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日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ

「人民元の為替ルートは決壊するだろう」と、筆者は2013年頃から早々と予測してきたが、いまや中国の金融専門家のほとんどが口を揃え始めた。(3)

2019.09.19 00:10

 <真の「中国リスク」とは、何か> ・長江を挟んで上海の対岸に位置する江蘇省南通市。15年秋、川沿いの地域からは人けが消え、飲食店や売店は軒並みシャッターを下ろしていた。民営造船会社の南通明徳重工が経営破綻し、地方からの出稼ぎで8000人いた従業員は8月末までに全員いなくなった。残ったのは、廃村のような風景だ。  世界最大の4割近いシェアを誇る中国の造船業を一足早い厳冬が襲う。15年1~9月の新造船の受注は前年同期に比べ7割減った。過剰設備を抱える産業の代表格となり、銀行も融資に及び腰だ。高利貸しに手を出す会社も多く、経営破綻が相次いでいる。 ・しかし、いま我々が「中国リスク」として目をこらすべきなのは、「中国指導部は目先の景気を下支えする力量はあるが、中長期にわたって持続可能な安定成長を保てるかどうかには疑問符が付く」という点ではないだろうか。  中国共産党の一党支配は、世界からみても強固で精緻な体制であることは間違いない。とはいえ、英国の歴史家アクトン卿がいうように「権力は腐敗する。絶対権力は絶対に腐敗する」。  中国の体制は多数の政党による選挙や自由な報道を欠き、権力に対する監視やチェックが働きにくい。頼るのは自浄作用だけだ。 <●●インターネット情報から●●> ウィキペディアWikipedia(フリー百科事典)より引用 鬼城 (地理学) 鬼城(きじょう、拼音: Guǐchéng グェイチョン)は、ゴーストタウン(英語: ghost town)を意味する中国語。 本来は、元々住んでいた人々がいなくなった廃墟や死の町を指すが、現代中華人民共和国では、特に投機目的の不動産投資と開発運営事業の失敗により完成しないまま放置されたり、人々が入居する前に廃れた都市や地域を指す表現として使われている。 (実例) 鬼城は具体的には、杭州市郊外の天都城、内蒙古自治区のオルドス市の康巴什新区があるが、実際には中国各地に同様の鬼城(ゴーストタウン)があるとされる。オルドス市の新興住宅地は100万人都市として計画・開発されたものの、2011年2月の報道では実際に居住しているのは3万人程度で、それにもかかわらず平米あたりの住宅価格は、上海市並に高騰していると伝えられた。 2013年7月18日の広東省の週刊経済紙『時代週報』の記事は新たに問題化している鬼城として内モンゴル自治区のオルドス市、清水河県、バヤンノール市、エレンホト市、河南省鄭州市鄭東新区、鶴壁市、信陽市、遼寧省営口市、江蘇省常州市、鎮江市丹徒区、湖北省十堰市、雲南省昆明市呈貢区を例に挙げている。 また、世界最大のショッピングセンターを目指しながら「鬼城」化した巨大ショッピングモールの例として広東省東莞市万江区の新華南モールがある。 『中国大動乱の結末』 混乱が止らない経済・政治・社会を現地から驚愕レポート 邱 海涛  徳間書店  2016/10/29 <農業国家> ・そのうち農業に携わる人口は3億1000万人で、中国産業総人口の50%を占めている。立派な農業国家であることは議論の余地がないだろう。 ・だから、中国はGDPの大きさを喧伝しているが、農村部の立ち遅れの状況が改善されないかぎり、真の経済大国になれるはずがない。 ・「この10年近く、農村はひどく荒廃してきた。多くの村には人の影がなく、家屋が倒れかかり草が膝まで伸びている。村がどんどん消えている。農村の廃頽ぶりは人を落胆させるほど凄まじく、故郷が失われようとしている。これから中国で何が起こるかはわからない。僕は心を痛めているのだ」 <「農民階級は私利私欲の塊」> ・これにはいろいろな説がある。