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黒稜山岳会

北鎌尾根から槍ヶ岳

2019.08.24 15:00

【日程】2019/08/25-28
【メンバー】L村上 福山 N
【ルート】
1日目=上高地11:00---槍沢キャンプ場16:10(テント泊)
2日目=槍沢キャンプ場5:00---水俣乗越6:40---北鎌沢出合9:10---北鎌沢コル12:30---独標基部15:30(テント泊)
3日目=独標基部5:45---槍ガ岳12:30---横尾山荘17:50(小屋泊)
4日目=横尾山荘7:00---上高地9:45

【レポート】
 個人的には今日の夏の山行の2本目です。猛暑の北方稜線から戻って10日あまりなので何となく疲れが抜けきらない感じでしたが、また好きな所に行けるかと思えば気分はよい物です。私には10数年ぶりの北鎌ですが、Nの夏休みに合わせての計画で北鎌尾根末端から登ろうなんて考え、福ちゃんも加わって3人で出かけることに。しかし天候が悪く日程が縮まってしまったので北鎌沢から登り北鎌上部の縦走をすることにしました。二人には初めてなので十分に楽しめ味わえるよう尾根の途中で1泊する計画にしました。

 1日目:沢渡まで福ちゃんのノンストップドライビングで予想より早く着き上高地を11時出発しました。今日は槍沢のキャンプ場まで行きテント泊です。数日前の天気予想では今日は雨でしたが朝から良い天候になり気持ち良く歩けます。槍沢ヒュッテでビールを買い込み槍沢キャンプ場に16時過ぎ到着。日曜日でテントの数も多かったのですがちょうど良いスペースが1つ空いていました。小屋で見た天気予報では明日は晴れ、明後日は午前中晴、午後雨の予報でしたが明後日は12時までに槍の山頂と考えていましたので天候の問題は無いと考えました。

 2日目:3時起き5時出発。天気は確かに良さそうです。まず水俣乗越の登りで一汗搔いて天上沢に下りました。少し踏み跡を下ると右手のブッシュの中に道が続きます。ところどころ木を掴みながら下降を続け50mほど雪の残った斜面に下りました。

未だ朝早いので雪は硬く横のガレとの境を下って枯れた沢に入りましたが以前に比べてどうも荒れている感じでここ数年雨の多い台風が何度も来たからでしょう。しばらく枯れ沢を下り続けると左には北鎌独標と槍ガ岳が間近にせまりなかなかの眺めです。その後沢は北鎌からの沢と合流し流れが出て来ました。北鎌沢出合は伏流水になって普通は水がありませんから出合に泊まる人はここで水を補給しなければなりません。このあたりから沢は広くなりしばらく下り続けると北鎌沢出合いに9時少し過ぎ到着しました。

 ここも以前と違いかなり荒れていて何張りかあったテン場も1張り分しか見あたりませんでした。私が最初にここに来たのが40数年前ですがその頃は川幅もこんなに広くはなく砂地にシートを敷いてごろ寝した記憶があるのですが。

 いよいよ北鎌沢には入ります。しばらく沢を積めるとやがて二つに別れますが我々は右俣を真っ直ぐ登っていきます。水はほとんど左俣から流れているので水の少ない時はここで補給をするのですが今回は右俣のかなり上まで水が出ていたので少し楽ができました。沢は途中大きな岩が進路をふさぎますが乗り越えて真っ直ぐ登るのが正しいです。最後に沢が無くなりく草付きの斜面に変わりますが今回は草付きの下が大きく崩れガレになっていましたので左側にある細い2本の溝の右溝を登り途中から右手の草付きの中にある踏み跡に辿り着きました。ここからは稜線にコルが二つ見えますが左の方が北鎌沢コルで12時30分到着しました。

 やっと北鎌尾根に乗りましたがここから天狗の腰掛けまで未だ未だ登りが続きました。天狗の腰掛けまで来ると小さなテントスペースがところどころ出て来ますが我々は今日の目標、独標の取り付き手前まで進みました。かなり独標に近づいてテント1張りできそうな小さなコルに到着しましたが、わずかな記憶ですがもっと良いテン場があったと思い空身で探しに行くと独標基部の大きな岩の東側に綺麗なテント場を発見しました。西から吹く風も防ぐことができる北鎌では最高のテン場です。時間は15時30分。天気も良く微風で快適な一夜でしたが夕刻前県警のヘリが飛んできて何回も旋回しているようでした。やがて行ってしまいましたが翌日訳が分かりました。

3日目:ここからはルートが分かり難いところもあるので明るくなって出発としました。

6時に近くなって出発しようとすると山なれした2人がやってきました。天狗の腰掛けあたりで泊まったそうで,独標を直登するのかと聞くとトラバースという答え。直登して進みたい気持ちもありましたが我々もトラバースで行こうと言う事になりました。

時々3人で先頭を交代して進みますが、初めてですと所々ルートが分からなくなり立ち止まりますがこれをあまりやると意外と時間を食ってしまいます。でもこのルート初めての二人にはルートを探すのも山登りですからどんどん先頭をしてもらいました。途中で残置してあるザックを見つけました。たぶん昨日飛んでいたヘリにピックアップされた人がいたのでしょう。独標から続く尾根が一反切れてコルに下り先の白い壁を登ると槍が一段と迫って来ますが,福ちゃんに言わせればゼンゼンだそうです。

その先も尾根を縫う様に進みガレを登って「北鎌平」に到着すると槍の穂先は目の前になって来ました。天候は高曇りながらまずまずであと1時間半もすれば山頂です。急登の岩場を槍の東側に出ている蟹のハサミのような岩を目標に進み、よく報告に出て来るチムニーに出ました。私と福ちゃんはチムニー横の壁を登りNはチムニーを登って12時20分頃槍ガ岳頂上に到着しました。

ここで北鎌縦走は終了です。今回は稜線でテン泊したので装備や水で重たく疲れたでしょうに。私は歳のせいで疲れましたがやはり穂先に着くと一時忘れてしまいました。

槍ガ岳山荘に下り一休み、1缶のビールを回し飲みしてから今日の宿、槍沢かできれば横尾まで下る事にします。私は膝が悪く下りにスピードが出せませんので彼らには先に行ってもらいました。私なりに休なく3時間以上もくもくと歩いてやっと槍沢ヒュッテに到着すると福ちゃんが待っていてくれましたがNは横尾に向けて出発したそうです。

今夜は槍沢ヒュッテ泊と思いきやその願望は崩れ去り、また1時間半歩く事になりました。

18時前横尾山荘に到着。先に着いたNはビールも飲まずまっていました。幸いにも雨にあうことなくここまで下れましたが到着後雨が降り出しました。横尾山荘は自炊棟が無く外での炊事になるので夕食付きで泊まることに。遅く着いてもお風呂に入ってからゆっくり食事でも良いのはありがたいもので改めて3人で乾杯。

 4日目:雨の朝でしたが今日は上高地まで3時間ですから余裕です。コーヒーをゆっくり飲んで出発。荷物は重いが心は軽いと言った感じで雨の中を歩きますが殆ど林の中の道なのであまり気になりません。でも昨日まで清流だった梓川が一晩の雨で激流に変わっていました。9時半過ぎバスターミナルに着き沢渡にバスで。途中の温泉に浸かって昼食を食べたらまた福ちゃんのノンストップドライビング。JRあずさ並みの速さで東京に着きました。

追記:Nはゴローで北鎌走破。

記録/村上