha aina.”
ヒロ≫ハワイ大学評議員 アラパキ ナハレア氏は、マウナケアアクセスロードを封鎖している活動家たちへの支持を表明した。彼は土曜日、正午のプロトコール(伝統儀式)において、約300名のTMT反対派 (注: 保護派) の聴衆に対し、「私は、ここへ来るたびに強く思うのです。もし、私たちがアロハの心で生き、大地を愛したとき、どんなことが可能となるのだろうかと。」と話した。
“As I come down the line today, I realize that sometimes you gotta pick a side, and today, formally, I take your side,” Nahale-a told the crowd as he stood at the centerline of the access road.
「今日、このライン (注: 保護派が封鎖する道路)にやって来たときに、わたしは気づきました。時として、どちらか一方を選ばなければならない。そして今日、正式に、私は、皆さんの側を選びます。」ナハレア氏はアクセスロードのセンターラインに立ち、大勢に向かってこう告げた。
Nahale-a, a former chairman of the Hawaiian Homes Commission, said he initially supported the $1.4 billion TMT project as an initiative that would advance science, create jobs and help fund education for Hawaiian children.
ナハレア氏は、ハワイアンホームズ委員会の前委員長であり、14億ドルのTMTプロジェクトが、科学の進歩、雇用の創出、ハワイの子どもたちの教育資金援助をもたらす取り組みであるとして、当初はプロジェクトを支持していたと言う。
But Nahale-a said in an interview he reconsidered after repeatedly visiting the protest site, sometimes with his family.
しかし、ナハレア氏は、何度も繰り返し、時には家族と共に、抗議現場 (注: 保護現場)を訪れるうちに考え直すようになったとインタビューで語った。
“Every time I come, it’s loving, caring, it’s what I know Hawaii needs to move towards,” he said, standing near the protest camp. “So, this is more important to me than lots of things, including the progression of TMT. This, what’s happening here, needs to be cherished.”
「ここには、常に愛があり、思いやりがあります。ハワイが前進するために必要なのは、こういうことだと思います。」 彼は、抗議キャンプ (注: 保護キャンプ) の近くに立ち、そう話した。「ですから、このことが、TMTの推進を含めた様々なことよりも、私には重要です。ここで起こっていること、それを大切にすることが必要です。」
The 12-member board of regents is the governing body of the University of Hawaii system, and Nahale-a’s announcement puts him at odds with many in the UH system.
12名の委員で構成される評議委員会は、ハワイ大学の管理組織であり、この発言によって、ナハレア氏は大学組織の多数派と争うことになるだろう。
The university leases and controls the public land on Mauna Kea where 13 observatories already have been developed and where TMT is slated to be built, and UH-Hilo applied for the conservation district use permit that the telescope needed to proceed.
すでに13台の天文台があり、TMT建設が予定されているマウナケアの公用地は、ハワイ大学が貸しだし、管理している。そしてハワイ大学ヒロ校が、天文台建設に必要な保護地区の使用許可を出したのだ。
Opponents of the telescope consider it a desecration of a mountain that many Hawaiians consider sacred, and say they will not allow the telescope to be built.
Supporters of the TMT say the sponsors of the project spent a decade obtaining the necessary government approvals to move forward, and now the project has a legal right to proceed.
反対派(注: 保護派) は、天文台建設は多くのハワイアンの聖地である山への冒とくだと考え、天文台建設は許さないと主張する。一方、TMT推進派は、プロジェクト主催者は、建設に必要な行政認可を得るために十数年を費やしており、現在、建設を進めるにあたっての法的権利を得ていると主張している。
Others who have publicly sided with the protesters include state Sens. Kurt Fevella (R, Ewa Beach-Iroquois Point) and Kaiali‘i Kahele (D, Hilo), who have both said the TMT should relocate to its second-choice site in the Canary Islands.
他には、州議会上院議員のカート フェヴェラ氏(エワビーチ-イロクォイポイント)とカイアリイ カヘレ氏(ヒロ)が、反対派(注: 保護派) への支持を表明しており、どちらもTMT建設地を2番目の候補地カナリア諸島に変更するべきだと主張している。
U.S. Rep. Tulsi Gabbard also has said she does not understand how the project can proceed without addressing deeper concerns raised by the protests.
合衆国下院議員のトゥルシー ギャバード氏も、プロジェクト側が、反対派 (注: 保護派) たちが訴える懸念に深く向き合うことなく、どうして計画を推し進められるのか、理解ができないと話している。
Activists demonstrating on the access road have raised issues ranging
from Hawaiian sovereignty and self-governance to environmental preservation to preservation of Hawaiian language and culture.
アクセスロードでのデモ活動により、ハワイアンの主権と自治の問題から、環境保全、ハワイ語とハワイ文化の保護に至るまで、様々な問題が浮き彫りとなった。
Nahale-a represents the island of Hawaii on the board of regents, and said he never had an opportunity to vote on the project. He said he took a second look at the TMT plan after it was rejected by Hawaiian elder and protest leader Pualani Kanakaole Kanahele.
ナハレア氏は、評議委員会ではハワイ島の代表だが、これまでプロジェクトに関する評決の機会は一度も無かったと言う。彼は、ハワイアンの長老で反対派 (注: 保護派) のリーダーであるプアラニ カナカオレ カナヘレ氏がTMT建設計画を拒否したことで、この計画を見直すようになったと語った。
“I don’t think it was OK that we just go past someone like Auntie Pua and find other folks who say it’s OK,” Nahale-a said of the process that led to approval of TMT. “I get that that’s the process that we have, but that process was not adequate for who we should be as Hawaii.”
「私は、アンティプアのような人を無視し、オッケーを出してくれる他の誰かを探し出すようなやり方が良かったとは思いません。」ナハレア氏は、TMTの認可取得のプロセスについて異議を唱えた。「今あるのは、そういうプロセスだったと私は思います。しかし、ハワイ人である我々にとって、そんなプロセスでは不十分です。」
“Just because it’s scientifically sacred doesn’t mean it’s OK to sacrifice environmental and cultural sacredness,” he said. “To dismiss the number of people who’ve gotten behind this movement as uninformed, or lawless or somehow uncaring, it’s not only ignorant, it’s offensive.”"
「科学的に神聖だという理由だけで、環境や文化の神聖性を犠牲にしてもいいということにはなりません。」と彼は言う。「無知だとか、不法だとか、どういうわけか配慮がないとか、そういった理由で、この動きから遅れをとらさせてきた人たちを排除するというのは、無礼というだけでなく、侮辱です。」
【補足説明】
原文では、"protester" (抗議者・反対派)と表現されていますが、本来は、"protector" (保護者・保護派) であり、保護派に反対の意図は全く無く、保護キャンプという認識をしていることを知っていただきたく、注釈を加えています。
またTMT推進派は、ハワイ文化の継承者代表と認識されているクプナのアンティ プア(プアラニ カナカオレ カナヘレ氏) ではなく、ランダムにTMT側につくハワイアンを文化継承者代表とし、ハワイアンもTMTに賛成しているとした経緯があることも合わせてお伝えします。
翻訳: 三田村清美
Translator : Kiyomi Mitamura
【 出典元 】