声を出して 22
怒ってはいけない
最初っからスンジョ君が一緒にドレス選びを普通にしてくれるとは思っていなかったし、面倒臭そうに嫌々付いて来る事も予想出来たはず
おばさんが言っていたっけ
『結婚式は花嫁さんが主役よ。ハニちゃんがいいと思ったら、そのドレスにしたらいいのよ。』
明日、一人でお金を納めに来ればいいよね、試着もしたのだからサイズはあっているから あとは指輪・・・・・
「ねぇ、スンジョ君。結婚指輪を見に行かない?」
「・・・・・・」
スンジョはうんともすんとも言わず、黙って運転を続けていた。
帰るとも、行かないとも何も言わないから、結婚指輪を決めるのは嫌ではないと思った。
「指輪はスンジョ君も行かないと決められないよ。」
「・・・・・・・・」
「ねぇ・・・・・」
「・・・・・・・」
「何か言ってよ・・・・・・」
やだな、結婚する前からこんなんだと
元々、スンジョ君が買い物に一緒に行ってくれることなんて望めない性格だと判っていたじゃないの。
スンジョが地下駐車場に車を入れると、どこに行くのか判らず不安になった。
ドレスの店を出てから、もしかしたら家を出る時から何か不満があったのかもしれない。
スチャンの会社から車を借りて来た時は、いつもと変わらずニコリともしない顔だった。
「ここから歩いて家に帰れって言う事?」
「降りろ。」
「降りろって・・・・ここはどこなの?おじさんの会社の地下駐車場じゃないよね?」
「ごちゃごちゃ言っているな!!指輪を見に来たのだろ?店から一番近い駐車場だ。」
「スンジョ君・・・・・・」
嬉しかった。
まさか指輪を決めるのも、私が時間をかけ過ぎるから嫌だと言って家に帰ると思っていた。
「声を出して言ってくれるスンジョ君じゃないし、これからも声に出して私に伝えてくれないと・・・」
ハニの話が終わらないうちに、スンジョは車を降りてハニが降りて来るのを待っていた。