練香で空薫を楽しむ
練香は、お線香よりも古くから日本にある丸薬状のお香で、あたためて香らせる「空薫(そらだき)」で用います。
練香は、柔らかな、とても心地よい香りで、お香の中でもイチ押しのスタイルなのですが…、
初めての方は、どうやったら良いか分からず、躊躇してしまうことが多いようです。
また、揃えなければいけないものも多いのでは…と、不安に思う方も。
そこで、いくつかご紹介しておきます。
🌱正統派「灰、炭を用いるタイプ」
こちらは、聞香炉で、灰、炭を使うやり方です。
「空薫、やり方」で検索すると、
ユーチューブで詳しい動画がアップされています。
百聞は一見にしかず。ぜひご覧ください。
正統派スタイルで必要なのは、
1.聞香炉
2.香炉灰
3.香炭団(または炭)
4.ライター
5.火箸(またはピンセット)
です。
聞香炉は、湯のみのような筒型の香炉です。
大きな香炉なら、普通のでも良いかもしれないのですが、平べったいのだと、灰の層が浅く、かなり熱くなってしまいます。
この「灰、炭スタイル」では、
100均にある、陶器の大きめの湯のみや、そばちょこに、灰を入れて代用することもできます。
ただ、ここで大事なのは、灰をヘラやスプーンなどで、しっかり固めること。
湯のみは、香炉のように足がついておらず、熱が下に伝わってしまう可能性もあります。
私の経験ですが、
ふわっふわの灰だと、熱が遮断されにくいようで、結構熱くなってしまいました。反対に押し固めておくと、熱が周囲に伝わりにくくなりました。
どちらにしても、「灰、炭スタイル」は、火を扱うのでご注意くださいね。
●ちなみに、灰は、ホームセンターなどの、お仏壇コーナーに「香炉灰」として売っています。
お線香用の灰として、珪藻土やクリスタルビーズのがありますが、そうではなく、「自然灰」をお使いください。
●炭は、「香炭団」「香炭」という名前で、アマゾンなどで買うことができます。
お焼香用のものは、少し炭の匂いがきつく感じます。十分熱したあとに、しっかり灰に埋めて、灰を温める形にすると抑えられます。
🌱お手軽 「アロマランプ風ろうそくあたためタイプ」
このタイプはいわゆる「アロマランプ風」で、下のろうそくの火であたためるもの。
最もおすすめは、以下のような、空薫用の香炉です。
こちらは、香楽式香炉。陶板に伝わるキャンドルの熱が、練香を最大限に香らせられるように設計されています。
この他、お茶の葉を香らせる「茶香炉」も、空薫に応用できます。
ただ、キャンドルと陶板の厚さや距離によっては、熱の伝わりが弱く、香りが広がらないこともあるため、工夫が必要です。
最も気をつけないといけないのは、
アロマランプ。
基本、水を入れて使うように設計されているため、空だきでは割れてしまう可能性もあります。このようなタイプは、避けた方が良いです。特に磁器は要注意!
🌱よく空薫するなら「電気香炉タイプ」
部屋香として、よく利用するなら、電気香炉がおすすめです。
「電気香炉」で検索すると、いろいろなのが出てきます。
沈香一種の繊細な香りを聞くタイプ、コンセントが取り外せるタイプなど、いろいろあるので、お好みに合ったものを選ばれると良いかと思います。
私は火を使わずに使えるというので、この電気香炉をよく使っていますが、
皆さまの生活スタイルに合わせて選ばれるのが一番です。
ぜひ、「空薫」で、心地よい香りに包まれてみてください🌿
(なお、当ワークショップで、練香作りに初めて参加される際には、少量ですが、炭と灰をお渡ししています。お気軽にご参加ください✨)