中華人民共和国の成立後、食糧不足が深刻化したので、農村から都市への人的移動を制限するために設けられた制度だという説もあれば、近代化が立ち遅れる状況のなかで、社会主義国家を急速に建設するためには、安い労働力を大量に備蓄する必要があったという説もある。その説にも一理あるだろう。 <兵力供給源を確保> ・2つめの要因は、毛沢東が世界大戦の開戦に向けて軍事力を備えるためだったというものだ。これも十分に考えられるだろう。 ・中国は朝鮮戦争、ベトナム戦争に介入し、また中印・中ソ国境戦争も行っていた。8億の農村人口という豊かな兵力供給源が、中国の参戦をいつでも可能なものにし、世界大戦開戦へ向かうという毛沢東の狂気を支えた。 ・しかし、いまでも農村部の若者たちにとっては、軍への入隊が貧しい農村から脱出する唯一のチャンスとなっている。 <「城鎮化」に疑問の声がぞくぞく> ・いま、中国経済は崩壊寸前に差しかかっているといわれている。そこで、李克強首相は2014年2月、2020年までの国家的プロジェクトとして「城鎮化」計画を打ち出した。  城鎮化とは、李克強首相の経済成長戦略のもっとも重要な目玉政策の1つであり、改革路線が行きづまるなかでの窮地脱出策として練りあげられた。壮大な計画だといわれている。中心になるのは、農民を都市部に移住させることである。日本語でいう「都市化」のことだ。 <怪しい失業率統計と難しい失業登録> ・しかし、30数年経ったいま、深圳都市化の例はすでに時代遅れになり、中国農村問題の解決法としてはまったく当てはまらなくなっている。中国経済が深刻なほど悪化しているからである。  だいたい、都市に移り住んだ農民が何を収入源に暮らせるというのだろうか。  中国政府は毎年、失業率を公表しているが、その数字は怪しいと指摘する声が多く、あまり信用できないという見方が根強い。 ・民間では、実際の失業率は10~15%に達しているともささやかれているが、もっと悪いかもしれない。というのも、2億7000万人といわれている都会で働く農民工は、政府の失業率統計対象から外されているからだ。昔も現在もそのやり方がまかり通っている。 ・農民が夢の市民権を手にして都市部へ移り住んだからといって、安定したまともな仕事がもらえる可能性は少ない。働く場所がなければ、都市はスラム化する恐れが十分にある。  中国政府は新しい都市で、1000万人の雇用を創出することを計画している。しかし、中国では中学生を含めて毎年1000万人が卒業している。就職市場での競争は激しく、勝てるのは若者のほうだろう。 ・中国の民間企業の数は約1000万社で、中国の労働力の70%は民間企業で働いている。しかし、中国の調査会社の統計によると、民間企業の平均寿命はわずか3年前後と非常に短命である。 <少ない補償金> ・したがって、農地や家屋などの買取で、合計最大50万~70万元が支払われることになる。しかし、このくらいの額で上海のような大都会でマイホームを持つことは絶対に無理で、200~300万元の大金がなければ買えない。 ・家と農地を失って生活基盤が崩れる農民は、これから先、大変な地獄が待ち受けることになるだろう。 <公租房も民間賃貸も役に立たない> ・中国の住宅価格が高騰した背景には、多額の借金をしてでもマイホームを持ちたがるという中国人の特質にある。その大きな理由は、日本のように賃貸住宅仲介業が普及していないことだ。  中国に賃貸住宅がないわけではないが、日本のような1つの産業にまではなっていない。個人の大家が他人に部屋を貸すといったレベルで、公正公平なシステムや基準がなく、大家の気持ちしだいで契約の期間が縮められたり、家賃がいきなり倍に跳ねあがったりすることも多い。日本で入居者の権利が優先されるのとは大違いだ。 <ここ数年、日本では中国の報道について、かなり悲観的なものが目立つようになってきた。> ・さまざまな中国報道でも、内外で一致しているのが中国経済の落ち込みについてである。国内は経済の減速がますます目立つようになり、輸出入も低下の一途をたどっている。 <中国農業はアメリカ、日本より100年も遅れている> ・2012年5月、中国科学院中国現代化研究センターが「中国現代化レポート2012:農業現代化研究」という報告書をまとめた。それによると、2008年の時点で、中国農業経済はアメリカより100年も遅れているという。  2008年からすでに10年近くが経過しているが、中国農村部の状況はさほど変わっていないだろう。むしろ事情はさらに悪化していると思われる。出稼ぎで都会に来ている農村部の若者の9割が、貧乏で希望のない故郷には戻りたくないと思っている。 ・中国農業近代化の始まりは1980年からで、世界先進国より100年ほど遅れている。農業増加値比率、農業労働力比率、そして農業労働生産率という3つの基準を照らしてみれば、2008年までで、中国はイギリスより150年、アメリカより108年、日本とフランスより100年、韓国より36年遅れている。 ・報告書によれば、中国人1人当たりの可耕面積は、世界平均の40%、1人当たりの淡水資源は世界平均の33%、農業生産性はアメリカの1%にとどまっている。  たしかに、中国の国情はかなり厳しい。中国の国土は、面積は広いかもしれないが、現在では農業に適する土地は全体の10分の1にまで激減している。1人当たりの可耕面積はヨーロッパの3分の1、アメリカの10分の1、インドの2分の1しかない。土地のほか、水、鉄、銅、石油、天然ガス、アルミなどの資源も非常に少ない。 ・もっとも重大な問題は、水が足りないということである。1人当たりの水の使用量は世界基準の4分の1しかない。西安、太原、大連など約300の都市は水の供給が困難で、首都北京でさえ断水の日がたびたびある。  先の報告書では、農業の現代化を実現するためには、これから40年をかけて農業生産人口の3億1000万人のうち2億8000万人を都会に移転させなければならない。残った3000万人に農業をやらせれば十分だと提言している。 <2020年までに小康社会を達成> ・2012年11月に行われた中国共産党第18回党大会では、「2020年をめどに全面的な小康社会(いくらかゆとりのある社会)の建設を完成させ、GDPと都市部・農村部の1人当たり平均所得を2010年の2倍に引き上げる」という目標が宣言された。  2010年のGDPは約40兆元だったので、2020年にはGDPを80兆元まで伸ばすということだ。 <中国の食糧不足は深刻化> ・一方、中国の食糧不足はすでに深刻化している。  2016年2月23日、中国農業部は「ジャガイモ産業開発推進に関する指導意見」を公表した。主旨は小麦、米、トウモロコシに続いて、ジャガイモが2020年に第4の主食として中国人の食卓に上がるということで政府が正式に決定したものである。贅沢な食生活に慣れた都会人の多くにとっては、かなりショッキングな内容である。 ・一方、いままで「1人っ子政策」の実施によって、もう1つの大きな社会問題が起こっていた。それは、「黒戸口」と呼ばれる戸籍を持たない子供たちが大勢いることだ。その多くは農村部で発生している。労働力として男性を必要とすることから、女児が生まれると、捨てたり、売ったり、隠して育てたりする家庭がかなりあった。  捨てられた子は街で流浪し、売られた子は他人の家で暮らし、実父母と再会する確率は絶望的に低い。隠して育てられた子は、父母と一緒にいるのでまだましだ。彼らには共通点が1つある。それは戸籍をもらえないということである。戸籍がなければ、学校も行けず、仕事もできず、病気になっても病院に行けない。もちろん、結婚もできない。  しかし、「1人っ子政策」の廃止とともに、政府はようやく救済措置に乗り出した。「黒戸口」の全員に戸籍を与えようとしている。政府の調査では、戸籍を持たない子供の人数は約1300万人にのぼり、全人口の1%にも達しているという。おそらく実際はもっと多いだろう。 <深刻な水不足で黄河は断流> ・中国人1人当たり可耕面積が世界平均を大きく下まわるうえ、土の質が悪い田畑が多数で、農業灌漑用の水も足りない。これも食糧生産を大きく制約した原因といわれている。 ・降雨量が極端に少ないのが北方地域の特徴で、この気候が北方を水の少ない地域に変えてしまったのだ。だから、水資源が枯渇するのは主に中国北部地域に集中している。  一方、渇水がひどくなったのは改革開放が始まってからであった。工業・農業用水が急速に増えたためだ。そのため、黄河の水が枯れて海まで届かない「断流」現象がたびたび起こるようになった。 <離婚ビジネス大流行の背景> ・2004年、「中国式離婚」という長編小説がベストセラーになった。おそらく100万部以上は売れただろう。テレビドラマ化され、大勢の市民がテレビの前に釘づけになった。そのころ、離婚サービスを提供するビジネスが大繁盛した。あちらこちらに離婚斡旋会社が生まれた。私の友人もそうした会社を立ち上げ、大儲けしたそうだ。 ・離婚斡旋会社の仕事を簡単に紹介すると、離婚したいと思っている夫婦の双方から事情をよく聞き、関係修復が可能そうであれば、双方を説得して仲直りさせる。夫婦関係がもはや修復不可能なほど悪化し、そのまま維持しても双方の苦痛になる場合には、きっぱりと離婚させ、新しい人生をスタートさせる。そうしたアドバイスや各種手続きを行なっている。  このビジネスが大成功した理由は、これらの会社は貧しい庶民夫婦の離婚相談はほとんど受けつけず、金持ちの夫婦だけをターゲットにしているからだ。そして、建前としては「まずは仲直りを目指す」と言いながらも、本当は離婚するように仕向けて、分割された財産の数パーセントを報酬として双方からもらおうとする。その際、夫婦が納得する財産分割案をいかにつくり上げるかがポイントとなるそうだ。 ・中国の離婚人口が急増する背景には、「二奶(アルナイ)」という存在が大きな要因となっている。二奶とは中国語で愛人のことで、中国富裕層の男性が愛人にカネをつぎ込むのは当たり前のことになっている。どれだけ愛人を持てるかが男のステータス・シンボルだという意識は、いま中国人男性の間にかなり定着している。摘発された腐敗役人の90%は公金で複数の愛人を囲っている。日本でも中国の二奶に関する報道が結構ある。 <今度は離婚させないビジネスが繁盛> ・しかし、1年ほど前から、離婚業界に異変が起こった。これまでは離婚サービスを提供していたが、今度は離婚させないサービスも提供するようになったのだ。そして現在では、離婚サービスより、今度は離婚させないビジネスのほうが繁盛して利益も莫大だという。 <中国経済は40年も後戻り?> ・電力の使用量、鉄道の貨物輸送量および銀行の融資額、これらの3つのデータは、かつて「李克強指数」とよばれていた。李克強首相は就任当時、GDPなどの指標よりもこの3つのデータを見たほうが、中国経済の実態がわかると主張したことがあるからだ。 ・喬(中国国電集団公司の取締役会長)によれば、2015年の火力発電の電気使用時間は4329時間で、1969年以降で最低の記録となったという。2016年はさらに300時間減るのではないかと推測している。  その数字に筆者は驚いた。大ざっぱに計算してみよう。1年は365日、1日24時間だから、年間8760時間ある。4329時間とは、年間半分の時間にすぎず、残りの半分の時間については電気が使われていないということになる。  これがどういう状況か、ぴんとこない人がいるかもしれないが、喬が「1969年以降で最低の記録だ」と言ったことを理解すれば十分だ。 <春は二度と来ない> ・中国人民大学の著名な経済学者、向松祚は、多くの鋭い発言で社会から注目されている人物だが、最近、「中国経済はそのままでも決してL型の曲線(下降後に下げ止まり、その後は横ばいが続く)ではなく、さらに衰退し、悪化し続けるだろう」と発言している。また、中国経済にとって最大の危機はイノベーションがないことだと、ずばり指摘した。筆者はこの見解に大賛成だ。実体経済のない国は未来がないと思っている。 ・2015年の年末ごろ、中国社会科学院は、「メイド・イン・チャイナ(中国製造業)の新常態」と題した報告書を公表した。