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オウンドメディアリクルーティングの落とし穴。危険を回避する2つのポイント

2019.09.26 04:13

採用広報を強化して、より会社にフィットするであろう優秀な人材を採用していく為に欠かせない、オウンドメディアリクルーティングという手法。要は、求職者に寄り添い、心理的不安を払拭し、期待感を持たせてファン化させて応募に結び付けるという一連の所業ですが、手の早い企業はもう、どんどんコンテンツを作っては運用を繰り返して、効果をだしまくってるのではないかと思います。最近では、「あぁ、うちもやんなきゃまずいよね」という企業がようやく出だしたかなというのが増えたかなという肌感を持っています。

オウンドメディアリクルーティングの2大要素として挙げられているのは、「ジョブディスクリプション」と「シェアードバリューコンテンツ」

ジョブディスクリプションを本気で作りあげている企業はまだそれほどないですが、シェアードバリューコンテンツ作りに関しては、割と求人マーケットに来て居なかったセールスプロモーションやPR関係の代理店や制作会社も売りに来ている市場なので、ちらほら「かっこいい採用サイトが増えてきたな」というのをいくつも見かけます。

普段、だいたいこういうのでチェックしています。

どんどん進めていくことはいい事なのですが、これ、ちょっと落とし穴もあるので注意が必要なのです。ずんずん進めまくると、こんなはずではなかったという危険な状態にもなりかねないので、押さえておくべきポイントを列挙することにします。


①ジョブディスクリプションを書く場合、indeedやGoogleしごと検索に対応する表記や内部設計を施しているか?

意図的に行っているのならよいのですが、割と散見されるのがこちら。ジョブディスクリプションの内容はもちろんですが、基本1案件1ページ構成が原則。同一ページに何案件もあったり、同じ仕事だけどその中に勤務地を多数書いてしまったりという非常に勿体ない作りのものがあります。1職種1勤務地=1ページの原則に基づきつつ、JSON-LD対応をさせた構造で、ジョブディスクリプションを書いてあげる*と、集客の多焦点化に確実に繋がります。これらは設計時にやっておかないと、後で気づいた時には仕様変更からデータ入れまで大変に時間を食う作業になってしまいますのでご注意を。


②シェアードバリューコンテンツ、特にカルチャーコンテンツを作りあげる時に、採用したい人の属性をちゃんと考えた上でコンテンツ制作を行っているか?

シェアードバリューコンテンツは、「カルチャーコンテンツ」「パーパスコンテンツ」2つの要素で構成されており、パーパスコンテンツに関しては平たく言えば企業理念を語るコンテンツなので、企業が向かう方向だとか何のために企業が存在しているか感がちゃんと出ていればコンテンツとして何も問題がないのです。

が、問題となるのは「カルチャーコンテンツ」つまり、企業文化や社風に関するコンテンツ。ここが非常に重要かつ軽視すると超絶危険な状態に陥るわけです。

これは、オウンドメディアリクルーティングとか言われる前から僕らは常に気を付けてコンテンツを作ってきたのですが、

・登場する人の人となりやファッションや髪形やアクセサリや表情
・会社の雰囲気や映っているもの、特に備品関係など

・コンテンツの内容自体(話す情報のレベル感)
・社内行事などの雰囲気

・社内で働く人たちの基本的なマインド

これらの社内カルチャーがそのまま集客・ファン化・応募にもろに関係してきます。

何故かといえば、人は多かれ少なかれ、自分にフィットするロールモデルを見つけようとする心理が働いていると考えられています(行動心理学とかの話は今回は置いておきます)なので、自分がフィットしそうなところだけをチョイスする傾向にあります。これを踏まえていくと、

今いる人材と同質の人が欲しいor同質+良スペックがいいという場合であれば、コンテンツに登場させる人物やマインドなどの情報は、そのまま同質性の高いものを出していけばいいです。

ただし、会社を変革させたい。新しい価値観を入れていきたい。いわゆる新しい風を入れていきたいという事が人材採用の目的だとすれば、まったくもって話が変わってきます。だって、欲しい人材は自社の価値観とはぜんぜん違う所にいるので、同質性の高いコンテンツを出したところで何も響かないわけです。よほど魅力がなければ飛び込みたくないですよね、そんな企業。

こういう場合僕はどうするかというと、こんな時こそパーパスコンテンツを強化。「取り組みがいがある仕事だよ」という事を伝える為のコンテンツ作りをめちゃくちゃ頑張るのと、もう1つ。心理的な阻害要件をとる。つまり「少なくとも味方はいるよ」感をちゃんと出す事を行う。例えば相容れなさそうだけど、実は切り口を変えてみたら、案外共通点がありそうなので、少しはいいかな?とか、伝えていく内容の角度を変えていく事、コンテンツの出し方を変えていく事で対応していきます。

これをきっちり行うには、周囲の方々の協力や細かな取材などが欠かせません。

なので、コンテンツを作る際は必ず

・採用したい人材の優先度をまずは定める。

・優先度が高い順でコンテンツを作りはじめ、反映させる。

・採用状況を見ながら、次に優先度が高い所のコンテンツにとりかかる。

・アクセス状況+エントリー状況を逐次見ながら打ち手を変えて運用

という流れでやっていくべきだと考えてます。


いずれにせよ、オウンドメディアリクルーティングというのは、「自社の採用のために、自社の採用ブランディング力を上げるために、自ら育てていくメディア」なので、効果が出るにはそれなりに時間がかかりますし、我慢の部分も多いです。ですが、しっかり向き合っていく事で、通常出している求人広告やSNS広告などの効果も比例して上がっていきますので、ぜひ、この2つのポイントを見逃すことなく、オウンドメディアリクルーティングで採用成功をさせていきましょう。


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