No.945 杉の内谷 中央滝
2019.9.16
メンバー:IK,SK,KH
天候:快晴
気温:21℃~28℃
今回は久々に会山行の日程が組めたので、昨年から気になっていたS谷を提案。
インヤンさんから情報を頂き、S谷の大滝2本を遡行&下降する計画とした。
今年は雨で思うような沢山行ができていなかっただけに、この山行への想いは日に日に強まる。
前日21時頃
入渓地2.5km手前の橋に到着。
IKは数日前から頭痛があり調子が悪そう。
仲秋の名月(9/13)直後の月明かりに照らされ、適度なアルコールを摂取。
翌日に備え、早めに就寝した。
翌日6時に橋を出発。
一部未舗装の悪路でプリウスαの底を打ちながら、入渓地まで車を上げた。
6時30分に入渓地に到着。(車数台の駐車スペースもあり)
入渓地は花崗岩の巨岩が並び、植林も伐採されているので明るい。しばらく進むと杉林が続き薄暗い渓相。
分岐分かれてすぐの7mのスラブ滝を登り、軽くウォーミングアップ。
入渓から1時間程進むと、倒木ポイントに着く。
倒木を抜け、上部を見上げると中央滝の全貌が現れた。
目測で高低差約100mか?
下部は緩いスラブなので登れそうに見えるが、プロテクションがとれなさそう。
ドリル&ピンを車に置いてきたことが悔やまれる。。。
まず、右岸ブッシュ沿いをIKにリードしてもらい、SKがマイクロトラクションを使用しランナー回収、最後尾KHが滝芯を登る。
水量が少ないのでヌメリを警戒していたが、キャニオニア3のフリクションはバチ効きで1P目はリードしても問題なし。
2P目も同じシステムで登る。IKがハーケンで支点構築し、KHは滝芯を登ってみる、1P目より傾斜が増し、手がかりなしのツルツルスラブだ。リードは難しい。浅くフレアしたクラックがあるがナチュプロもハーケンも取れそうにない。
3P目はKHリードで右岸沿いのスラブ&ブッシュ帯を登る。スラブは一旦緩くなるので問題なく登れる。後半20mは傾斜が強くなりツリークライミングだ。滝芯の方を見ると壁になっていて登れそうにない。左上し立木でピッチを切る。
4P目KHリードで立木地帯を直登してみる。登り始めると直ぐに2mハングの壁が待っている。1カ所ボルダーで抜けれそうなフレアした割れ目があったのでザックを降ろし試みるが手がかりなく断念。
一旦戻り、上部の壁を巻くために左へ10mトラバースしてみると、スラブ壁がありその上10mにブッシュ帯が見えた。
ブッシュ帯は上部まで続いているように見えたので、ここが最後の核心だとクライミングシューズに履き替えリード。
乗り込みが緊張するスラブであったが、無事ブッシュ帯に到着。
メンバーみな一安心し、ギアを整理しコンテで進むこととした。
このままブッシュを巻いて、右上すれば滝の落ち口に着くと思っていたら、岩小屋が出現。
簡単に巻けるだろうとと左右を見てみると、これが大きな岩壁であることが判明。
時間的にも一瞬、撤退という2文字が頭に浮かぶ。。。
岩小屋で小休憩を取り、作戦会議をした。
作戦はこうだ!
地形図から見て、この岩壁はおそらく50m程続き、その上部は稜線までブッシュ帯であると推測できる。
ここが最後の壁であると信じ、岩小屋右方の壁に付いているプアな植物達を頼りに進んでみることに決定。
行き詰れば懸垂で撤退。
気合いを入れ再出発。
わずかな、草、根、ズルズルのコケを泥臭く使い、なんとか上部ブッシュに到着。
直径3cmの根付いていない根っこに、アブミを付け登りあがったところが核心だった。
そこから10分程上がるとすぐ右側に沢が緩く流れているのが見えた。
あそこが滝頭か!と興奮するのと同時に撤退せずに良かったとの安堵を感じる。
インヤンさんの情報通り、分岐直下に滝の落ち口がある。
IKに確保してもらい滝の下を見ると、50m下に樋状に流れているのが見えた。下部から見えていた滝頭はあそこなのか?
時間も押していたので、足早に稜線を目指す。
下山コースに近い右俣をchoice。
稜線直下まで荒れずに緑豊か。水流もあり、ノーロープで登れる程良い小滝が続き、とても気持ちのいい沢だった。
稜線に出ると、涼しい風が流れ、気持のよい稜線を歩く。
主尾根を降り、17時入渓地へとたどり着いた。
使用資機材:50mクライミングロープ、30mスタティックロープ、カム、ハーケン、クライミングシューズetc
※ドリル&ピンは今後持って行った方がいいだろう。
今回下降する予定であった、右滝にまた機会を見つけ行ってみようと思う。
今回の丁寧かつ詳細な情報を頂いたインヤンさんに、改めてお礼申し上げます。
ありがとうございました。