中国経済が失速している実態の深刻さを隠せずに伝え、現状の惨めさを「春は二度と来ない」「前門には虎があり、後門には狼があり」といった自虐的な表現を使うなど、強い危機感を表した。過去の強気一辺倒の姿勢はまったく見えなかった。この報告書の概要は日本でも紹介されたことがあり、中国専門家の間に波紋を広げたそうである。 <資産売却で国が救われるのか> ・BIS(国際決済銀行)は2016年9月18日、GDPの2.5倍にまで膨れあがった中国の債務総額について、「今後3年間で深刻な問題を引き起こす兆候である」との警告を発した。 ・総与信とGDPの差を算出すること(GDPに対する総与信ギャップ)で経済危機レベルを調べることができるが、その数値が10%に達すると危険状態に入るとされる。たとえば、アメリカでサブプライムローン危機が訪れたのは、総与信対GDP比率が10%を突破した直後であった。しかし、中国ははるかにその危険ラインを越えて、すでに30.1%にも達しているのだ。アメリカのサブプライム危機より3倍もリスクが高まっている。 <2017年は中国の生死を問う年になる> ・本書で述べたように、いまや中国は、国内でも海外でもさまざまな矛盾が顕在化し、経済、政治、社会における不安定さは日を追うごとに増してきている。筆者も、現在の中国は大胆な改革なしでは、いずれすべてが立ち行かなくなり、現在のシステムそのものが瓦解する可能性が高いと見ている。繰り返しになるが、2017年秋の党大会で習近平政権が大きな改革を成し遂げられるかどうか、それが今後の中国の運命を左右するといっても過言ではない。 『Newsweek 2017/10/24』 [中国崩壊本の崩壊カウントダウン    高口康太] 「出版」問題を抱えた中国経済は早晩破綻する――根拠なき崩壊論に訪れる曲がり角  「反中本」はなぜ生まれ、如何消費されてきたか ・曲がり角を迎えている最大の理由は、10年以上前からオオカミ少年のように「間もなく崩壊する」と言い続けたのに中国経済が一向に崩壊しないからだ。「崩壊詐欺」とも批判を浴びている。そして、本の売れ行き自体も低調になった。 <中国のGDPは公表値以上?> ・中国の経済統計が捏造されているとの指摘も定番だ。ただ統計制度の未成熟ゆえ、逆にGDPを過小評価している可能性もある。 <あと一歩で「反中本」作家に> ・私はこれまで中国崩壊本は書いたことがない。しかし、共著本の題名を『なぜ中国人は愚民なのか』に変えられ、反中本作家の仲間入りする寸前の経験をしたことはある。 {『崩壊』とは言っていない 予言したこともない} インタビュー:代表的著者の石平が明かす、相次ぐ「崩壊本」出版の裏事情 —―いわゆる「中国崩壊論」に対する批判が最近高まっている。現実と真逆ではないか、という指摘だ。 (石平)私の主張は「崩壊」というより「持続不可能」という表現が正しい。消費拡大を伴わず、公共事業と輸出に依存した、いびつな経済成長は持続不可能という内容だ。 (石平)書名は出版社の管轄だ。 ・(バブル経済崩壊で)日本も崩壊したが、日本人全員が路頭に迷ったわけではない。同様に中国経済もいきなりゼロになることはあり得ない。 —―中国崩壊論は10年以上前から続いているが、いまだにその兆しは見えない。いつがXデーなのか? (石平)いつ崩壊するなどと予言したことはない。持続不可能と指摘しているだけだ。ただし、誤算があったことは認めたい。 ・次の著書では自らの誤算と中共の変化について詳述する予定だ。 『中国バブル崩壊の全内幕』 2017年、習近平は失脚する 宮崎正弘 石平 福島香織  宝島社   2016/7/1 <予想を超える規模> ・中国の経済崩壊は誰の目にも明らかになっている。しかし、その崩壊ぶりは大方の予想を超える規模になりつつある。 <逃げ遅れた日本企業を待ち受ける地獄> <中国経済を見限った『FT(フィナンシャル・タイムズ)』> ・「貸付のペースは経済成長の4倍、債務の転がしが2017年党大会まで続くかもしれないが、すでに大量の失業、暴動の頻発によって習近平政権の権力基盤が崩れ始めている。