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シェーカーロッキングチェア

2019.09.19 02:02

世界的に有名になったシェーカー家具を作ったアメリカのキリスト教団体であるシェーカー教団(the Shakers)は、18世紀初頭にイギリスで発祥し、アメリカに渡った自由自足の信仰共同体で、全盛期の1850年頃には、19か所で6000人が暮らしていました。この教団のユニークな点は、創始者がアン・リーとういう女性であったこと、独身主義であったこと、他の多くのグループとは異なり20世紀まで教団が存続したことです。簡素(simple)であることが彼らの基本で、日常生活に使用するほとんどのものは手作りでした。ものを丹精込めて作ることは、彼らにとっては礼拝であり、また、祈りそのものでした。シェーカー家具の中では、挿し絵にあるシェーカーロッキングが特に有名です。この椅子は20世紀になって、北欧の椅子のデザインに影響を与えました。 「美は有用性に宿る」(Beauty rests on utility)と言った彼らの作ったものは、美しさに溢れています。簡素、有用、調和、美、規則正しさは、シェーカーの人々の仕事や生活のみならず、生き方や精神までも規定し、幸福にして充実した生を楽しみ、長寿をまっとうした人も多くいました。 外部とは接触はしないのが原則ですが、いつくかの品物を販売しており、椅子はその一つで、さまざまな大きさの椅子を販売していました。カタログには、「The Shakers’ Slat Back Chairs,with Rokers」(背貫付きの揺り椅子)と書かれ、No.0からNo.7まで、大きさの違う6脚のメープル製のロッキング・チェアが掲載されています。No.0は2~4歳児、No.1は4~8歳児が対象。他にも、背が背貫の代わりに布テープで編んだり、布貼りであったり、肘掛けが付いている椅子が販売されていました。