急増する太宰府市の認知症有病者数
太宰府市の認知症患者さんはこんなに増える
私の推計によると(下に表があります、推計方法は下記に)、太宰府市における認知症の患者さん(以下有病者という)は、2015年の時点で約2746人が2020年で3371人とこの間に10%以上も急増すると見込まれます。2019年の現在に換算するとおよそ3200人というところでしょう。
それが2040年には約5300人になると予想されます。基準の2015年からみると2倍以上です。
これは、高年齢化(とりわけ女性)するほど有病率が高まるからで、表にみるように、90歳以上が半数近くを占めます。
この期間における総人口はどのようになると予想されるでしょうか。厚生省社会保障・人口問題研究所推計によると、当市の人口は2025年にピークを迎えた後緩やかに減少基調となり、2040年には72,000人と2015年とほとんど変わりません。総人口は変わらないのに、後期高齢者が増加し、それ以上に認知症有病者が増えるという状況になっています。
当会理事長推計、使用した資料は下記のとおり
グラフでみるとこういう推移(下に図があります)
わかりやすく、図に示しました。2015年を100にしてその後の推移を指数で表したものです。総人口はほぼ横ばいといっていいかと思いますが、65歳以上人口は着実に増加、それ以上に認知症有病者数が2040年まで急増している状況が理解していただけると思います。
では、なぜこのような結果になっているのでしょうか。それは過去の太宰府市の政策と関係しています。九州自動車道が開通後、当市は産業立地より住宅開発に力点をおいてきました。70年代後半、80年代を通じて、生活にゆとりのあった団塊の世代が持ち家を求めて転入してきます。当市だけでみると団塊世代がさらに大きな団塊になったわけです。そしてそのまま定住し高齢化していきました。その世代およびその奥さん方が80歳、90歳になると、元来高有病率のため、認知症の総有病者が増加するというわけです。
さて、これに対しての方策を行政のみならず私たち市民でも考えていかなければなりません。これについては別の機会に言及したいと思います。
どうやって推計したか
現在認知症の患者さんは果たして現在何人?将来は何人になる?そんな基本的なデータがありません。公式にないのなら自ら推計してみようということで計算してみました。
材料は、厚生省社会保障・人口問題研究所推計の市町村別人口と筑波大学朝田隆教授らの研究成果である認知症有病率です。
性別年齢階層別将来人口の性別年齢階層別有病率を乗じて求めました。有病率の将来期待値はありませんので、研究時点のものをそのまま使っています。将来、医療の急激な発展によって改善する可能性があることは留意しておきます。