このうえ経済の不安定化が続けば政権はますます不安定となるから、大量失業、業界再編の大ナタばかりか、銀行、大企業の倒産を認めるという路線へのシフトが早晩起こるであろう」  今さら言うまでもないが、中国経済に見切りをつける動きは今年、ゴールドマンサックスが先駆けとなり、以後は世界的規模で拡がっている。 <日本の直接被害は23兆円> ・出遅れたのはむしろ日本ではないだろうか。中国経済の大失速によって、日本はどれほどの被害を受けることになるだろうか。  日本企業が逃げ遅れた事由は指摘するまでもないが、これまでに直接投資としてトヨタ、日産をはじめ、およそ2万社近くが工場建設などに投じたカネは少なくとも1000億ドル(11兆円)である。円借款は3兆円強。日本政府がつきあいで保有する中国国債は6800億円。そして邦銀が中国企業(日本企業も含む)に貸し付けている残高が8兆4000億円。これだけの合計でも、2016年5月現在、23兆円強になる。 ・加えて日本人投資家の中国株保有という潜在的リスクも勘定に入れなければならない。これらは主に香港経由で、香港に上場されている「レッドチップ」(中国本土企業の株式)、そして日本の証券会社が組み立てて販売しているチャイナ関連の、無数の「投資信託」があり、投資額は数兆円に達している。なかには投資活動を中断した投資信託、解散した金融商品などがあり、個人投資家の損失も相当な巨額になるはずである。 ・さらに問題は中国国内で営業、販売をしている日本企業が売掛金の回収不能に陥り、倒産するところが目立ってきた。つきあいで社債を買わされたところも2015年来、社債のデフォルトが続いているため先行きは真っ暗である。  あまつさえ中国政府はご都合主義だから、国内の不満をすり替えるため、政治的タイミングを見計らって、またも「反日運動」を組織化する可能性は否定できない。  人為的暴動などによる日本企業の焼き討ちなど凶暴なシナリオも考慮に入れておく必要がある。十数年来、懸念されてきたチャイナリスクがいよいよ本格化する。 <ジョージ・ソロスの警告> ・世界一の投機家、ジョージ・ソロスは「中国は深刻な状態にあり、いずれ破局を迎える」と改めて警告した。ソロスは1月のダボス会議で「中国のハードランディングは不可避的である」と発言したばかりである。  2016年4月22日、ニューヨークで開催されたアジアソサイアティで記念講演に立ったソロスは、「銀行預金より貸し出しが多い」という初歩的な疑問から「中国が銀行間の貸し出しをしなければならない現状は『不安定』と『不確実』な状況をさらに悪化させる」とした。すでに第1四半期だけでも4兆6100億元(78兆円強)を市場にぶち込んだが、裏付けとなる国債を出したわけでもなければ短期政府証券を発行しているわけでもない。そもそも外為の相対取引はなかった(というより、外貨準備は同時期に大幅に減ったのだから、ドルと人民元の相対取引で国内に人民元を供給することはできない)。つまり「裏付けのない貨幣をばらまいた」ことになる。  2016年3月だけでも中国の新規貸し出しは2兆3400億元(邦貨換算=42兆円強)。主目的は不動産バブルを今一度煽るためであった。だから大都市の不動産価格が不思議なことに上昇したのだ。  国有銀行の抱える不良債権を表面化させない目的と倒産寸前の「ゾンビ企業」(死んでいるのに死んでいないふりをする会社)にカンフル注射を打ったわけだ。つまり、経済原理的な法則に立てば、人民元は大下落を免れないことになる。 ・第一の問題は中央政府、地方政府ならびに国有企業の債務である。2008年のリーマン・ショックを言い当てたジョン・タルボットは、「中国の債務は30兆ドル(3300兆円)だ」と指摘している。このうち企業債務はGDPの160%(1700兆円)。地方政府の債務は中国財務部の桜継偉財政相が公式に認めた額だけでも邦貨290兆円にのぼる(欧米のエコノミストは、360兆円と推測している)。  中国企業の債務に関連する日本企業はこれを危険信号と受け止めるべきではないのか。中国経済の今後の最大の問題は、債務をいかに解決するかにかかっている。