初めてクイズ大会に参加される方へ
【この記事は、競技クイズの大会に初めて参加される方に向けた解説です。少し長いので、知っているという方は読み飛ばしても構いません。初めての方は是非ご確認ください。】
こんにちは、きぐなです。
ボカロリスナーの皆さんの中には、クイズ大会への参加が初めてという方もいらっしゃることでしょう。ここではそんな方へ向けた話をします。
《はじめに》
視聴者参加型のクイズ番組が全盛期だった時代、クイズサークルやクイズ研究会と称した団体が登場し、クイズ番組を模した大会を有志で開くようになりました。その中で独自の進化を遂げていったのが「競技クイズ」です。本大会も、サークルで競技クイズを行うスタッフによるものです。
《大会の形式》
多くのクイズ大会は勝ち上がり方式で行われます。1ラウンド目のペーパークイズ(筆記試験)から始まり、ラウンドが進むごとに参加者が絞られ、ただ一人の優勝者を決めます。途中で敗退した方は、それ以降のラウンドでは観戦していただくことになります。
2ラウンド以降の形式は、主に早押しクイズです。「アタック25」などのテレビ番組で見られるように、問題文が読み上げられ、わかった時点で早押しボタンを押して答えるという形式です。押すとランプが光るあの早押しボタンを使います。
他にも、ボードクイズやビジュアルクイズなどの変わった形式で行われることもあります。
《問題文》
人によって文の書き方はまちまちですが、何十年と続く競技クイズの歴史の中で、標準的な問題の構文がある程度整えられ、分類されていきました。そこで、いくつかの典型的な問題文の形式を紹介します(用語を覚える必要はありません)。
例題には通常のクイズを用いて説明します。
●よくある問題文
ボカロクイズを使って説明してもよいのですが、ここでは答えが「伊藤博文」になる問題を使って説明します。
「日本の初代総理大臣は誰?」
これだけでも問題としては成立していますが、これでは早押しクイズとしてあまり使えません。問題文が短すぎ、解答者が答えをひらめく時間に差がつかないからです。
「日本において、最年少で首相を務めた人物は誰?」
このような問題文も考えられますが、この非本質的な情報だけで答えられる人は決して多くないでしょう。使われないことはないですが、これもあまり見かけません。
基本的に、問題文は前半の「前フリ」と後半の「後フリ(落とし・後限定)」から構成されます。前フリではあまり知られていない情報を入れ、後フリで有名な情報を入れます。伊藤博文を知っている人なら、最後まで聞けば答えられるようになっています。
「日本において最年少で首相を務めた人物でもある(前フリ)、日本の初代内閣総理大臣は誰でしょう?(後フリ)」
「1963年から86年まで発行された千円紙幣に肖像が採用されていた(前フリ)、日本の初代内閣総理大臣は誰でしょう?(後フリ)」
情報を入れ替えたり追加したりすることで、いろいろな問題文を作成することができます。長さも自由自在です。
「女好きとしても知られ、SLAVE.V-V-Rのボカロ曲『あのザコのポエムみたいなツイート、ゴミか!?』の歌詞では「伝説の出会い厨」を「現代の『彼』」と例えている(前フリ)、初代兵庫県知事を務めたのち(中フリ)、初代内閣総理大臣を務めた人物は誰でしょう?(後フリ) 」
●パラレル
いわゆる「ですがクイズ」のことを、競技クイズの用語では「パラレル」といいます。
例題:「日本一高い山は富士山ですが、世界一高い山は何でしょう?」(答え:エベレスト)
テレビ番組だったら「富士山……ですがァ~」と引っ掛けっぽく読むのですが、競技クイズではむしろ逆です。「日本一」と「世界一」が違う部分なので、「[日本一!]高い山は富士山ですが、」とキーワードを強調して読み、パラレルだということをわかりやすく読む方法が主流です(もちろん読み方も人それぞれです)。
まれに「3パラ」と呼ばれる、3つのフリがついたパラレルが出題されることもあります。
例題:「植物の科で、マツはマツ科、タケはイネ科ですが、ウメは何科でしょう?」(適当に考えたので問題の質は置いといてください……)
●名数問題
「世界三大珍味」「夏の大三角」などのように、同類のものをいくつか集めたものを「名数」といいます。名数に数えられるものを列挙して、残りの一つ(あるいは全部)は何かを答えさせるものを「名数問題」といいます。
例題:「世界三大料理に数えられる3つの料理とは、フランス料理、中華料理と何でしょう?」(答え:トルコ料理)
この例題の場合、3つの料理のうち比較的知られていないトルコ料理が問われています(トルコの方ごめんなさい)。このように、問われるものは他のものに比べて異質であることが多いです。
(ほかにもいろいろな細かい形式があると思いますが、代表的なものはこれくらいです、たぶん)
《最後に、一番重要なこと》
参加条件:ボカロが好きな人
以上!!!
「強い人が集まるだろうし、私なんかが行っても活躍できないだろうな……」「ボカロ歴長くないし、そんな詳しくないよ……」
そう思う気持ちはわかりますが、ボカロが好きな方ならどなたでも大歓迎です!難しく考える必要はありません!なんなら見学だけでもいいんです……!
「ご挨拶」の記事でも述べましたが、観客席から問題を聴くのも楽しみ方の一つです。ボカロに対する好奇心をくすぐる問題をお届けできればと思っていますので、ぜひ最後までご堪能ください。
例題を別の記事に掲載しておりますので、そちらも併せてご覧くださいませ。
ここまでお読みいただきありがとうございました。