ゲリマンダーについて
こんばんは。ご質問、ありがとうございます。返信が遅くなりまして、申し訳ありません。
ゲリマンダーについてですが、意味は仰る通りです。
語源としては、1812年、アメリカの当時のマサチューセッツ州知事であるエルブリッジ・ゲリーが、自分達が有利なように選挙区割りを行ったのですね。すると、どうしたことでしょう。何ともイビツな選挙区が出来上がったではありませんか!
これが、サラマンダーに見えたため、「ゲリーが作ったサラマンダー」略して、ゲリマンダーと呼ばれるようになったのですね。
詳しくはwikipediaでゲリマンダーを調べてみてください。すごく分かりやすい絵が載っています。
で、ご質問の件ですが、選挙区割りを自由に変えることは可能です。
アメリカは州によって法律が異なり、選挙方法も異なってきます。なので、1812年当時にマサチューセッツ州がどのように選挙区割が決定されていたのかは分かりません。(恐らく、どこかの文献を調べればわかるかも知れませんが、そこまでの時間的余裕もありません。)
ですが、エルブリッジ・ゲリーが、自分達が有利なように選挙区割りを行った、ということは史実として残っているので、間違いないでしょう。
現在の日本でいいますと、選挙区割りは公職選挙法で決まっています。なので、公職選挙法を改正すれば、選挙区割りは変えることができるようになります。
日本では衆議院議員定数不均衡の違憲判決が出ているのですから、選挙区割りは変更可能にしておかないといけません。
ただ、法律の改正ですから、ご質問にある「自由に」というところは、どうなんでしょうね。通常の法律改正と同じ手続きを踏むことになりますね。なので、ぶっちゃけた話、「数の力で押し切ろう」とすれば、そうできます。
あと、ゲリマンダーを阻止するための組織や規定ですが、アメリカでは、州憲法で「人種的少数派が不利となる区割り」が禁止されたり、逆に、「人種的少数派が有利となる区割り」も禁止されたりしているので、これがゲリマンダーを防止する規定と言ってもよいでしょう。
日本でも、昔、鳩山一郎がハトマンダーと揶揄される選挙区割りを行おうとしたことがありました。(ハトマンダーなどと揶揄されましたね。結局、批判を受けて廃案になりましたが。)その後、1994年に小選挙区制が導入される際、内閣府(2001年以前は総理府)に衆議院議員選挙区画定審議会が設置されました。そして、同審議会が法律で決められた小選挙区数に照らし合わせて行政区画、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行った選挙区区割り案を内閣に勧告した後で、内閣から提出された選挙区区割り案が国会で審議されることが慣例となっています。
なので、これが一応ゲリマンダーを防止するための組織と言えるでしょう。
ご質問、ありがとうございました。また何かあれば、ご質問ください。