というより解決不能、中国は次の「失われた20年」という氷河期に入るというわけだ。 <FRBに助け船を求めていた> ・情報の透明性が中国には決定的に欠けている。したがって2016年前半期は小康状態だろうが、以後、ふたたび大暴落がやってくるだろう。 <ハードランディングのインパクトは日本のバブル崩壊の13倍> ・中国経営報によると、5大銀行の不良債権率が急上昇しており、なかでも経営危機に近いのが中国農業銀行だという。不良債権は2129億元(3兆8000億円)にものぼる。上図に示した数字はいずれも公式発表である。実際はこの10倍と考えていたほうが理にかなっているが、今はそのことは問わない。  これら中国発表の数字は、西側専門筋の推測統計とは天と地ほどの差異がある。中国の発表はあまりに数字が少ないのだ。  もし中国経済が「ハードランディング」した場合、最悪でこれら債務残高のうち4割が不良債権化すると見られるから、邦貨換算で1320兆円もの不良債権が生じる。日本のバブル破綻の比ではない。日本のバブル崩壊による不良債権は100兆円だった。すなわち日本のバブル破綻の10倍以上の破壊力をともなう、史上空前のバブル経済大崩壊となるのである。 <生産コストを無視し、半値でも売る状況に> ・鉄鋼は生産能力が9億トン、2015年だけでも余剰在庫をダンピング輸出している。国際的には平均で1トンの生産コストが50ドルなのに対して中国は90ドル、それを半値で売る。1億トンは無理矢理売りさばくことができたが、その煽りでインドのタタが経営不振、韓国ポスコは倒産寸前、ベトナムの製鉄会社は倒産したほどに悪影響は計り知れない。石炭労働者の給料遅配は常識となり、炭鉱夫の数十万人がすでに解雇され、千数百の鉱山は閉山された。各地で激しい労働争議が起きている。 <中国が風邪をひいたら、周辺国は肺炎になった!> ・2016年になって、新しい不動産開発の件数は前年比で90%の落ち込みとなっている。したがって余剰建材、セメント、鉄鋼はダンピング輸出だが、余剰人員はどうするのか。それがかのAIIB、BRICs銀行(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)と中央アジアから中東を巻き込む陸と海のシルクロード構想である。露骨に言えば、海外へプロジェクトを輸出し、この余剰在庫を処分し、余剰労働者を派遣するという目論見、これでモノとヒトの在庫を処理してしまうという腹づもりだったのである。すでに悪影響は中国依存の高いアジア諸国に表れ、中国がこじらせた悪性の風邪で周辺諸国は肺炎になった。 ・今や、中国企業ですら、人民元安がくることを見越して外貨建て社債の前倒し返済にあてる企業が続出している。宝山製鉄はドル建ての短期債権38億ドルをそそくさと返済した。「人民元が強いうちに、そしてドルと交換ができるうちに!」という考え方からだろう。  中国政府は「人民元はこれ以上、下がらない。外貨両替を焦る必要はない」とプロパガンダに懸命だが、誰も政府の言うことを信用しない。 <膨大な公共債のツケ> ・さて問題は、この公共投資のツケである。たとえば新幹線は国家予算だけではなく、「鉄道債」でまかなわれた。当然だが、すでに鉄道債の償還時期を迎えている。地方都市の地下鉄は地方政府債券などでまかなわれたが、借金の返済が始まる。返すのは運賃収入である。それを当て込んでの予算措置が当然行われてしかるべきだが、その形跡はない。 <「一人っ子政策」をやめることになった> ・ここに人口動態の激変が次の経済予測を占う際に重要なデータとなる。人口ボーナス時期を越えた中国は日本より急激な老齢化、つまり人口減少時代を迎える。  このことに気がついた中国共産党は突如、一人っ子政策を緩和し、2014年から2人目の子供を生むことを奨励し始めた。 ・他方、労働人口においては、急速な少子高齢化により、「世界の工場」は今後成立しにくい近未来が見える。そのうえ矛盾するかのように大学生が年間700万人を超え、あまつさえ新卒学生にまともな就労先がない。