「DIES UND DAS」Eric Carle
エリック・カールの絵本と言うと、やはり「はらぺこあおむし」などをはじめとして、エリック・カール自身がお話を手掛けた絵本の印象が強く、グリムやアンデルセンなどの古典を手掛けている印象は、あまり無いのではないでしょうか。
以前世田谷美術館での展覧会の時に、そうした古典のお話の絵も多く描いているのを見て、新鮮な驚きがあったのを覚えています。たしかそのタイミングで、日本ではイソップのお話は翻訳が出版されたのではなかったでしょうか。
この絵本はドイツ語版ですが、英語では「Eric Carle's Treasury of Classic Stories for Children」として出版された本で、それまではグリム童話、イソップ童話、アンデルセン童話として別々に出されていた本を(どれも絶版のようです)一冊にまとめたものですね。その三冊の本のすべてのお話が収録されているのではないのですけれど、22のお話が収録されています。
先に書いたように、イソップのお話は翻訳が出ていますが、グリムとアンデルセンは未翻訳のようですね。
古典を描くエリック・カールは、見て頂くとわかって頂けると思うのですが、なんだか不思議な新鮮さがあるんですよね。
エリック・カールの絵は昔から馴染んでいて、目が慣れてしまっている部分がきっとあって、だから見過ごしてしまっていたのですけれど、エリック・カールの絵ってこんな現代的なイラストレーションだったんだなあ、と古典のお話を描くエリック・カールを見ると、まるで眼の靄が晴れたように感じるんです。
エリック・カールのあの描き出すあの鮮やかな色彩が、曇った自分の眼を照らしてくれる、そんな絵本です。
有名なお話が多く収録されているので、絵を見てすぐに、どのお話かもわかると思います。
オンラインストアの方でもぜひご覧ください。
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