タイ サムイ島からパンガン島へ島渡り
さて、バンコクから移動の朝。まずは経由地のサムイ島へ向かう。
ちょっと前のロシアのプロペラ機がトラウマとなり、島を島を結ぶバンコクエアウェイズも小型機を覚悟していたんだけど、こちらはだいぶ安心感のあるしっかりした機体。
Ko SamuiからKo Panganへ。
「Ko」ってどういう意味?と前回の「Bang」と同じく疑問がわく。
どうやら「島」という意味らしい。
バンコクからサムイ島へ飛び、空港のないパンガン島へは船で上陸、というのが今回の旅路。
バンコクを飛び立ち小一時間でサムイ島につく。
サマードレスに頭の上にはサングラス、というザ・リゾート行きますって格好の欧米人のおははんたちの「オーマイゴッド!!ビューティフル!!!!!」という絶叫を辟易するほど隣に聞きながら無事に着陸。飛行機から見るサムイ島の海は確かにきれいだけども、大げさなんだよ、欧米おばさん。
と、一人旅は感情の基準値が低めなので静かに次の移動に備える。
バンコクからのアクセスもいいからか、サムイ島は観光客が多い。
空港は南国感を漂わせてゆったりしているけど、機能的で整備されていて上級観光地という感じ。
サムイ島の空港から乗り合いバスで港まで向かう。
公共交通機関が頼りない地域では乗り合いバスが大活躍していて、タイのリゾート島も同じく。
小さなバンに荷物みたいに詰め込まれて20分ほど走るとフェリー乗り場に到着。
フェリー乗り場はこんな感じでいかつい欧米系観光客であふれている。
サムイ島の空港まではいたかもしれないけど、ここまで来ると日本人どころかタイ人もあまりいない。どうやらパンガン島は外国人に人気の島みたい。
桟橋の周りはこんな風に漁船と思しき小舟がたくさん浮かんでいる。
船はとてもカラフルなのに空と砂浜と海の色に溶け込んでいて、全然うるさくない。
陽射しがとても強くて暑くて、そのせいかフェリーターミナルで待つ欧米人たちもおとなしい。
ようやく船が到着したので長い桟橋を歩いて船を目指す。
日陰ゼロ。
海の上を歩いてるような気分でじりじり焼いてくる太陽に耐えながら歩く。
フェリーの中でもリゾートへの意欲に溢れた欧米人のみなさんに埋もれる。
観光地の一人旅はなかなかテンションが上がりきれない。
ましてやテンション高い人たちに囲まれるとますます静かになっていくわたしの心。
フェリーの音を聞きながら波間を見ていたらパンガン島に到着。
海の上って海しかないから無になるにはおすすめ。
到着したらまた移動手段は乗り合いバン。
運転手に運賃を聞いて近くの何台かを比べて安いバンに乗り込む。
老若男女問わずぎゅぎゅうに詰め込まれ、宿泊先のホテルをそれぞれ運転手に告げる。
港では同じようなやり取りがそこらじゅうで繰り広げられていると発射する車やバイクの音で、普通のボリュームじゃあ全然聞こえないくらい周りがうるさい。
怒鳴るように運転手とか他の乗客と話していたらだんだん元気が出てきた。
アジアではアンニュイな気分になんか浸ってられない。
パンガン島は観光産業が主幹産業なので宿泊施設はほとんどがリゾートホテル。
今回宿泊する施設の入り口。
敷地がめちゃくちゃ広いから外に出なくても終日過ごせそう。
それにしてもこの電線たちとバナナの木はどこで見てもにぎやかだな。
全室がコテージ。
わたしの部屋からみた景色。このビーチも敷地内のプライベートビーチ。
オリーブかな。実がつやつやしててきれい。
敷地内はほどよくワイルドで木の匂いとか虫の声とかが近くに感じられる。
ここに来てようやく日本から遠く離れたとこにいる実感が湧いてくる。
こんな素敵なリゾート地に一人で乗り込んでくるやつはわたしくらいで、すべてペアで準備されている設備を持て余す。
もったいないからこの縁に両足乗っけて椅子ゆらゆらしながらお茶飲んだりして過ごす。
日が沈む前にビーチに降りてみる。
海はとっても静かで、水面に落ちていく夕陽をぼーっと眺める。
太陽は毎日上って沈んでしてるのに、わたしの生活ったら一年に数回も朝日や夕陽に会えないほどビルや乗り物の中。どうなっとんじゃ。
「太陽が燃えている」ってのはこんな感じだろうか、なんてぼんやり思いながら夕陽と解放感に痺れる頭の奥。太陽は一つしかなくて、この海も横浜の海に繋がってるのに日ごろの生活ではなんで深呼吸できないんだろう。
せっかく一人でここまで移動してきたんだから、ゆっくり心身休めよう。
と思いながら写真を撮ってたら、ビーチで突然知った顔に遭遇する。
「オー!マイ!ゴッド!」
と飛行機で心底うざいと思った欧米おばさんばりの決まり文句が口をついて出てくる恥ずかしの自分。テンション爆上がりだとやっぱこうなるのか。
予想外の再会については次回。
夜掛けの東京から喧騒のバンコク、欧米人だらけのサムイ島を経てたどり着いたパンガン島の旅はつづく。